工事を選んだ瞬間から結果が決まる。実例から見る将来を見据えた塗装工事とは

みなさんが塗装工事を依頼する際に、何に注目をして塗装工事の見積もりを比べますでしょうか?多くの方は、金額を比べると思います。
しかしここで一番比べなければならないのは、この塗装工事が未来まで見据えた工事かどうかということです。


塗装する目的は、家を綺麗にしたいというのもありますが、一番は「この家を持たせたい」ということだと思います。
今回は、大正時代に建てられた建物やALC構造の建物を例に、先を見据えた工事がいかに大切かをお話し致します。

大正時代に建てられた登録有形文化財の小学校

先日お客様のところへ向かう途中で、こちらの小学校の前を通りました。
ずいぶん赴きのある建物だと思ったら、登録有形文化財に認定されているとの標識が。

 

建物を改めて眺めていますと、補修の跡が見受けられます。
国からこうして指定されているくらいですから、補修もしっかり行われているのですが、傷跡がところどころに。
古い建物ですので、それなりの技術を持った職人が担当していると思われますが、それでもなぜこのような修繕の仕方のでしょうか。
それは、古い建物だからこそ古さを残した仕上げのためと、この先も修繕を重ねることを考えれば過度な修繕は建物の負担となるからです。


塗料は、重ねるのにも限界があります。
戦火も地震も乗り越えてきた建物だからこそ、この先を見据えて必要な箇所に適切な処置をすることが大切なのです。
ただ、この傷跡も見せ方というものがあります。


施工の跡をどれだけぼやかすか、そして塗装のつなぎ目をどうするか。シーリングの返しや、防水の塗り継ぎなどなど、いかにこういうものを上手く見せるかが職人の技です。
この小学校も非常にそこは上手くやってあります。
ですので、道路挟んで建っているマンションとも遜色の無い仕上がりでした。

ALC構造の建物だからこその建て方とは

次にご紹介するのはALC構造の建物です。
こちらの保育園は数年前に建てられたばかりなのですが、細かに目地が打ってあってALCの素材を非常に理解した仕上げになっています。


ALCは軽石の様な素材で地震に強いですが建物がかなり動くのでヒビが入ることがあるのです。
これを建てた業者、そこまでを予測してその際に修繕がしやすいように細かく目地を打って、小さな箇所で補修ができるようにしているのでしょう。
もちろん目地を沢山打っている分、工事費用もかかったと思います。
通常こうしたタイル貼りの壁は、新築の時点で修繕の時に使えるタイルも一緒に焼いておき修繕で使用します。そうすることで、修繕した箇所が目立つこと無く工事ができるからです。
そうしたタイルを使えば、小さな補修をしながらもこのデザインされた外観を保つことも可能となるのではないかと思いました。

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近似色でのタイル補修

ALC構造のところでタイル補修について少しお話しましたので、タイル補修についても少しお話し致します。
先ほど、外壁にタイルを貼り付ける際などには、新築の時点で余分にタイルを焼いておいて補修に使用するとご説明したのですが、実はこれも余分に焼く分の費用が発生します。
大規模なマンションなどの場合は、タイルの保管などにも費用がかかるため、費用は大きく変わるのです。
ですので、費用をケチってしまうとこうした余分に焼いたタイルがないため、いざ補修をする際に近似色といわれるまぁまぁ似た色で修繕をするといことになります。
そうして、修繕されたのがこの外壁です。


見ると、タイルの色が違うためどこを修繕したのか一目瞭然となっています。
タイルは、後から同じ色のタイルを作ろうと思っても難しく、時間が経てば経つほど同色のタイルは手に入りません。
もちろん気にならない人であれば大したことはないでしょうが、人によっては修繕したことで傷跡が目立ってしまっているに感じることもありますし、光の具合でもっと修繕跡が際立つこともあります。
この写真のように修繕跡が目立つことは、最初にこの建物を建てる際に工事の内容を選んだ時点で決まってしまっていたのです。

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外壁塗装はその工事の瞬間だけの結果が全てでは無い

ここまで大正時代に建てられた小学校の補修工事や、ALC構造で建てられた保育園、近似色で修繕工事したタイル壁などご紹介しました。
どれにも共通しているのは、工事をしてから時間が経過した際にどんな手を打てるようにしているかということ。
これは、戸建ての塗装でも同じことが言えます。


その場だけ綺麗になるような塗装をして修繕すべき所に手を打たなければ、数年後にそこは大きな不具合となり、最悪家に住めなくなってしまうことも。
僕は、塗装工事の原因と結果というのはアミダクジのように繋がっていると思います。
この工事を選んだから、数年後に結果として現れるのです。

金額だけを見比べる見積もりの危険性とは

先日、雨漏り補修工事の依頼でお見積もりのために現場調査に伺って参りました。ところがいざ見積書を作ったところで、「防水工事ってどうしてもしなきゃダメかしらねぇ」とお客様がおっしゃったのです。
僕は、ビックリしてしまいました。
雨漏りの補修工事でご相談があったにも関わらず、防水工事をしないでは雨漏りを修繕してもまた雨漏りしてしまうでしょう。
雨に濡れたくなければ、傘をさしますよね?防水工事はここでいう傘です。
雨漏りの修繕工事をしても、今ある雨漏りを止めることができたとしてもその後雨漏りしないようにするのは、防水工事をしなければなりません。
きっと防水工事の金額を見て、この工事がなければ安くなるかな?と思われたのでしょう。


お客様の中には、見積もりを取っているうちに最初の目的を見失って、最終的に金額だけの判断になってしまう方がいらっしゃいます。
塗装工事は、その瞬間だけどうにかなればいい工事ではありません。
また、何度でも塗れるかというとそれも出来ないのです。
塗り重ねにも限界があり、限界がきたら塗料を剥がす工事もしなければならず、だからこそ1回1回の工事をしっかりと考える必要があります。
修繕計画というのは、家を建てた瞬間から始まるのです。

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質を追求する塗装工事と安さを追求する塗装工事 本当に必要な塗装工事とは

最初にご紹介した大正時代に建てられた小学校も、100年近く塗り重ねの限度も考え予想をたてながら補修工事をしてきたからこそ、現在もあの外観と建物が保たれているのでしょう。
ALC構造で建てられた保育園も、今後の補修を見据えて目地を上手く打ち込んだ造りとなっており、クラックが入ることを予測しています。
工事の選び方で、家の将来は決まるといっても過言ではありません。

今回は、塗装工事をしたことによる過去と未来と現在といった時系列が分かるような事例でご紹介しました。
是非とも自分の家に置き換えて、今選ぼうとしている工事内容は将来を見据えているのか、また過去の状況を踏まえたものなのかをじっくりと検討をしましょう。
そして業者の見積書の金額ではなく、是非内容について見比べを。
アミダクジで間違ったスタートラインを選ばないように、家にとって必要な工事はどんなものなのか可能な金額の中で取捨選択をして下さい。

 

松尾
若い時からずっと大手の大規模修繕の防水関係に携わっていたり、官公庁の仕事も多くこなしてきました。 防水関係の施工には大変優秀な技術を持っています。仕事熱心で常にお客様の立場に回り物事を考えて行動しています。 雨漏り対策も得意分野で、2人の子供を抱えて毎日仕事に励んでいます。

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