もくじ
ここでは「RC住宅で、塗替えと遮熱機能を持つ屋上防水工事」世田谷区M様邸の事例から防水工事だけを抜き出し、その工程を詳しく紹介します。
ルーフバルコニー・陸屋根などの防水工事
5ヶ所の防水工事
今回M様邸では、陸屋根(3階屋上)・ルーフバルコニー(2階屋上)・2階出窓の庇・3階出窓の庇の4ヶ所の塗替えと、窓枠シーリング(コーキング)の打ち直し、全部で5ヶ所の改修工事を行いました。
施工前
ルーフバルコニーは、シールが劣化し、床上には細かいクラック(ひび割れ)が見られました。
施工後
日射反射率50%以上の「サラセーヌTサーモ 遮熱ライトグレー」(AGCポリマー建材の商品紹介ページ)を使っての遮熱塗装を行いました。
遮熱塗料で太陽光の赤外線を反射させることで陸屋根表面の温度上昇を抑え、屋根下の室温上昇の抑制も望めます。
施工方法は、QVシートを使った「ウレタン防水通気緩衝工法」(ルーフバルコニー)「ウレタン密着工法」(2・3階出窓庇)「トップコート仕上げ」(陸屋根)の3つの工法を使い分けています。いずれもトップコートに遮熱効果をもつ保護仕上材「サラセーヌTサーモ」を使用しての遮熱塗装です。
陸屋根(3階屋上)-「トップコート仕上げ」
- 下地調整後、下地との密着性を高めるためプライマー(下塗り材)を塗る。
- 保護仕上材(遮熱トップコート Tサーモ)を塗って仕上げ。
ルーフバルコニー(2階屋上)-「ウレタン防水通気緩衝工法」
ルーフバルコニーは、屋根でもあり、日常的に床上を住人が歩く生活の場でもあるので、耐久性と安全性を考慮した施工が必要となる場所です。
「ウレタン防水」は、粘り気のある液状のウレタン樹脂を塗って防水層を形成する工法で、弾力があり継ぎ目のない仕上がりになります。
ウレタン防水層の下に通気シートを用いる「通気緩衝工法」は、下地(コンクリート)に含まれる水分(水蒸気)を排出することにより、防水層に発生しやすい局部的な膨れを防止する、大きな防水面向きの工法です。
下地調整・シールの打ち直し
- 劣化した既存シールを撤去。
- ケレン・清掃の後、カチオン系樹脂モルタルを塗布し表面を平滑に整える。
- 床の目地にバックアップ材を充填。
- 床と入隅の目地にシーリング材を注入する。
QVシート設敷・防水層の施工・仕上げ
- プライマー(下塗り材)を塗る。
- QVシート(通気シート)を貼る。これにより下地であるコンクリートの中の水分を逃がす層が出来ます。シートの繋ぎ目にはジョイントテープ、端にはMBテープを貼って、隙間から防水材が下地に流れ込まないように補強する。
- 下地の水分を逃がすための脱気筒を設置。
- 1層目、2層目とウレタン樹脂を塗り重ね、防水層を形成する。
- 排水ドレンにサビ止め(エポターツ)を塗る。
- 保護仕上材(遮熱トップコート Tサーモ)を塗って仕上げ。
2・3階出窓の庇-「ウレタン密着工法」
- 下地調整後、1層目、2層目とウレタン樹脂を塗り重ね、防水層を形成する。
- 保護仕上材(遮熱トップコート Tサーモ)を塗って仕上げ。
窓枠シーリング(コーキング)の打ち直し
- カッターを使って劣化した既存シールを撤去し、ハケで目地を清掃。
- はみ出さないようテーピング(養生)をして、専用の接着剤(プライマー)を塗る。
- シーリング材を注入。
- 目地に隙間なくシーリング材を充填するため、ヘラで圧力を加えながら均し仕上げる。
「RC住宅で、塗替えと遮熱機能を持つ屋上防水工事」
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