今回は東京都大田区の現場から、塗装工事の風景をお送りします。
担当する職人は、一級塗装技能士の星野と二級の曽根カズのふたりです。
屋根はサーモアイによる遮熱塗装の上塗りを開始しました。先回、中塗りまで完了させているので、もう一度塗料を重ねて肉厚な塗膜をつけ、遮熱性能が存分に発揮される塗装に仕上げていきます。
まずはローラーの入りにくい部分をハケで塗り込んでいきます。専門用語で「ダメ込み」と呼ばれるこの工程で、塗り落しや掠れを防ぎ、全体に均等に塗膜が形成されるようにします。細部が仕上がっていると、全体を塗るときにもスムーズに進めることができます。目地バケを使用して鉄部と屋根材の間のわずかな隙間に塗料を付着させていきました。
こちらは場所を移動して下屋根を塗る曽根カズ。雨戸塗装で「ハケ目を出さずに塗るのが得意」と自負するだけあり、下屋根の鉄部もツヤツヤと平滑に仕上げています。外壁との見切り線もまっすぐに出すことができ、とてもきれいですね。
下屋根の次は、また大屋根に移動しました。ダメ込みを終えた曽根がローラーで全体に塗料を重ねて厚みのある塗膜に仕上げていきます。ローラーは縦横に転がしてムラなく行き渡らせました。
一方、外壁では塗装指導員でもある星野が、細部を塗り込んでいます。
窓枠周りは養生をしていますが、ローラーでは塗りにくいのでコシのある刷毛で、窪みに下塗りのフィラーを乗せていきました。柔らかい刷毛だと奥や隅まで届きにくいことがあるので、硬めのものできっちり塗り込んでいます。
雨樋の裏に当たる面は、ベンダーという塗装道具で塗布しました。小さなローラーも入らず、刷毛でも塗りにくい場所は、柄に敷布がついたこの道具がぴったりです。敷布は両面付いているものもありますが、今回は壁のみ塗装したいので、片面タイプを使用しています。雨樋は養生をしていますが、必用以上に付着させることなく済むのでとても便利な道具です。
細部の次は、外壁全体の上塗りを進めました。ローラーに含ませたシリコン塗料をたっぷりと重ね、中塗りまでにつけた塗膜により厚みを付け足していきます。凸凹とした外壁ですが、惜しみなく重ねられた塗料により、丸みを帯びたような状態に仕上がりました。