今回は横浜市保土ヶ谷区の現場での施工風景を掲載します。
担当職人は一級塗装技能士の竹内。
こちらでは、高圧洗浄後、施工開始までに日が空いたので、足場の周りを覆っていたメッシュシートを束ねていました。
風が強く吹くとシートが煽られ、足場に当たって足場が揺れたり、外壁にぶつかって壊してしまう恐れがあるためです。
この日は、そのシートを張る所からスタート。束ねてあったシートを足場の周囲に広げていきました。
次に、雨樋の下地調整をしていきます。
サンドペーパーで表面を擦り、微細な傷をつけていく作業です。塩ビ管のツルツルとした下地に直接塗料を重ねても、ひっかかりがないため、せっかくつけた塗膜が剥がれやすくなってしまいます。
雨樋に限らず、鉄部や木部も下地調整(ケレン)を入念に行うことで、塗料の食い付きがよくなり、塗膜の密着力が高まるため、塗装を長持ちさせるためには欠かせない工程です。
次にミッチャクロンというプライマーを塗布しました。名前からも分かるかもしれませんが、こちらも密着力を強化する材料。雨樋にムラなくたっぷり塗布していきました。
同様に下地調整をした水切りにも塗布。通常のスジカイ刷毛でははみ出るところもあるので、小さめの平バケも併用しながら細部まできっちり仕上げます。
次に屋根に登り、屋根の雨押さえなどの鉄部のケレンをしながら、飛び出ている釘を打ち直しました。
築年数の経過しているお宅ではよく見られる、釘の飛び出し。家の歪み、地震などの挙動によって少しずつ飛び出てきてしまったのです。屋根塗装の際は、こちらも打ち直ししてもらいましょう。
鉄部はマジックロンというナイロンたわしで研磨し、擦り傷をつけました。サビが発生している場合はここで、可能な限り擦り落しておきます。このたわしはゴワゴワしているため、素手だと手が痛くなってしまうので手袋をした状態でしっかり擦っていきます。
こちらはケレンした横樋にミッチャクロンで下塗り中。
ケレンの終えた鉄部にはサビ止め塗料を塗って、サビの発生を抑制します。刷毛でまんべんなく塗り込んで傷みやすい鉄部の耐久性を向上させるように施工。
唐草と呼ばれる、屋根の先端部分も忘れずに小さな刷毛で仕上げます。
屋根材には下塗りとしてシーラーという材料を塗布しました。水のようにサラサラとしており、屋根材に浸透させるように塗ることで内部から補強してくれますし、塗料の密着力を高めてくれます。
こちらは下塗り途中の様子。屋根の傷みが激しい場合は、一度シーラーを塗っただけでは内部に吸込まれてしまうことがあります。その際は、ご覧のように屋根材表面がしっとりと濡れたような質感になるまで繰り返し塗布します。
下塗りから時間を置き、次は中塗りを開始。シリコン塗料を鉄部から先に塗り込み、屋根材全体へと塗り広げました。
塗膜に厚みをつけ、紫外線や風雨による影響を抑制します。
職人によっては屋根の上からでなく下から塗るなど個人差はあるのですが、足の逃げ場を残しつつ、全面に中塗りをして本日の作業は完了となりました。