今回は過去の事例から、3月29日に栄区公田町で行った工程の様子をお送りします。
職人は一級塗装技能士の川口です。
この日は仕上げた大屋根の縁切りを行いました。
縁切りとは屋根材同士の重なりに隙間を空けることを言います。塗装をすると、その屋根材同士の重なりが塗料によって埋まることがあるのです。ここが詰まった状態ですと、わずかに空いた隙間から入った雨水が吸い上げられたり、屋根材の突き合わせから侵入した水の逃げ場がなくなってしまい、雨漏りに繋がる恐れも。そのため、カッターやタスペーサーといわれる縁切り材を使用して、縁切りをします。
この縁切りですが、はじめての塗装の場合はほとんど必要ありません。すでに隙間は空いていますし、塗料をたっぷり塗布しても重なりが埋まることはないからです。ただ、断熱や遮熱塗料のような、特に厚膜に仕上がるものの場合は必要になります。また、屋根の傾斜があまりない場合も検討しましょう。
2回目以降は塗膜の厚みが増すことになるので、縁切りは必要になってきます。はじめての塗装でも、そうは言われてもやっぱり心配…というお客さまには縁切りを行っていますので、ご相談頂ければと思います。
ここでの縁切りは、水抜きカッターと金ベラで隙間を空けていきます。カッターを差し込んでスライドさせながら、金ベラで上に持ち上げるように隙間を空けます。塗膜は乾燥すれば硬くなりますので、この縁切り作業はなかなかに大変な工程だったりします。通常のカッターを使用した場合、刃がすぐに折れてしまい、何度も刃の交換をすることも。一ケ所ずつ全面の縁切りを行ったあとは、下屋根の上塗りに移行します。
屋根塗装はほぼ完成していましたが、下屋根の一部の上塗りも行いました。ローラーの入らないと細かなころには刷毛で塗料を置くように塗布していきます。
こちらは軒の再塗装をしたところです。一度仕上げたところを再び確認して、透けや掠れがあれば手直ししていきます。気になる点は妥協せず、何度も修正してより耐久性が高く、見た目もよい塗装に仕上げています。
次回は一部、足場解体が行われます。