塗り比べても品質がわからない「塗料の薄めすぎ」に注意する

下塗りをした外壁に2つの塗料を用意。
ひとつは「薄めすぎの塗料」。
もうひとつは「正常な塗料」。
ローラーで塗るとその違いに変わりはありません。乾いても同じ。
どちらの場合も完工後はきれいに仕上がります。

その違いの無さを少しでも分かってもらおうと、当時からいろいろやってましたね~

ちなみにこれは仕上がりの完成度と塗料の薄めすぎには関連性がないということを示した、平成15年の時撮影したものを編集して作った動画です。

当時は今ほどインターネット環境の整備が完璧でないというより、利用している人のほうが少ない時代でした。
ビデオカメラを使って、現場作業を撮影というのはほとんどいなかったのではないでしょうか?

当時の塗装作業の動画はそうそう見れないと思います。
その時代を象徴するように、足場は超危険な単管、塗料缶で作ったフネは使いまわし、ローラーも洗って使いまわし、作業服もきたなーい!塗料の入れ物のバケツは金属製です。

今はプラスチック製で、中のカートリッジが使い捨てなので超便利になったものです。
使い捨てを使いまわしにしている職人さんもいますけどね。
当時から今のものを使って、もっと便利に仕事したかった~という感じです。
さて、今の超便利道具を恨んでいても仕方ありません。

下げ缶カートリッジ

問題は塗料の薄め方の違いは職人さんも判別がつかないということです。
素人さんはもっとわからない。
その違いがわかるのは、きっと2,3年後でしょうか。
ここに外壁塗装の品質の本質があります。
業者選びの際にはまず誰もが気にすることは塗料の種類についてです。
それ自体は間違ってはいないのですが、それ以上に気にしなければならない塗料の扱い方を気にする人はあまりいません。
それはネットでの情報が”塗料の質”だけに限定されて発信されているからです。

希釈しすぎに注意表示の塗料缶

業者にすればあまり突っ込んでほしくない情報で、塗料の種類について質問されたほうが業者としては都合がいいからです。
なので塗料の適正使用については多く語られないのが実情で、裏を返せばそのことに触れていない業者は正直さにかけるといわざるを得ないかもしれません。

 

塗料の適正使用

薄めすぎの塗料は、まず光沢が急速に落ちてきます。
急速といっても数年後です。
ただ外壁塗装の耐久性は10年というスパンで考えたほうがいいので数年後につやがなくなってきたとしてら問題です。
つやがなくなってくると汚れが付きやすくなってきます。
雨だれが付きやすくなったりもします。

外壁塗装というものを突き詰めて考えると、「塗膜」が商品になるわけです。
足場でも養生でもないですね。
最後に残るものは塗膜なのです。
塗膜の品質はすなわち『塗料グレード+厚み』といってもいいでしょう。
なのでその家の外壁の面積に適した塗料の使用缶数を知ることはとっても大事になるわけです。

 

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もちろん高級な塗料もはがれてしまえば意味がないわけですから、はがれないことも絶対条件です。
だから下地調整も大事といわれるわけです。
で、薄めすぎの塗料は、塗料の持つ、防かび性、汚染性などの性能を極端に低下させてしまいます。

塗料の種類ではなく正しい希釈が耐久性を伸ばす真実

当時は、大手塗装会社の下請けをやめて間もない時期でしたから、絶対に厳格に正しい施工を求めていたわけです。
大手塗装会社がとんでもない予算で私たちみたいな下請け業者をいいように使うことがとても許せなかったんですね。

しかも、営業マンはお客さんにはあることないことバンバンに言ってましたから。
もちろん会社ぐるみです。
その会社の根本は、名前を変えてまだ今も全国展開してますが、怖いですね~
まだまだ当時の動画は保存されているので、これからもためになるような動画をアップしていこうと思います。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

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