もくじ
今回は、リピーターのお客様からのご依頼です。
こちらは以前もウッドデッキの工事をご依頼くださったお客様で、今回はメインのウッドデッキではなくサンルームに上がる木製階段のご相談でした。
築20年以上経っている建物なため、木材が傷むのはあたりまえなのですが、実は他にも原因があったのです。
今回は、そんな木製階段の補修工事についてお話し致します。
木製階段を腐らせていた原因とは
子の階段は、ツーバイフォー(2×4)の木材で建てられていました。
通常ツーバイフォーは、SPF材を使用するのですが、こちらのお宅ではウッドデッキにレッドウッド材を使用しています。レッドウッド材は、水に強く通常の木材よりも頑丈なため、ウッドデッキにも適した木です。
築20年経っているため、ある程度傷むのは仕方ないことなのですが、ステップの上を歩いてみると少しフカフカします。
こちらの写真は、階段2段目の上部を壊してみたところです。
やはり、中は腐っていました。
手前よりも奥に向かってひどい傷みがでているのがお分かり頂けますでしょうか。
さらに1段目も外してみたところ、こちらのほうがひどく腐っていました。
奥に行くにつれて、色が濃くなっていることから、より腐食が進んでいることがわかります。
木部を撤去したところ、土台のコンクリートも奥にかけて湿っていました。
腐っていた階段部分と同じく、写真奥に行くにつれて、コンクリートの色が濃くなっています。
実は土台が湿っているのには、2つ原因がありました。
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木部の階段を腐らせた2つの原因
1つ目の原因は、この写真にも写っているのですが、サンルームのサッシの下の壁穴です。
これは、サンルームのガラス面にぶつかった水を逃すための穴で、少量ではありますが水が流れ、ウッドデッキの階段部分を濡らしていました。
この水が、木部を腐らせる原因のひとつだったのです。
2つ目は、奥部分にある雨樋の出口です。
屋根から落ちて来た水が、サンルームと一体化した縦樋を通り、ちょうどこのウッドデッキの階段下に水が排出されています。
雨の日などは、水が大量に通るため、土台が濡れやすくなり、その湿気で階段部分が傷んでいました。
そこで今回は、この二つの原因を回避し、腐っている階段部分を撤去して新しく階段を取り付ける工事をすることになったのです。
新しい階段部分の取り付け工事
まずは木を選びます。
今回使用する木材は、ヒノキです。
ヒノキというと一般的には、節目が少なく水場に使われる高級な木としてのイメージがあると思いますが、今回はヒノキでも節目のあるものを使いました。
木は節目が多いほど、中心に近いことを意味しており、木の密度もつまっています。
また節目があることで、値段も安くなるのです。
ヒノキを階段用に加工したら、取り付け前に防腐剤として、塗料の2回塗りをします。
塗料はキシラデコールを使用しました。
この写真は、取り付け前に1回目の塗装をしているところです。
木の色が変わっているのが、お分かりいただけますでしょうか?
一通り土台を取り付け、真ん中に新しい配管も通して、階段部分を避けて水が排出されるようにしました。
配管をアップで撮ったところです。
これで、階段部分への水の影響を減らすことができます。
次に、階段部分をもう一度塗ります。
キシラデコールは、ホームセンターでも売っている一般的な塗料なのですが、メジャーかつ効果の実証された塗料です。
お客様の方で塗り足しなどをしたい場合でも、手軽に手に入れることができるので、こうした外部の塗装におすすめです。
こちらが塗りあがりとなります。ただの塗り直しであればすぐに木が塗料を吸い込むので、乾燥が早いのですが、今回は新しい木であることと、ヒノキという油っけの多い木の特性から、乾くまでに4〜5日ほどかかります。
乾くまでは、座ったりしないようにお客様にお伝えしました
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また奥には、雨樋を延長した配管も取り付けを。
ちなみにこの配管は、片側がキャップになっていて、雨樋からゴミや落ち葉などが流れ込んでもキャップを取り外して掃除ができるようになっています。
以上でウッドデッキ階段部分の補修工事は終了です。
今回は、庭の入口にある階段部分も傷んでいたため、新しくとりつけ、同じくキシラデコールで塗装しました。
元の階段は、やはりかなり傷んでいたため、撤去しています。
こちらも、ウッドデッキの階段と同じく素材はヒノキです。
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ウッドデッキの素材とメンテナンスについて
ウッドデッキは、ほとんどの場合木材で作りますが、最近では木の腐食などを考えてプラスチックや、既製品のエクステリアなどでウッドデッキ調にテラスやベランダを作るお客様もいらっしゃいます。
木材で作る場合は、木ゆえに傷みが出ますが、年数が経つにつれ風合いが出てくるのが特徴です。
プラスチックの場合には、傷むことは少ないですが、年数が経つにつれ、すすよごれてきます。エクステリアの既製品も同じです。
また木材は、どんな隙間にもカットして取り付けることができるため、柔軟な形に仕上げることができますが、エクステリアの既製品はもちろん、プラスチックの場合は土台が金属なためカットができず取り付ける場所は限られます。
ウッドデッキを作る場合には、一つの良い点だけではなく、すべて総合的に考えて自分の家に合ったものを選ぶとよいでしょう。
また、これは余談ですがウッドデッキの木材にはウッドデッキに最適なものがあるのをご存じでしょうか。
前にも僕のブログで一度ご紹介しましたが、『イペ』という木材です。これは非常に木目が詰まっていて、水に強く頑丈で重量があります。そのため、ウッドデッキに最適の木なのです。
ただ、イペは非常に値段が高いので、予算に余裕がある場合におすすめです。
このように、ひと口にウッドデッキといっても、様々な材質や種類があります。
テラスにウッドデッキを作る際には、是非年数が経ってからの状態やメンテナンスのことも考えてから決めて下さい。
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補修工事の方法も、ウッドデッキの木材や材質の種類によって変わってきます。
ウッドデッキの取り付けや、メンテナンスのことなど…いつでも塗装職人にご相談ください。
お客様の家に合ったウッドデッキや、メンテナンス方法をご提案いたします。