前回のブログでは大手会社に依頼して工事をしたにも係らず、雨漏りになってしまったお宅を3件ほどご紹介しました。
今回も同じ大手会社で、手抜き工事現場に遭遇しましたので、書きたいと思います。
大手会社が施工中にも関わらず、こちらのお宅に伺うことになった理由は、この家の奥様が工事の現場であるものを見つけてしまったことでした。
こちらのお宅は、前回のブログでも出ました某大手会社に外壁塗装を依頼しました。下地の上に中塗りでシリコン塗料を塗り、さらに上塗りでシリコン塗料を塗る3層仕上げの予定でしたが、ふと現場を見るとアクリル塗料の缶が……。
奥さんは見つけたアクリル塗料缶を業者に突き付けて、どういうことなのか聞いたのだそうです。すると業者は、中塗りにアクリル塗料を使ったと言ったのです。
ちなみにいうと、本来であればシリコン塗料を使うところ、アクリル塗料を使うと、材料費を浮かすことができます。
表面はシリコン塗料で塗ったので、壁の耐久性としては強いことは強く、まぁまぁ外壁がもつこともあるかもしれませんが、お客様が業者に払っている値段はあくまでも「シリコン塗料で3層仕上げ」の工事費なのです。
奥さんは「もうこの業者には壁を触らせたくない!」とおっしゃり、うちにご依頼を頂いた…というのが経緯でした。
まるで上げ底弁当のような、分かりやすい手抜き工事です。
これが実際の写真です。
大手会社は、下請けに丸投げしてやらせることも多く、工事費から多くの利益を搾取します。
その為、下請けの業者は少ない工事費で受注をするため、このように材料費を安くしたり、注文通りの塗料は使うもののシャバシャバの塗料で塗って使う缶数を減らしたりするしかないのです。
初回の塗装で手抜き塗装をされてしまうと、その後雨漏りなどを引き起こし、その後にとんでもない金額の工事をしなければならない場合も。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
僕が知っている業者の中には、大手会社やネットで優良企業と謡っているにも関わらず、3か月くらいしか防水工事の経験がない業者もいます。
なぜこのような塗装のトラブルは絶えないのか…、それには3つの「悪条件」があると思います。
【塗装トラブルを引き起こす3つの悪条件】
- 大手の下請けから搾取するシステム
- HPで優良企業と勘違いさせる業者
- ネームバリューと安さだけで選んでしまう消費者
この3つの悪条件が、いつもぐるぐると回って、数年後に雨漏りの原因や壁がひび割れ破断したりし、消費者であるお客様が一番損をしてしまうことになるのです。
では、どうやって業者を決めればいいのでしょうか。僕は、結局「人」を見ることが大切なのだと思います。
結婚と同じです。人を見定めることが、外壁塗装でもとても重要なのです。
たまに、ご依頼前に現場に職人の工事を見学にいらっしゃるお客様がいます。職人の実際の仕事ぶりを見て、確かめてご依頼をして下さります。
だいたいのお客様は、こんなに時間をかけることはありませんが、僕はこれも一つの信頼の仕方だと思います。
難しい病気になってネームバリューだけの大病院にかかったけど、結局研修医にしか担当してもらえない場合と、「この先生に手術をしてほしい」と先生名指しで病院にかかる場合。
どちらの手術が、成功率は高いでしょうか?置き換えて考えてみれば、簡単なことです。
100万以上ものお金をかけて行う、家の大事な手術=工事です。この1回の塗装で、家は長持ちするのか傷むのか大きく分かれます。
どの会社も工事内容は同じだから、安いほうがいい…ではないのです。
外壁塗装は、きちんとやろうと思うと、どうしても金額がかかります。安い場合は、まず疑ってかかることをお勧めいたします。安い時には、必ず安いなりの理由があるのです。
家と一緒に、住んでいるお客様も年を取ります。
最初の工事を適当にしてしまったために、晩年にお金がかかってしまうのは本当に大変です。
僕が担当したお客様の中にも、悪質な塗装が原因で家にヒビが入ってしまっているにもかかわらず、ご自身の年齢が理由で工事をあきらめ、朽ちていく不安定な家で過ごすのを選んだ方もいました。
お客様に、お金を出して頂いておこなう工事です。
どうかこのブログを読んで、悪質塗装が引き起こす雨漏りを避けるためにはどのようにしたらいいのか…考えて頂けたら本当に嬉しいです。
こちらは塗装会社の選び方の動画です。参考にしてください。