塗装工事に対する考え方 建物のSOSをどう判断?

先日街を歩いていたら、大きなビルが取り壊されていました。
ビルが無くなったことで、隣のビルの外壁が丸見えとなったのですが、その壁にはさまざまな建物からのSOSが…。


今回はそんな、建物から発せられるSOSをどう見極めるかということと、塗装工事を依頼する時にどういったマインドで挑めばいいかということをお話ししたいと思います。外壁に現れた膨れ 塗装工事はいつするべきか?

まずは、先ほども少し紹介しましたこのビルの外壁です。
膨れている箇所があるのが、お分かりになりますでしょうか?
これは外壁の塗装下に気泡が入っている状態で、放っておくと破裂して雨漏りの原因となります。

敷地問題で新しい建物が建つ前に塗装しないといけないかもしれません。

この状態の建物を持ち主の方が見たときに、「まだ雨漏りしていない」と考えるのか「雨漏りしそうだから予防しよう」と考えるのかによって、改修工事するかしないのかが変わります。
しかしこの建物は、僕の目から見るとすぐにでも改修工事をして、雨漏りのような大事になる前に手を打った方がいいと見えるのです。
なぜなら、雨漏りが起こってしまうと工事費は跳ね上がります。
また、雨漏りが起こっていない前提で話していますが、この膨らみがあるということは壁の下ですでに雨漏りがおこっている可能性もあるのではないかと。
外壁にこうした異常が出てくると言うことは、必ずどこかに原因があるのです。
「でもまだなんとかもっているし…」とおっしゃる方によって、大事になったとたんに後悔される方が多いように思います。
塗装工事とは、できるだけ前もって予防の手を打つことと、起こってしまったトラブルにはこれ以上進行しないようにせき止める対応をするしかありません。
起こってしまったトラブルを、新築の頃のようになにも無かった状態に戻すことは不可能なのです。なぜなら建物は刻一刻と古くなっているのですから…。
どれだけ建物の劣化を緩く進行させるか、というのが塗装工事の基本的考え方だと思うと良いでしょう。

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縁切りをしていない屋根 塗装工事への考え方

次にご紹介するのは、こちらの屋根です。
ところどころ、屋根表面に小さな膨れが見られます。
これは、屋根塗装した後にいわゆる「縁切り」をしていない状態です。


幸いなことに、まだ雨漏りなどは出ていないようでした。
いわゆるスレート屋根の塗装工事をはじめた当時は「縁切りをしないと屋根の隙間を全部塞いでしまい、雨漏りにつながりやすくなってしまう」という事実が分かっておらず、工事の際に縁切りをしていなかったのです。

できればこの屋根も、早い段階で屋根塗装をしてきちんと縁切りを施すと良いでしょう。
本当に今の状態は雨漏りが出ず、まさに「ラッキー」という状態です。
多くの方が誤解されることに、建築資材というのは一昔前に使用が認められていても、その後の検証や、そうした建築資材を使った家が増えたことで表面化するトラブルというものがあります。
使用禁止になったアスベストなんかは、その中でも代表的な例でしょう。
また、よく最近の塗料で「20年保障」のものなどがありますが、まだどの建物もこの塗料を塗ってから20年経った物はないのです。しかも、塗料メーカーが想定する建物とは、23度無風の状態という条件下の建物です。
日本のどこを探しても、外に建っている家でそんな条件の家はありません。
屋根塗装の縁切りもそうですが、まだデータの分からない物なのに広告を鵜呑みにして塗装工事をするのは大変危険です。
できれば、もう少し塗装の材料についてフラットな目線というものを持つことをおすすめします。
私達塗装会社の営業は、営業年数分の経験値を持っており、その上でお客様へのご提案ができるのです。
お客様と話し合って、家をどの状態に保ち、どんな工事をしたいのかをお聞きした上で考える塗料や資材が、良質な工事をする近道なのです。

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手遅れの外壁に対する工事の考え方

最後に、塗装、シール、鉄部の全てがダメになってしまっている壁面をご紹介します。
これはある意味、上記で紹介しました外壁のなれの果て…といったところでしょうか。


たぶん、こうなる前に外壁からのSOSは出ていたと思います。
それでも、「まだ大丈夫だから」と思い、目をそらし何もしなかったのでしょう。
ここまで来てしまいますと、もう手の施しようがありません。
もちろん、応急処置的なものはできます。
シールを貼り替えて、錆止めを錆びている部分に塗り塗装をする。
少しの間は美観を保つことができるでしょう。
しかし、それはあくまでも応急処置のため、すぐに同じような症状が出てきます。

なぜならここまで錆びが出ているということは内部の浸食を激しいでしょうし、下手したら錆びがあるので塗装が上手くのらない可能性も。
もしも、錆びを止めこの建物が維持できる状態にするというのであれば、相当な工事費がかかると思います。
こうなってしまってから、「工事費が高すぎる!」と震えても、後の祭りなのです。
少しでもおかしいな…と思った時に、信頼のおける塗装業者に相談していれば、グッと費用を抑えることができたでしょう。
たしかに、メンテナンスの1回1回の費用はかかりますが、合計して考えればこの工事よりは低い金額でしょうし、なによりも建物が持ちます。

塗装工事をする目的は建物を少しでも長持ちさせること

今日は3つの建物の状態から、トラブルが小さい状態での塗装工事を判断する基準についてお話しいたしました。
みなさんが塗装工事をする目的はなんでしょうか?
建物を持たせることですよね。
それなのに、なぜか見積もりを見て頂きますと、途中から安さを比べることが中心になってしまうお客様がいらっしゃいます。
安さを比べること、それはつまりどれだけ工事の工程を省くか…ということです。
お給料を安くされて、安くされる前の良い仕事をするという人はいませんよね。
給料を安くされたら、その給料に見合った働きをするしかないのです。
前にお客様から「どうして塗装職人さんの防水工事はこんなに高いの?」と聞かれたことがありました。
僕は不思議に思い、よくよくお客様に内容をお聞きしますと、防水工事の内容がまるで違ったのです。
防水工事をするためには、下地との接着状態、そして水の出口などを確保することなど。
一口に防水といっても、その防水状態を作り上げるためにはさまざまな技術が必要となります。
防水工事をする箇所というのは、雨だけで無く暴風雨からも守れるほど水が入り込まない状況を作り上げなければなりませんし、雨が入った場合にもそなえて排水される仕組みも作らなければなりません。
その安い金額の工事内容には、その状況作りが何も無く、ただ壁面の上に防水の塗料が塗られているだけのものでした。
これでは金額に差が出るわけです。ぜんぜん工程が違うのですから。

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私達塗装職人は、お客様の家を長く持たせるために最高の工事内容でご提案を致します。
そこに無用な上乗せはありません。
あくまでも、その技術と工程に見合った金額をご提示させて頂いています。
工事の内容についてご質問を頂くのは大歓迎です。
どうか手遅れになる前に手を打ち、家を長く持たせましょう。

 

若い時から大手の大規模改修工事に携わり、官公庁の仕事も多くこなしてきました。知識は当然のこと現場も正しい仕事ができて当たり前です。常にお客様の立場に回り物事を考えて行動しています。 漏水対策も得意分野で2人の子供を抱えて毎日仕事に励んでいます。防水施工技能士。

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