もくじ
初回の塗り替えの重要さ
今回は、外壁塗装の初回塗り替えの大切さについてお話しします。
初回の塗り替えがどうしてそんなに大切なのか…これを読めばその重要性がわかります。
家を建ててからしばらくすると、外壁塗装の時期がやってきます。
様々な塗装会社に見積もりを取ると、100万近くかかり、自分でやれるならやったほうが安上がりなのではないか…と思ってしまうことも。
でも外壁や屋根の塗装は塗料選びが難しく、また塗装のための下準備をシッカリしていないと、後々に剥がれや、その剥がれ部分に洗浄しそこなったカビなどが大繁殖してしまう場合があります。
今回はいくつかの実際例とともに「初回の塗り替え」の重要さを解説致します。
初回の塗装塗り替え時、屋根に塗るペンキを間違えると…
こちらの動画は、屋根に2回目の塗装をしようと伺ったお家のものです。
下地剤であるシーラーを塗って、1日たったら…なんと前回塗ってあった塗料が溶け出してしまいました……。
これはたまにあるのですが、屋根にはそれぞれの材質によって素材にあった塗料があります。
この動画では(予測はありますが)、初回塗りの際に水性の塗料を使ってしまっていたがために、今回油性のシーラーを使ったら前回の塗料と反応してしまい溶け出してしまったのだと思います。
通常であれば、水性の塗料でも2度目に塗った油性の下地剤に耐える塗料はあるのですが、今回は耐えられない水性塗料だったようです。
とはいえ、この家の屋根の素材で考えれば、水性の塗料は合わないのですが…。
こうした前回の塗料の溶け出しは、業者も塗ってみないと、前回の塗料が溶けるものかどうか分からないので本当に大変です。
この動画の家では、どんな初回の屋根塗装をしたのかは分からなかったのですが、こうした塗料間違えは、経験の浅い業者やお客様ご自身で塗装をされる場合にも多く見受けられます。
素人塗装をしたがために屋根の痛みが激しくなり、2回目の塗装が大工事になってしまう場合もあります。
では、なぜ間違った塗料を選んでしまったのでしょうか。
※写真はイメージです。
もちろん、塗料を間違えて買ってしまった…ということもあるのですが、素人塗装だとすると、もう一つ考えられる理由があります。
それはホームセンターなどで売っている塗料の性能の問題です。
実はホームセンターに売っている塗料は、スレート屋根用…となっていても、2回目に塗りなおすことを想定していない塗料が多いのです。
業務用の塗料よりは質が劣るものが多く、初回はホームセンターの塗料、2回目は業務用の塗料と塗った時にこうしたトラブルが起こります。
「そんなこと言ったら、ホームセンターの塗料はダメっていうこと?」
中には素材に適したものもあるので、一概には言えないのですが、職人ではない方が素材についてしっかりと勉強し、技術を持って塗装する…と言うことはほとんど不可能なので、おおまかに言うと、長持ちさせたい外壁や屋根の塗装には『ホームセンターの塗料は買わないにこしたことはない』という感想です。
やはり自分で塗装するとすればDIY程度に収めていたほうがよさそうです。
新築の塗りが悪かったせいで起こる剥がれ
こちらの動画は、塗装から5年しかたっていないにも関わらず起きてしまった剥がれについてです。
新築後1回目の外壁塗装を弊社で請け負ったのですが、わずか5年ではがれてしまいお客様のもとへ確認をするために伺いました。
見ると屋根の厚み部分の破風板部分だけ、ベロリとはがれています。
良い塗料を使って、しっかり塗装をしたのにどうしてこのようなことになってしまったのでしょう。
理由は、新築時の塗りが問題でした。
動画にもありますが、実際剥がれ部分を丁寧に剥がすと、素地が出てしまっているのが分かります。
素地が出ている…ということは、新築時の塗装の密着が不十分で、剥がれてきてしまったということです。
初回塗装の塗り替え時には、まだ症状が出ていなかったので分からなかったのですが、最初の塗りの劣化とともに、5年経ってせっかく塗り重ねた塗料もはがれてきてしまったのでした。
新築時の塗りが、素材に適した塗装がされていないと、どんなに良い塗りをしても初回の塗装が無駄になり剥がれてしまいます。
この時は結局、素地からやり直しをしました。そうすることで、この後は破風板の劣化を食い止めることができます。
新築時の塗りが悪いと初回の塗装をどんなに良くしても防げませんが、発覚すれば対応することができます。初回塗りに信頼できる業者にお願いすれば、こうした不具合も回収することが可能です。
初回の塗りで高圧洗浄や下地剤が不十分で起こる塗装の劣化
この動画のお家では、高圧洗浄をかけたところ壁がポロポロ取れることが判明。
調べてみると、壁の塗装の下にはカビがびっしり生えていました…。
これは初回の塗装をした際に、洗浄が十分にされていなかったか、もしくは下地剤であるシーラーを十分に塗らなかったせいで、壁との密着が甘くなり、カビが広がったのではないかと思われます。
こうなってしまうと、本来であれば最初の作業である高圧洗浄などの下地調整の前に、「剥がす」作業が加わり、追加工事になってしまいます。
しかもこの「剥がす」作業は、とても大変で通常の塗る作業よりも手間が3倍~4倍掛かってしまいます。
とはいえ、今後のことを考えるとここで食い止めないと、このカビが強固なものになり、より家を蝕むので、壁をすっかり剥がすことが大事です。
このあと、全ての壁を剥がし、カビを出来る限り取り除いてしっかりと塗装をしました。
おわりに
今回は最初の塗り替えの重要さについて実例をあげて説明いたしました。
このような追加工事にならぬよう、どうか資格をもった腕のある職人がいる、良い塗装会社を選んで、初回の塗り替えを行って下さい。
また、塗装のトラブルは発見した時に手を打てば、修復できるものもあります。
どうかあきらめず、塗装会社に相談してみて下さい。