塗装業者も危機一髪!?ステマと口コミ偽装が行政処分に指定

先日ステマがようやく禁止されることになったようです。

塗装業界にはステマ以外にも、一級塗装技能士が施工すると匂わせ実際には施工しない商法や、神奈川県内だけでも先日の横浜での巨額の脱税事件やパワハラがニュースになるなど色々気になることがたくさんあります。

ステマとはステルスマーケティングと言って、読んで字のごとく隠れた宣伝行為をするというものです。

第三者からの投稿ではなく自作自演で口コミをする類の行為だったり、有名なインフルエンサーや芸能人が企業から依頼された宣伝ということを隠して、普段から自分が使用している商品がとても良いというように情報をSNSなどに流すということです。

一般消費者にとってはまさに「ステルス」だと思いますが、他の業界同様もちろん外壁塗装の業界でもあります。

先日の3月28日には河野太郎デジタル大臣がこのステルスマーケティングについて景品表示法における「不当表示」に指定したという発表をしました。

ようやく偽の情報として扱われるようになったということになったのかなと思いますが、10月1日からは行政処分の対象になるようです。

ステマについての景品表示法における「不当表示」の指定

 

 

商品は購入して手に取ってからでしか本当の品質が分からないものが多くあります。購入してから後悔するものも少なくありません。私もアマゾンで物をよく買いますがそこで絶対に参考にするのが口コミです。

真っ先に星印の数を見に行きます。当然ながら評価が多く、さらに5つ星の数が多いほど品質が良いというのが普通の見方ですが、今は星印以上に口コミの内容も重要です。あまりにも抽象的な内容には注意が必要だとは思います。

良い評価悪い評価に関わらず、実際に商品を購入してみて評価をしようと思ったときというのは、必然的に手に触れた感触だったり操作性だったり具体的な内容になると思っています。

雰囲気だったり外見の見た目や商品イメージから簡単に想像できてしまう抽象的内容は重視しなくなりました。普通に考えると5つ星だけが極端に多いのも不自然ではないかという気もします。

商品を比較するためには口コミは必須ですが、昔問題になった食べログでもあったように企業側も集客手段として真っ先に使用するアイテムです。

外壁塗装業界でも口コミは必須のアイテムになっているようで、不審かどうかは見た人の判断に委ねるとして、3.4ヵ月の間に急激に5つ星が増えたりして、その反面内容は抽象的だったりしてかなり不自然な口コミが普通にまかり通っている状況です。

 

塗装職人の口コミ事例

 

口コミを増やす手段としての王道は、工事してもらったお客さんに評価の投稿をお願いすることです。

若い年代だとインスタグラムに商品レビューなどを載せたりしていますが、外壁塗装の場合の評価先はGoogleがメインです。

アマゾンやヤフーオークションなどの場合はシステム上購入した物品以外は評価が出来ないようになっていますが、Googleの口コミ評価は塗装工事のように地域に根ざしたサービスというものも対象としているため、ネット上だけで評価を完了させることが出来るものとは違い、架空の評価を作り上げることが簡単に出来てしまいます。

実際には社内からの自作自演の評価以外に加えて、よくあるのが口コミ代行業者を使うご法度な方法です。

 

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今はさすがに今回の景品表示法に対する告示の前からグレーゾーンだったということは社会問題化されていたので、代行業者も息を潜めることになってますが、この方法が口コミを増やす代表的な方法になっています。

もちろんポリシー違反でガイドラインも敷いてあり厳しいペナルティもあるのでとてもリスクのある行為です。

ただシステム上だけでサクラによる口コミを完全に排除させることは極めて困難なことも事実です。

特に塗装工事は高額な買い物です。塗装を計画する際の業者選びはより慎重にならざる得ないわけですが、世の中のあらゆる買い物の中で本当の品質がわかるまで数年後にしか判断が出来ない高額商品の一つが外壁塗装です。

石を投げれば塗装業者にあたるというぐらい業者が多いので、競争が激しい中このようなモラルに反した行為が増えてきたのだと思われます。

以前からもう何度も発信しているように、生業として塗装業を始めるにあたって資格などは一切必要ありません。

神奈川県知事の許可から令和4年に変更になった国土交通省の塗装工事業許可

 

極端な例を言えば昨日サラリーマンをしていて今日塗装業を開業することは可能です。資格などは厚生労働省、建設業や塗装工事業は神奈川県知事や国土交通省の許可制度というものがありますが、業者として工事を行うにはそれらは全く不要です。

 

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もちろん知識があればという前提ですが、実際に○○塗装というような本来のペンキ屋と思わせるような社名を作って、WEB制作会社や訪販会社などの多くの会社が塗装業として活動しています。

そのような会社がたくさんあるということを知ってしまうと更に正しい業者選びは困難を極めますが、そこで業者選びに一番信頼がおける指標となりそうなのが口コミ評価になるというわけです。

ちなみに今の口コミ評価と同類の問題として、以前からあるのがお客様から寄せられる手紙などによる感想文です。

横浜市内で2006年に施工したお客様

 

 

うちでも以前は多くのお客様の手紙を写真付きで掲載していたことがあります。

頂いたお手紙では10年経過しリピーター様として再注文をしていただいたお客様もいます。

10年後に再注文していただいたリピーターのお客様の初回のお手紙

 

ただパソコンに向かって文章を打つことは誰にでも出来るため、手紙もわざわざお客さんに頼まなくても作ろうと思えば色々な便箋を用意して簡単に作れてしまします。

何の資格も要らない参入障壁が低いこの業界です。

色々な会社が雨後の筍のように設立されている中で、このような手紙も必然的に信頼性低く見られてしまっているだろうという理由もあって今は積極的に掲載はしていません。

3枚つづりで頂いた泉区のお客様からの手紙

 

それよりもやはり口コミをお客様にお願いするほうが、塗装を計画している人への影響も強いため、出来る範囲でお願いをさせてもらってます。

ただ家の塗り替えだけにお客様の年代的には若い方ばかりではありません。

口コミをしてしまうとアカウント情報から個人情報が漏れてしまうのではないかと不安になるお客様もいるようで、工事をするたびに評価をもらえるということも中々難しい現状があります。

工事の質には自信があっても、なかなかトントン拍子に星印が増えない現状を身に染みて感じているので、日常品とは違い数か月の間に数十の評価を増やそうとすると、代行業者の手を借りたほう早いと思う業者が出てくるのも不思議ではありません。

うちは創業32年でそこそこ名前も売れているので、他業者さんより工事数が多いにも関わらず、それでも横浜店の評価数では現在60に届いていない数字です。

 

お客様との記念写真の数々

 

少ないと思う方もいるとは思いますが、これも誓って言えるのですが工事していないお宅からの偽装口コミはゼロです。

数年前のもので星印だけ残して口コミがない評価に対してはどのお客様からの評価が不明というものも中にはありますが、偽装は全く100%ありません。

 

横浜市内で施工したお客様の手紙 ※社名は以前のもの。

 

これまでの経験上、こちらから評価のお願いなどのアクションを起こさない限り口コミをもらえるという可能性は、口コミを投稿するという作業に不慣れな年代の方を対象とする業種にとってはとても少ないように思えます。

最近もヤフー知恵袋で口コミに関する質問に対して私が回答したりしていますが、これからの時代は逆に急激に増えた口コミのほうが信頼性を落としてしまうのではないかとも思います。

このステマの禁止の発表にも関わらず、以前から評価数が伸び続けていてその勢いがそのまま続けばまだ信憑性がある口コミだと判断できますが、抽象的な内容でバッタリ勢いが止まってしまった口コミには注意が必要かと思います。

特に同じような文体やフレーズ、表現を繰り返していたりプロモーションのような言い回しを含んでいる場合や、かつ投稿日が近いということも代行業者によってまとめて投稿された可能性があります。

うちの口コミに関して振り返ると、やはり具体的な内容が多いことに気づきます。職人の名前や見積もりや工事の状況など具体的な表現です。

もちろん「きれいになった」「マナーが良かった」「仕事が丁寧」などの代行業者が思いつきそうな抽象的な内容のものもありますが、慣れない作業の中一生懸命書いて頂いた100%本物の口コミなのでより具体的になっているかと思います。

お客様に依頼している例

 

中には偶然にも同姓かつ築年数が同じ内容の口コミもあるので、社内でどのように対応したら良いかと議題にも上がるほど信頼性が疑われるような絶妙な投稿もありますが工事をしてもし一つでも偽装な口コミが発覚したら全額返金でも問題ないと、声を大にして言っても問題ありません。

口コミは少ないより多いほうがいいですが、代行業者を使ってまで偽装するよりかは、技術や品質を理解してもらえるような情報で訴えかけるほうがうちのやり方にあっています。

 

併せて観たいYouTube 食事会でいただいたお客様の感想

 

施工に手を掛けさせたもらった分、工事期間中でのマナーや仕事ぶりの評価などより具体的な口コミは本当にありがたいです。今後塗装を計画する方にはとても参考になるものだと思います。

その一方で多くの口コミは工事完了後に投稿されるもののため、本当の質がわかるのは数年後ということを考えればもしかしたら少々物足りないという方もいると思います。

もし初回に塗り替えをお願いした業者の仕事が気に入れば、また10数年後に次の塗装もお願いするのは自然です。うちではリピーター様の協力を得ながら口コミより参考にしてもらえるような動画も作っているので参考にできると思います。

併せて観たいYouTube リピーター様の動画集

 

色々疑えばキリがないですしネガティブなことを中心にした記事もどうかとは思いますが、工事や施工に対する国や省庁などによる規制がない限りトラブルに遭遇する人や泣き寝入りする人も絶えません。

このような情報操作だけでなく契約ではとても法外な金額での商法や屋根が剥がれているなどの突如として現れる訪問販売、工事後も塗料を薄く延ばしたりするなど外壁塗装には気を付けなければいけないことが少なくないです。

間違いをすべて完璧になくすことはできませんが、こうした情報は必要不可欠なのかとも思っています。

いずれにしても塗装業界なだけに当たり前化していたので、今回のステマの禁止令はうちとしてもありがたい発表でした。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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