塗装前の下準備
塗装のはがれの一番の原因になるため適材適所の道具を用いて下地調整を徹底しています。
塗装がされてしまえば隠れて見えなくなる作業ですが、下地調整がしっかりなされないとどんなに高額で性能が良い塗料でもはがれてしまいます。下地調整は主に3つの種類に分かれます。
①脆弱部の塗膜の研磨除去
活膜以外のはがれかかっているまては密着不良を起こしている塗膜を除去します。
②密着性を高める旧塗膜の研磨
専用道具にて活膜の上から研磨などを行います。
③さび落とし
鉄部に発生した錆びを落とします。
横浜市役所の鉄扉と木枠の下地調整作業の動画
下地調整とは、塗装をする前の下準備で塗装をはがれにくくする作業のことを言います。
研磨によって表面を荒くし塗装の密着度が高まってはがれにくくなります。ツルツルした面より、すこしだけザラザラした面のほうがはがれにくいのです。また、はがれかかって弱くなっている塗装(塗膜)を除去したりして、汚れやカビ等の付着物を掃除してきれいにして塗装面を整えたりもします。全般にこの下地調整は専門用語でケレンとも言いますが、研磨のみの場合は目粗しや足付けとも呼ばれたりします。
下地調整は塗装すれば隠れてしまうものだけに、軽視されてしまうこともありますが、下地調整は塗装業者にとって大事な作業のひとつです。戸建て住宅の塗装では手作業がメインで、下地の劣化度や状況によって電動系の道具で作業をします。私たち塗装職人では、塗装を長く持たせるために下地調整を念入りに行っています。
鉄部の下地調整
鉄部はさび落としがメインとなりその他は研磨作業が下地調整となります。
屋根の下地調整
特にスレート屋根の塗装をはがれにくくする点においては高圧洗浄をして汚れやカビを除去する作業が下地調整になりますが、それ以外の鉄関係の屋根には下地調整をします。
カワスキとマジックロンを使った手作業によるトタン屋根のケレン
外壁の下地調整
外壁の場合は、基本高圧洗浄が下地調整となります。板張りの下見板やトタン外壁などは手作業の研磨等にて下地調整を施します。
木部の下地調整
塗膜のはがれが散見される箇所ですが、破風や軒など見積り時などの調査診断ではわかりにくい高所にもあるので足場組立後によく確認して作業をします。脆弱部の塗膜をしっかり除去し塗料の密着性を高めます。
木部の下地調整の動画
付帯部などの下地調整
塩ビ素材やベランダ床のFRP素材、ケイカルなども状況に応じて下地調整を行います。
下地調整に使う道具
劣化度や下地素材を見極め適切に処理するため、一級塗装技能士が適切に道具を使い分けています。
普段塗装に縁の無い方にとっては塗料の種類やグレードに着目しがちですが、下地調整は仕上がりと耐久性の両方を決定づける作業と言っても過言ではなく塗装業者にとって要の作業なのです。