外壁塗装で迷ったときに知っておくべきポイント
外壁塗装を検討している方にとって、複数の見積もりを比較するのは重要ですが、突然の訪問営業や大幅な値引きの提案には慎重になるべきです。今回の相談者のケースをもとに、外壁塗装業者の選び方や注意点について解説します。
相談内容:突然の訪問営業と大幅な値引きに戸惑い…
相談者は、大手ハウスメーカーから水性シリコン塗料で見積もりを取得。そんな中、近所で工事をしていた塗装業者から訪問営業を受け、以下の提案をされました。
- 「足場と養生をそのまま引き継ぐので無料にする」
- 「モデル工事として特別価格を適用」
- 「60万円の大幅値引きを実施」
- 「自社施工で中間マージンをカット」
この話を聞くと、お得に思えてしまいますが、実際はどうなのでしょうか?
大幅な値引きには要注意!その理由とは?
訪問販売業者が提示する大幅な値引きには、リスクが伴うことが多く、特に以下の3つの点に注意が必要です。
① 最初に高額な見積もりを提示し、値引きでお得感を演出
最初から60万円もの値引きが可能であれば、最初の見積もりが高すぎた可能性があります。こうした営業手法を用いる業者は、信用できるとは言い難いでしょう。

② 値引きのために工事の品質を落とす可能性
塗装工事は、塗料の希釈率や塗布回数を減らすことで、コストを大幅に削減できます。見た目だけを整え、塗膜の耐久性を犠牲にする「手抜き工事」のリスクが高まります。
③ 足場の引き継ぎは値引き理由にならない
「足場をそのまま使うので安くできる」という説明は、実は誤解を招くものです。近隣で施工中の家があっても、新しい工事では足場の解体・組み立てが必要となるため、本来の工事費用に大きな違いは生じません。
「モデル工事」に要注意!本当にお得なのか?
訪問販売業者がよく使う手法のひとつに「モデル工事」という言葉があります。
「モデル工事」とは?
「この地域での施工実績を作るため、特別価格で施工する」という営業トークですが、実際には最初の見積もりが高く設定されていることが多く、「値引きの理由付け」に過ぎないこともあります。
本当にモデル工事なのか見極めるには?
- 施工事例として本当に掲載されるのか確認
- 他の顧客と比べて明確な割引基準があるかチェック
- 値引きありきの話ではないか見極める
単に「モデルだから安くなる」という理由だけでは、納得できる説明とは言えません。
「自社施工=安心」ではない!下請けとの違いを知る
「自社施工なので中間マージンがかからない」という営業トークもよく耳にしますが、これも一概に良いとは言えません。
自社施工と下請けの違い
- 自社施工:職人を直接雇用し、自社で施工を管理する
- 下請け施工:契約した業者が、実際の施工を別の業者に依頼する
下請けの存在自体が悪いわけではなく、「適正価格で適正な工事を行うか」が重要です。むしろ下請けに無理な低予算を強いることで、品質が落ちることもあります。
一括見積サイトでは、依頼情報が複数の業者に共有されます。業者は1件の見積もり情報を受け取るごとに数万円の手数料を支払うだけでなく、契約が成立するとさらに追加の費用が発生します。その結果、業者がコストを抑えるために低価格で工事を請け負う傾向が強まり、品質の低下が一般化している点にも注意が必要です。
「自社施工だから安心」ではなく、品質管理が重要
たとえ自社施工でも、コストを極端に削減すれば質の良い工事はできません。施工の品質を見極めるためには、過去の施工実績や口コミをしっかりチェックすることが大切です。
訪問販売の営業トークに惑わされないために
訪問販売業者がよく使う営業トークには、共通するパターンがあります。
営業トーク | 真実 |
---|---|
「近所で工事しているので足場代無料」 | 実際には足場設置の手間は変わらない |
「モデル工事だから特別価格」 | もともと高額な見積もりを値引きしている可能性 |
「今日契約すればさらにお値引き」 | 考える時間を与えないための手法 |
「自社施工だから安い」 | 自社施工でも低予算では品質が落ちる可能性 |
賢い業者選びのポイント
訪問販売に限らず、業者選びでは以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 複数の業者から見積もりを取る(3社以上がおすすめ
- 見積もりの内訳が詳細に記載されているか確認
- 塗装の仕様(塗料の種類・塗布回数)が明記されているか
- 施工実績が豊富で評判の良い業者を選ぶ
- 訪問販売業者には即決せず、一旦冷静に考える時間を持つ
外壁塗装は長期間にわたり家を守る重要な工事です。「大幅値引き」や「特別価格」といった営業トークに飛びつく前に、冷静に業者の信頼性や工事の質を見極めましょう。
今回の相談者のケースでも、60万円の値引きよりも「適正な価格で適正な工事をしてくれる業者」を選ぶことが重要です。
外壁塗装で失敗しないために、ぜひ慎重な判断をしてください。