もくじ
僕は、塗装職人で営繕(えいぜん)の担当をしています。
営繕というと分かりにくいかも知れませんが、検索すると「建築物の営造と修繕をまとめて指す語。具体的には、建築物の新築工事、増改築工事、修繕工事及び模様替えなどを意味する」とあります。しかし、大工と言ってしまった方が分かりやすいと思うので、以下、大工で通します。
いつも神奈川や東京の現場を飛び回りながら、大工仕事をこなす日々です。
今回はなぜ塗装会社で、大工である僕が在籍するのかを説明したいと思います。
大工がやる工事とは
塗装職人の主な業務は、外壁や屋根塗装、屋根のカバー工法、屋根の葺き替え、防水工事、マンションの大規模改修などで、基本的に建物の外装に関わる仕事となります。
この中には、僕がメインで行う工事はありません。
しかし、これら塗装のメイン工事をスムーズに進めるために、大工は必要不可欠です。
たまに勘違いされる方がいらっしゃいますが、塗装は補修が必要な箇所を表面上綺麗にしても、塗料がキズを治すばんそうこうのような役目は果たしません。
あくまでも雨漏りや破損したところを補修して塗装しない限り、トラブルはさらに大きくなります。
だからこそ、大工工事が必要なのです。
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大工工事で行う主な補修は、これまでのブログでもご紹介した軒天や水回り、雨樋関係など。さらに塗装工事をする際に、増築を希望されるお客様もいらっしゃいますので、そうした工事も担当します。
また、お客様とのお見積もり段階で、大工工事を最初から費用の中に含めることも。
軒天の傷みなどは、あきらかに補修しなければ塗装ができないため、予定に含むことが多い箇所です。
大工工事のスケジューリング
大工の作業は塗装工事の前に行うため、塗装工事の完成日から逆算してスケジューリングすることが大切です。
大工は外注を出せば、それだけ余分に日程がかかります。しかし、弊社の場合は社内に大工が常駐しているため、スケジュールが外注にだすよりも柔軟に組めるのです。
スケジュールを組む際にまず把握しなければならないのは、工事の規模でしょう。
破損箇所により1日で終わるものから1週間ほどかかるものまであるため、これらは分かった時点でカレンダー書き込み日程の調整をします。
大工は比較的他の工事と同時進行もできますので、屋根の工事中に外壁の補修工事をすすめるなどして時間を有効活用することも可能に。
ただし、これらスケジュールを決める際に、ひとつ大事なポイントがあります。
それは余裕を持ってスケジューリングする…ということです。
この現場が終わったら、すぐ次の現場…ではなく、必ず予備日を作るよう心がけています。
現場によって、予定通りに作業が終わらないこともあるため、この予備日は非常に大切です。
万が一予備日がないと、一つの工事でイレギュラーが起きた途端に、あっという間にスケジュールがドミノ倒しのように後ろにしわ寄せが行き、現場によっては大工工事が入らないことで、工事がストップしてしまうことも。
塗装職人専属の大工として、スピード感を持って工事を進めるためには、あえて余裕を持つことが大切なのです。
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現場の突発的な事に対応するために
大工工事は、ある意味イレギュラーな工事のオンパレードです。
現場調査では分からなかった雨漏りや、木部の傷み具合などが突如出てくることがあります。
それらに対応するためにも、材料や道具が非常に重要となるのです。
僕は、現場で必要な物を移動用の軽トラに積むのですが、予定された資材以外にも…木材や板金の端材、シーリングの材料関係、接着剤などを詰み、突発的な対応に備えています。これらの用意があることによって、その場で補修工事をすることができ、塗装工事へ余分な時間をかけることなく作業を繋げていくことが可能に。
(ただ、そのせいか僕の軽トラは助手席まで道具や材料で一杯になっています…。)
もちろん、イレギュラーな補修工事はその都度お客様にご相談をします。
中には、かなり費用がかかる補修工事が必要な場合もあるため、お客様のGOなしに勝手に補修するといったことはありません。
また、場所によっては足場に登らないと見えない補修箇所も。
そうした場合は、写真に撮ってしっかりと説明をします。
大工工事は、あくまでも塗装工事前におこなう準備ではありますが、必要だからといってお客様に許可も取らずにやることはありません。
塗装工事が滞ることがないように、できるだけスピーディーに、お客様へご選択していただきながら工事を進めます。
お客様が望まれる最高の塗装工事をするために
塗装工事は、さまざまな工事を複合して行う工事です。
その中でも大工工事は、塗装工事のベースとも言える工事なので、スケジュールや仕上がりが重要です。
上記でも書きましたように、破損している壁を開けてみたら思ったよりもひどい傷みだった…ということも少なくはありません。
そうしたことに対応するためにも、助手席まで道具や材料で埋まった軽トラでみなさんの現場に伺うのです。
これからも、スムーズに塗装工事へと繋ぐために、可能な限りスピーディーできっちりとした大工工事を心がけたいと思います。
その全てが、最高の塗装工事へと繋がるのですから。