お盆休みはどのように過ごしましたでしょうか。
私はほぼ仕事でした。
というか、子供も学生となる親と一緒に行動もしなくなって出かけることがないしやることがないうのが本音ですけどね。でも周りがお盆休みということで気は抜けていました(笑)
先日警察から振り込め詐欺の防止協力の感謝状をいただいたことを報告しました。
これほどまでに世間に周知徹底されている振り込め詐欺の被害額が減らないことにちょっと意外さも感じました。
と、自分が身を置くこの塗装業界に考えを移すと、振り込み詐欺の被害が減るわけないのに、外壁塗装の悪質工事が減るわけないなとも思ってしまいました。
ちにみに地元地域の被害額が今年の5月にはすでに6,800万円。被害額はさておき、1件100万円以上もする外壁塗装において、毎月どの程度工事が行われているのでしょうか。
今こそ真夏なので数少ないですが、被害額を言えばそれをも上回るかも知れないとも思ったりするわけです。例えば10点満点が完璧な工事ならば、5点程度以下で終わらせてしまっている工事が最近多いというのも肌で感じます。
工事契約の全額が被害ということでもないでしょうが、耐久性を鑑みればそれなりということも言えなくもないと思ったりします。それならば社会問題化しても不思議ではないと思いますが、そこがこの外壁塗装の特有なところですね。
工事完了直後は品質は確かなのか施主の慎重さもピークですが、完了確認が済んで年数が経過してしまえば業者の勝ちのようなところがあります。
外壁塗装という買い物は、ご存じの通り後で品質がわかってくるものです。高額な割に後からしか質を判断できないというのは、業者の選定にも相当勇気がいりますよね。
なので見積もりや契約内容に着目するも、保証に一番の重きを置いている人も当然ながらいます。
ただその保証対象が、施工に起因するものであれば業者の責任になりますが、そうでないなら経年劣化ということで保証対象にはなりません。
この対象になるかならないかの基準が業者様々なので、一概に保証10年とか15年とかの長期保証が付いていてもすぐ喜べないのが実情です。
私からすれば、「実際には使えない保証」にも関わらず長期保証をちらつかせているのは危ない業者に見えてしまいますし、過去の経験ではそう言わざる得ません。さらには施工に起因する瑕疵だったとしても、工事完了してしまえば業者の気持ちとしては、時間が経過してからコストをかけて修復したくないというのが実情にも思えます。
なので、本当に保証に期待をする場合は、どのような状況下ならば保証対象になるのかを見極めたうえで、実際にその効力を発揮してくれるのかどうかの実行力の確認のこの2つが必須ですね。
いずれにしても業者都合のいいように瑕疵を認めず修復を回避したりする事例も本当に多くあるようなので、あまり素直に真に受けない方がいいと思います。
なので外壁塗装が終わっても、すぐ「完了サイン」のハンコもするべきではないとも思います。
業者さんの中には、施工完了後に真っ先に完了サインを求めてくる業者さんもいます。後からのクレームを回避するためと支払いを確実にしてもらうためだと思われますが、工事品質に自信が持てないと完了サインを真っ先にもらいたがるんだろうなというのはよくわかります。
この場合事例として多いのは、塗装の専門業者のように見えて、実は経営の上層部が素人で囲われていたりする業者さんです。
よく聞くのは、やたらと一級塗装技能士の数とかISOなどを掲げている業者さんが見受けられます。
正直施主側の誤解もあるので、何でもかんでも言うことを聞いていたのでは会社の体力が持たないのである程度の基準は必要ですが、職人を信頼して質に自信が持てれば完了サインも特別はいらないはず。
施工内容の把握が職人の域まで達していれば工事内容もイメージできるのでしょうが、あまりにも把握できないと工事の自信云々というよりも、いかに売上げの邪魔をすることなくシステマチックに施主対応できるのかに注視が行くのもこういった業者さんの特徴でもあります。
当事者の職人から聞くのも金額的にも仕事がないからやっているだけで、なかったらとてもじゃないけどできないというよくある痛い話も。
契約金額の割に施工内容が伴っていないのを自認しているのか、最後の仕上げ行程だけは施主から突っ込まれないように完璧に仕上げることが必要なんだそう。
今は私も現場から遠ざかりましたが、施工の中身に力を入れた作業でも少しでもペンキが垂れていたりはみ出していたりすると、終わりが良くなければそういうような工事に見られてしまうというのは昔から感じていたことですが、中身が半端でも終わりだけを重視すれば納得してもらえるというのは、逆転の発想と言うか業者としては何とも言えないですね。
ではだからと言って質が伴う工事というのはメーカー仕様の通りということも言えないです。
家は千差万別に傷み度がぢがいますし、逆になんでもかんでも3回塗りしていたら、本当はもっと処置が必要だった紫外線で傷んでいた部分だけが普通に処置されてしまったりして逆に良くないケースも考えられてきます。
そこはやはりその時の劣劣化症状を鑑みて、職人が適材適所に最適な処置をすることが求められてくるのだと強く思いますね。
振り込め詐欺ではないですが、このような外壁塗装の「完了詐欺」も世間に周知徹底していければいいと思いますが、そもそもその前段階にある業者選びの時点で間違いをなくしたほうが賢いやり方ですね。
ではうちにすれば、と言いたいところですが、故意ではないにせよクレームもないわけではないですし、施工内容には自信が持てたとしても忙しすぎて営業対応が甘かったりもするので、それでも良ければですね。念のため。
うちも全然まだまだ完璧ではないのです。
でも業者選びの間違いを段違いで減らせるのは、今さらですが事務所に足を運んで判断するのが最善かなと、これは何よりも強く思いますね。
というのは、一昔前までは訪問販売の手口に惑わされないためにもその塗装業者の会社事務所に言って、材料が置いてあるのかの確認を進めていましたが、今ではそれも正確ではなくなってきました。
うちは横浜と世田谷の用賀に事務所がありますが、世田谷にはほぼ材料は置いていませんし。
でも職人創業のれっきとした職人業者です。
違うのは同じ事務所でも、社員がどれだけいて、大きさとしてキャパがどの程度の事務所なのかは問うべき問題だと思います。
外壁塗装というのは、今後AIが発達したしても現場で効率化が図れるのはものすごく限定的だと思われます。というかAIが使われる場面設定をイメージするのも困難です。
高圧洗浄、養生、ローラーでの塗り・・などなど。
AIで効率化を図れるのは、材質と傷み方に見合った最適な材料を教えてくれるとか、このサッシ枠の材質にはのりが残らない掃除が楽なこのマスカーが適しているとか、要は知識レベルでは教えてくれるとは思いますが、作業を肩代わりしてくれることはないですよね。たぶん。
AIはたとえ話で出しましたが、効率化を図ることが困難な業種ならば、現場作業とは直接関連のない社員が事務所内に多くいる分だけ、広々とした大きい事務所の分だけ費用も掛かり現場に使われるコストも減少していきます。
当然ながら事務所には必要最低限の社員がいなければ現場も回りません。そういうのではなく、あくまでも「余分な」という意味合いです。
キャパが大きい事務所ややたら事務員が多い塗装会社というのも、この業種だけに限定して話をすれば、品質を確保するのがより困難になってくるんだろうなと、長い間塗装業者をやってきてつくづくそう思います。
電化製品のように型にはめたようにきっちりと品質を判断できるものでしたらいいんですけどね。
外壁塗装は人の手によって質が大きく変わる以上、できるだけ他のコストにたいしてシビアにならなければいけないのかなとも思っています。
こういうのは経営の手法の違いでもあるかもしれないですね。工事の質自体に満足してもらうのか、質は不明瞭でも対応の接し方で満足してもらうのか。
業者なら質も良くて対応もばっちりと言いたいところですし、もちろんうちもそれを目指しているのは言うまでもないですけど、でも今現在は見積り現調をする人員が不足しているので、どたらかといえば工事の質に満足してもらえればなという思いです。
ちなみに塗装職人では、職人をのぞき10人行かない最小の人手で回しているにも関わらず、工事量はおかげさまでそこそこなのです。