「傷んだスレート屋根からの頑丈・軽い、保証30年のカバー工法 2/3」のつづきです。
施工に戻ります。小屋根換気の通気口(排気口)を開口するため下葺材をカット。
棟換気は旧来の伝統的日本家屋から継承されているベンチレーションシステムです。真夏の熱気は上部へ溜まるため、屋根裏の熱気を排気するシステムが「棟換気」です。また通気性を行なうことで結露を防ぎ、湿気による躯体のダメージを防ぐ工法でもあります。
棟部分の採寸が終了。
換気棟包に納まる役物、捨水切を仮止め。
設置した捨水切と換気棟包みの場所を合わせ目印を付けます。
換気棟包と捨水切がしっかりと重なることで、棟換気の雨仕舞いが完璧になります。慎重に目印を付け、雨仕舞い、防水に細心の注意を払います。
棟木を片側だけ固定、プラ木(合成木材)は天然材の材木に比べ肉痩せや腐食が少ないのが特徴。
出っ張りはサンダーでカット、落下しないよう皮一枚残して施工、そのあと折り曲げて断ち切り。
棟木を目印に合わせビス打ち。
棟木を端まで留め、捨水切を跨いでもう1本の棟木を固定。
画面左側の棟木はカットだけ行ないます。
棟包みを固定した棟木側に沿わします。切っただけの棟木を棟包みに合わせて場所を割り出します。
場所が決まったら固定。
棟包みをスライドさせて次の固定場所を露出させます。
場所を合わせてビス打ち。端が決まったら反対の端部を固定します。
通りを見て棟のラインが合っているのかの確認。場所が決まったら固定します。スライドさせて次の固定箇所を探ります。
端部から反対側の端部へ均一にビス留めし、棟木の固定は終了。
捨水切へコーキングを行なってスクリューの本締め。
ネジ頭の箇所にもコーキング。捨水切の結合部にも念のため防水。
換気棟包みを固定します。潰れないように適切なトルクで締め込み。
換気棟と棟包をハゼ(勘合)を行なう部分を少し面取り。
棟包を固定、水返しが付いている換気棟の上に棟包を被せるため雨水は侵入しません。
棟包みは重ねることで水が侵入しづらく仮に雨水が入っても排出される構造になっています。
金属屋根工事は西暦8世紀から続く日本の伝統工法です。伝統工法と新技術とがマッチした新しい屋根工事だからこそ温故知新としてジンカリウム鋼板が注目されています。
最後にケラバ、棟包のオガミを仕舞い完成です。
屋根材と施工とが合致した素晴らしい出来上がりでカバー工法が完了しました。
この記事は「早くてお得スレート屋根からカバー工法でジンカリウム鋼板」の動画を抜粋しました。実際の施工風景をご覧になりたい方は動画をご視聴ださい。