東海道本線沿いの、目の前に集合マンションが広がるご自宅での工事でした。
まず最初の作業はいつも通りの高圧洗浄です。
サイディング壁も屋根も、長靴にノイズの先端を当てれば溶けてしまうような水流の強さで洗浄していきます。 だいぶ屋根も汚れがこびりついていて、職人の腕もなります。また壁だけではなく屋根の下も高圧洗浄。先にも書いたとおり水流ですので、びしょ濡れになりながら洗浄しました。
まずは屋根の目荒らしから。目荒らしのことをケレンとも言います。ケレンの最中に鉄部の釘が緩んで飛び出しているのを発見しましたので、ハンマーで打ちこみます。 屋根の上塗り(最終段階の色)が濃い赤だったので、錆止めの塗料も赤さびを使いました。 破風の錆止めは白。こうして、色に合わせて錆止めの色も使い分けていきます。
そのまま、屋根の下塗りもします。
壁の傷んだシーリングは丁寧に剥がした後養生し、新しくシーリングを流し込みます。流し込み終わったら専用のヘラで綺麗に整えていき、最後に養生を剥がせばシーリングの交換は完了です。
翌日は屋根の中塗りです。ご自宅は隣接した場所でしたので、隣家の屋根に塗料が飛散しないよう気をつけて塗っていきます。 出窓の上も塗るので、塗料がこぼれおちて窓などにつかないように丁寧にしっかりと養生をして作業をします。
玄関前の水切り錆止めも、塗料がこぼれて玄関前に付着しないよう、注意しながら、しっかりと塗装を行っていきます。
各所の中塗りが終わったら最後は上塗りです。ローラーで全体を塗っていきます。先にダメ込み(ローラーが入らないところや境目を刷毛で塗っておく)をしているので、ローラーも動かしやすいです。
塗り終わったらサッシや軒の養生をはがしていきます。綺麗な線が出ました。
雨戸にも目荒らし(ケレン)をして細かい傷をつけます。こうすることによって、塗料の密着率を上げ、綺麗な仕上がりになります。
最後に雨どいや屋根の上塗りをし、細部の養生をはがして工事を終わりました。可愛らしいピンクの壁の家の完成です。
- 施工前
- 施工後
古い塗膜を徹底的に落とす高圧水流での洗浄
コケ・カビ・古い塗膜などの汚れがついたままだと幾ら厚い塗膜を重ねても長持ちしません。
- だいぶ屋根が汚れていました。黄緑色の部分は長年の間にこびり付いたコケです。この上から塗装をしても剥がれやすく長持ちしません。まずはこの汚れを高圧水流で洗い流していきます
- コケがこびり付いた屋根を高圧洗浄しています。コケは濡れるととても滑りやすくなる為、足元に気をつけながら作業を進めます。カビ汚れや古い塗膜が取れて綺麗になりました。
- 壁を高圧洗浄しています。こちらも長い間、風雨に晒されていたため黒い汚水が外壁を伝って洗い流されていきました。
- 高圧洗浄をした後の壁です。汚れが取れた部分が白く綺麗になりました。古い塗膜も一緒に水流の勢いで剥がした後は見えた素地にたっぷりと下塗り塗料を含ませていきます。
- ベランダの下を高圧洗浄しています。跳ねかえって上から降り注いでくる水で全身びしょびしょになりながら頑張りました。 この工程をしっかりとしておかないと後で良い塗装が出来ません。
鉄部の錆び止めに使う色は仕上がりを考えて
シーリングは2液タイプのもので奥まで肉厚に注入。隙間をなくして質の高い仕上がりに。
- 屋根の鉄部で目荒らしと言う作業をしています。錆びを落とすと同時に専用の道具で鉄部に わざと細かい傷を付けて、塗料の密着を良くしておきます。
- 鉄部に打ち込んであった釘が緩んで飛び出ているところがあったので、ハンマーで叩いています。屋根の下地調整をする時にはこういうところを確認しながらの作業になります。
- シーリングのテープ養生です。サイディングの目地にシーリングを注入していく際に はみ出してしまったりしないよう、左右にテープを貼っておきます。塗装職人でも出来る人は居ますが、やはり専門のシール職人に施工してもらうと仕上がりの質が違ってきます。
- サイディングの目地に打ってあった傷んでいる既存のシーリングを撤去しています。カッターで切り込みを入れて1本づつ取り除いていきますが、この時 左右に古いシーリングが残ったままにならないように丁寧に削ぎ落としておきます。
- 綺麗に撤去をしました。そして新しくシールを注入していきます。シーリングは横方向の二面接着が基本です。塗料が付いてしまわないように目地底にバックアップ材などを敷いておきます。
- 屋根の錆び止めです。今回の屋根の上塗りは濃い色なので赤錆び色の錆び止め塗料を使いました。
- 破風の錆び止めです。破風の錆び止めは白色のものを使いました。仕上げる屋根の色に応じて、錆び止めや中塗りの色も臨機応変に合わせていきます。
- 屋根の下塗りを塗っています。隣の家が接近しているので飛散しないように慎重に作業をしました。
- 窓周りのシーリング注入作業です。隙間なく奥までしっかりと注入します。使っているのは2液タイプのシーリング剤。容量がたっぷりと入っており、残量を気にせず肉厚な施工をすることができます。
- シーリングを注入したら専用のヘラで均していきます。この時に不要になったシーリングはもう1度、ガンに注入し直すことが出来るため、それも肉厚施工の理由になっています。
- そして最後にテープを剥がせば完成です。この時、棒のようなものに巻きつけるように剥がしていくと手がベタつかず、尚且つ手早く剥がすことが出来ます。
屋根上塗りや破風や樋の中塗り塗装
出窓を塗装する場合はガラス部分に塗料をつけてしまわないよう細心の注意を持ちながら刷毛を動かします。
- 破風の中塗りです。隙間に入るような、やりづらい体勢での作業で大変でした。 2屋根の上塗りです。塗料を周囲に飛散させないように気をつけながら作業しました。
- 屋根の上塗りです。ローラーにたっぷりと塗料を含ませ、均一に塗布していきます。傷んでいた屋根も塗料を含んで艶やかな輝きを取り戻しました。
- 出窓の養生です。出窓の上を塗るので塗料が流れないようにキッチリとテープ養生をしました。黄色い部分が養生テープを貼ったところです。
- 出窓の上の目荒らしです。つるつるとした面だと塗料が剥がれやすいため。塗料を塗った時に塗料がより密着するようにペーパーなどで擦って細かいキズをつけておきます。
- 出窓の上の錆止めです。小さな刷毛を使って縁までしっかりと塗り込んでいきます。窓に垂らさないよう注意しながら作業しました。
- 玄関前の水切り錆止めです。同じく垂らさないよう注意しながらの作業になります。下の方の作業なので、職人もしゃがんで作業をしていました。
- 雨樋の中塗りです。体勢がきつい中で頑張って塗りました。体全体は入らないような狭いところの塗装だったので、ローラーや刷毛を逆手に持って手だけ入れこませています。
- 雨樋の中塗りです。刷毛筋が出ないように塗料を雨樋に乗せるように塗りました。業界用語で塗料を「ネタ」と言う事もあります
外壁の上塗りと風が強い日の養生ばらし
ローラーが入らない所はダメ込みをしておきます。風が強い日だったので作業終わりにメッシュシートを巻き上げました。
- ベランダ内の上塗りダメ込みです。寝そべって見ないと見えないようなところを塗装しています。体勢がキツく大変な作業でした。
- 壁の上塗りダメ込みです。下が透けないよう、たっぷり塗料を壁に乗せるように塗っていきました。先にローラーが入らないところを塗り進めておく事で仕上がりも綺麗に出来ます。
- ダメ込み後の外壁上塗り。一級塗装技能士の川口職人によるローラー作業です。ローラーで均一に塗料が重ねられると、より光沢のある綺麗な仕上がりになります。
- 同じく上塗りローラー作業です。横から見ると光が反射しているのが良く分かります。しっかりと3回塗装を行うと紫外線の傷みから家を守ってくれる厚い塗膜が出来上がります。
- 軒の養生ばらしです。綺麗に線がでました。養生をばらす時には塗料が乾ききる前に、半乾きの状態で剥がしていきます。塗料が乾ききってしまうとテープと一緒に塗料も剥がれて汚い仕上がりになってしまうからです。
- サッシの養生ばらしです。同じくテープとの境目で綺麗に線がでました。淡いピンク色の外壁と白いサッシの色合いが優しい印象を与えてくれます。
- 玄関前の養生ばらしです。丁度、養生が風に煽られて膨らんだので作業の手元が見えなくなっていしまいましたね…サッシと同様に一か所づつ丁寧にばらしていっています。
- 風が強いので足場の揺れを抑える為にメッシュをたたみました。風が強い日だと風を受けたメッシュシートと一緒に足場が揺れて、外壁に傷を付けてしまう可能性もあるからです。
戸袋と雨戸のケレンから塗装まで
材質によってはわざと細かな傷を付けておく事で密着度が上がり剥がれにくい塗装をする事が出来ます。
- 戸袋の中塗りです。塗料が垂れて筋が出ないように一筋づつ丁寧に作業します。戸袋部分は直接、家の耐久に関わってくる場所では無いので、塗装するかしないかはお客さんの希望に沿います。
- 戸袋の養生です。塗装しない部分を汚さない為にあらかじめテープで覆っておきます。しっかりと手で押さえて浮きの無いように。養生の出来で仕上がりも変わってくる大事な工程です。
- 雨戸の目あらしです。つるつるとした材質は何もせずに塗装すると、上手く塗料が食いつかず剥がれやすい仕上がりになってしまう為、塗料の密着をよくするために あらかじめペーパーなどで細かい傷をつけておきます。
- 雨戸の下塗り吹き付け作業です。吹き付ける場所が無い家では刷毛で塗ることもありますが、吹き付けた方が均一な塗膜が出来上がるため仕上がりも綺麗になり、作業効率も早く済みます。飛散に注意しながら作業しました。
- 玄関前の雨戸の中塗り吹き付け作業です。周りを汚さないようにしっかりと養生してありますが、風に煽られた塗料はどこに飛ぶかわかりません。塗料の飛散に注意しながら作業しました
- 中塗り吹き付け作業です。写真で見れば分かりますが、吹く前と吹いた後の違いがはっきりと分かりますね。 中塗りの段階でも周囲を映し込むくらいの光沢ある塗膜が出来上がっています。
- 中塗り吹き付け作業です。写真で見れば分かりますが、吹く前と吹いた後の違いがはっきりと分かりますね。 中塗りの段階でも周囲を映し込むくらいの光沢ある塗膜が出来上がっています。
- 塗料が乾いたので養生をばらします。折角、塗装した部分も剥がしてしまったりしないように気を付けながらテープを剥がしていきます。
鉄部の上塗り塗装と養生はがし
養生をして塗り分けの線をキッチリと。風の強い日にはメッシュシートをたたんでおきます。
- 養生をして塗り分けの線をキッチリと。風の強い日にはメッシュシートをたたんでおきます。
- 水切りの上塗りです。下部の塗装なので、だいぶ前屈みになる体勢的にキツい作業。塗料片手に刷毛1本で線を出していきます。地面に垂らさないように注意しながら作業しました。
- 屋根鉄部分の上塗りです。風が強い日だったので、風に煽られないようメッシュシートは縛って纏めてあります。なので、いつも以上に飛散しないように注意しながら作業しました。
- 下屋根の上塗りです。少し分かりにくいですが、職人が手に刷毛を持って丁寧に上塗りしていっています。風に煽られ白い塗料跳ねてしまった部分は小さな刷毛で修正しながら仕上げていきます。
- 玄関前の雨樋上塗りです。今日も職人の星野は頑張っています。ここも刷毛やローラーを使ってしっかりと。足場を取り外すとまた印象も変わると思いますが、白とピンクのコントラストがとても可愛らしいです。
- 鉄部が仕上がったので壁のテープ養生をばらしました。キッチリと線が分かれ、外壁も鉄部も良い艶が出た綺麗な仕上がりです。
- 雨樋の上塗り。かすれが出ないように擦らず、刷毛にたっぷりと塗料を乗せて塗りました。後ろではメッシュシートがたたまれている様子が分かります。風が強い日にシートを張ったままにしておくと帆のように風を受けて足場を揺らして大変危険なので、たたんでおくのです。
参考動画 塗装で色が変わるアパート
仕様
外壁塗装
付帯塗装(3工程・高級シリコン塗装)
シーリング工事
屋根塗装
〇施工日 2011年4月の工事でした。