格安と下請け構造

久しぶりの雪です。正直もっと積もると思いましたが微妙ですね。道路は雨でビチャビチヤ状態です。

ほかの電車は遅れ気味なのに、肝心の相鉄線だけ雪の影響なのか架線トラブルで止まっていたようです。会社の裏から駅ホームを除くと横浜駅行きは人でごった返していました。電車通勤の人は本当に大変ですよね。

ちなみに私はいつも通り自宅からバイクです。そもそも若い時と違って、常に「だろう運転」はしないように気を配りながら普段からは安全運転ですが、今日は3回転びそうになりました(笑)こんな日にバイクで運転なんてちょっと無謀ですよね。

話は変わりますが、事故といえば今回のスキーバスの事故ですね。。運転手のルート変更報告が無かったとかスピード超過とか、いろいろ言われてはいますが、根本はほかの部分にあって、そのしわ寄せで今回のような事故につながったのかなとも思ってしまいます。

ニュースをみて初めて知りましたが、旅行業界にも塗装業界と同じ下請け構造があるようですね。27万円の法定額をずっと下回る19万円で仕事を受けていたとのこと。昨年はなんと13万円のときもあったとか・・半額以下ですね。

今回のツアーなどの場合、もし事故がなければお客さんが受ける品質は高くても安くてもほぼ同じだと思います。安くなるからといって、スキーする時間が少なくなるとか、場所の変更とかはないと思います。塗装業界の場合は、格安の場合お客さんが被る被害は大なり小なり100%出てきます。

ただツアーの場合、品質というより安全面の話なので、ことが起こっては取り返しのつかない事態になるので、こういうことを考えるとずっとずっと安全面のほうが重要で優先してもらわないと困ります。

下請け構造がある業界の場合、受注額というのは質を左右させるもっとも大きい問題なので、元請け下請けともにお互い気を使う問題ではあると思いますが、そういう信頼性というよりも実際には元請けからの強引、強制がものすごく幅を利かせているのかなと感じてしまいます。

10数年前ですが、私が大手塗装会社の下請けで仕事していたころを思い出します。今回のツアー会社のように「他社さんはもっと安いけど、おたくはこの額で受けてくれないの?」という言い方はされませんでしたが、一時価格交渉の際に拒否したことがあって、「下請けはお宅だけじゃないからね」と嫌味を言われました。お互いの信頼性というのは全くなし、私たちのような下請け業者には「協力会社」という呼び名をしていましたが、協力とは何ぞやいう意味を深く考えてしまったこともありました。

正直、当時は元請けのことをこころよく思ってなかったです。それよりもいつか見返してやるという気持ちが強かったですね。

当時現場で職人しながら、毎日ほぼ徹夜で書き上げた外壁塗装のガイドブックも、業者に都合よくお客さんに不利益なこととか業界の構造とか、片っぱしから怒りのパワーでぶちまけていましたからね。ほとんど復讐心です(笑)

それにしてもこういう業界に身を置いているためか、今回の事故だけでなく、横浜のマンション傾斜問題も下請け多重構造でこのような問題も、やたらと目についてしまいます。

マンション問題は、結局ピンチをチャンスに変えるという意味合いがあるのかどうかわかりませんが、元請けが全棟立て直しで決着が図られたようです。大手だからできたことで中小のマンション建設業者だたったら、そこまでの対応はできなかったと言われていますが、根本を考えればそれだけ元々その対応ができるまでの利益を確保してきたということです。

それは末端業者がとても過酷な劣悪環境で作業していたという証でもあるのと、中小の建設業者だったらマンション販売価格が同じの場合には、中間マージンの搾取が大手までひどくないのでそもそも今回のような品質の問題も起きなかったと思わずにはいられません。

営業停止ではなく指名停止とかやらで、社会問題化した割には軽い行政処分なんだなとも思ってしまいました。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

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