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長年見つけられなかった雨漏り原因を発見するプロの技とは

以前「不安や心配を解消する塗装職人ならではの対処法とは」のブログの中で、ご紹介しました築23年のお客宅の雨漏り原因について、さらに進展がありましたのでお話ししたいと思います。

サッシ周りから雨漏りがあるお宅で以前他社でシャッターボックスのシールが切れていたので塞ぐための工事をしました。

サッシ周りも一通り確認し、これで万全かと思われたのですが、雨が降った際にまた雨漏りが。

雨漏りは、原因を探し出すのが非常に難しく、一つずつ原因となるものをつぶしていくしかありません。

しかも、今回は少し意外な箇所が原因でした。

そこで、発見の経緯と補修方法について詳しくお話ししたいと思います。

目次

雨漏りの再発とお客様の不安

他社の現場調査では、雨漏りが起こっているサッシ近くにある、シャッターボックスのシールが切れていることがわかりましたので、応急処置として新しいシールを打って塞ぎました。

ところが、それだけでは雨漏りが止まらなかったのです。

そこで、弊社の職人二人と一緒に再度点検を行いました。

塗装工事のために足場を組んでありましたので、今回は普段は目が届かない箇所もじっくりとチェックすることができます。

すると、棟板金の貫(ぬき)に使われている木が(棟板金の中心にある木材)、経年劣化と湿気でたわんでしまっていました。

木は年輪にそって曲がるため、貫に使用される際の向きも良くありません。

たわんだ木は、棟板金を押し上げ壁と屋根の間に隙間を作り、この隙間から雨水が入り込んでいました。

さっそく隙間に水をかけてみたところ、棟から入った水は天井内部の壁を伝い、サッシ周りからジャージャーと吹き出します。

隙間はこの写真を見て頂ければわかりますが、写りこんでいる職人の手の大きさと比べて見てもわかるように、わずかなものです。

この隙間は、足場がなければ発見することはできません。

こちらのお客様は、メーカーに雨漏り原因を聞き、散水検査を経て、他社でも雨漏り補修工事をしていました。しかし、雨漏りは止まりませんでした。その後に弊社へのご依頼でしたので、雨漏り原因を突き止めるまで本当に長い道のりだったと思います。

雨漏りがひどくなる夢を見てうなされることもあったそうなので、原因が見つかりホッとしていらっしゃいました。

雨漏り工事の前に無駄な雨漏り工事箇所の補修

工事をする前に、まずはこれまで雨漏り対策として塞いだ箇所の点検をします。

実は、他の業者が軒下の換気口なども雨漏り原因と疑い塞いでしまっていました。

確かに、軒下の換気口は雨などが吹き込み一時的な雨漏りが出ることはありますが、そこまで雨漏り原因となる可能性は高くなく、むしろ換気口を塞ぐ方が湿気を逃すことができなくなるため問題がでる箇所です。

そこで、この換気口を塞いでいる蓋を外し、さらに鳥や小動物が入りこまないように新しく網状の蓋を取り付けます。これで、軒下の換気口も使えますので、室内に入り込んだ水や湿気などを排出しやすくなりました。

雨漏りの浸入口の点検が終わったら、いよいよ雨漏りの補修工事です。

棟板金の貫の交換と雨漏りの原因箇所工事

次に、工事前に内部の傷み具合も知りたいため、天井の中を点検します。

市川職人が天井に潜り中を撮影したところ、そこまで雨水が染み込んでいる様子はなく、傷みはあるものの木が腐ってだめになっている箇所はありません。

これは、本当に不幸中の幸いでした。

そこで、今回は雨の浸入口である棟板金部分の補修工事のみ行います。

最初に板金を剥がし、貫(柱などを貫いて固定するための板材)の交換です。

棟板金は基本的に20年〜30年で交換時と言われており、そういう意味ではこちらのお宅も棟板金の交換時期でした。

板金は、剣先とよばれる棟の先を折り紙のように薄い金属を木に織り込みながら巻き付けていますので、それを1枚1枚剥がして木をむき出しにします。

実際に見てみると、木がありえないほどゆがんでいるのが分かります。この木のゆがみが、板金を押し上げていたのです。

最近は、樹脂材を貫の素材として使うことも多いのですが、こちらのお宅はどうしても棟板金の取り付け部分の納めが難しく、樹脂材を使うと割れてしまう恐れがあるため、今回も木を使うことにしました。 

そして、穴が空いていた箇所には板金で蓋をし、下部分はわざと隙間をあけました。

水の浸入口ではあったのですが、よくよく見ると水を排出した跡もあるため、完全にふさいでしまうと中に水が溜まってしまう恐れがあるのです。

雨漏りというのは、雨の浸入口を闇雲にふさいでしまうと不具合が起きます。

これまでも、よく観察もせずに塞いだために、その隙間から排出されていたはずの水や湿気を逃すことができなくなり、雨漏りが止まっても他のトラブルがひどくなる家を何軒も見ました。

塗装職人ではこれまで多くの雨漏りと向き合ってきたからこそ、ただ雨水の浸入口をふさぐのではなく、その後のことを考えた工事をします。

雨漏り工事と信頼

雨漏りに悩んでいるお客様は、多くいらっしゃいます。

しかし、雨漏り原因を見つけることは、どんなに現場に慣れた職人でも難しいものです。

それくらい、雨漏りにはさまざまな原因があります。

今回のお客様宅も、サッシ周りに雨漏りがあったので、ハウスメーカーや塗装業者など何社もの職人や技術者が症状を見て対策をしました。

しかし、どれも雨漏りを止めることはできず、今に至ったのです。

また雨漏りは、機械の故障のように1箇所だけの原因で起こるものではないため、何度も工事が必要な場合があります。

一気に直せればいいのですが、ひとつひとつ塞いで行かないと、上記でもお話ししましたように別の不具合が出てしまうこともあるのです。

しかし工事を重ねても雨漏りが止められないと、お客様に「雨漏りを止められないのではないか」と不信感を持たれてしまうこともあります。

そうなってしまうと、工事自体がうまくいきません。

雨漏り工事は、総合リフォームを考えた広い視野、職人の技術と経験、そしてなによりもお客様からの信頼が大切です。

塗装職人では、上記に加え雨漏り診断士も常駐していますので、さまざまな手を打つことができます。

雨漏りにお困りでしたら、是非一度ご相談ください。

お客様の悩みを解消できるよう、丁寧に説明し全力で取り組ませて頂きます。

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