今回は屋根塗装の施工風景をお届けします。
担当した職人は一級塗装技能士であり、今年、塗装指導員免許も取得した職人です。
先回、屋根の上塗り1回目を完了させたので、本日は2回目の上塗りを行いました。
まずは屋根の細かなところ、ローラーの入りにくい部分から塗り上げていきます。ダメ込みとも呼ばれるこの作業をすることで、塗り落しや掠れを防いで均一な厚みに仕上げます。小口は平バケで入念に塗り込みました。
次にローラーで全体に遮熱トップコートを塗り重ね、艶やかに、そして色鮮やかな塗膜に仕上げます。まんべんなく塗布が完了した屋根は、陽の光を受けてツヤツヤとした光沢の輝く仕上がりとなりました。断熱と遮熱の性能は、これからの暑くなる季節、体感として理解していただけるのではと思います。
午後からは屋根の縁切りを行いました。
縁切りとは、屋根材の重なりが塗料によって埋まったところに隙間を空けていくことです。この隙間が埋まった状態では、わずかに空いている部分から侵入した雨水が吸い上げられたり、屋根材の突き合わせから入った水の逃れる場所がなくなってしまい、雨漏りや腐食に繋がる恐れがあります。
はじめての屋根塗装の場合は、縁切りはほぼ必要ありません。例外として、こちらの現場のように特に厚膜に仕上がる断熱や遮熱塗料で塗装した場合は、縁切りをしてもらいましょう。また、屋根の勾配があまりないお宅も検討した方がよいと思います。
縁切りの方法はいくつかあり、カッターなどで隙間を空ける方法と、空けた隙間にタスペーサーという資材を入れる方法があります。
キルコートで塗装している場合は、隙間を空けただけだと、塗膜の厚みでまた隙間がくっついてしまうことがあるので、タスペーサーを入れていきます。
この日は、柄の付いたカッターで塗膜と塗膜を分離させていきました。厚みがあり、乾燥して硬化した塗膜にカッターを入れていく作業は、とても労力がかかる地道な工程です。カッターだけでなく、ときにはマイナスドライバーや皮スキを差し込んで、持ち上げるようにしながら少しずつ隙間を作っていきます。
この作業は同じ断熱塗装である「ガイナ」でも同じになります。
次回は、空けた隙間にタスペーサーを差し込む工程に移ります。