なぜ良い塗料を選ぶよりも、良い足場を選ぶことの方が大事なのか

営業、見積もり担当の松尾です。
今回は、足場についてお話したいと思います。
みなさんは「足場」というと、どのようなものを思い浮かべますか?
家の周りに組み立てられた鉄パイプのものでしょうか。

よく見積もりにお伺いすると、「足場」についての質問を頂きます。
「そんなに高くない建物だから、足場いらないんじゃない?」と。
たしかに、一見すると2mちょいくらいの高さなら脚立や梯子を使って塗れるのではないかな?と思ってしまう気持ちは分かります。
でも労働安全衛生規則第 518条では、2mを超える現場では必ず足場が必要と定められています。実際現場を担当する側としても、2mを超える現場で梯子や脚立を使いながらの作業は、足元が不安定になり塗装作業に支障をきたすため足場が必要です。
 また他にも「足場代ってどうしてこんなに高いの?」という質問も……。
 ここで、足場の費用のことをお話しする前に、建設業による死亡事故の多さについてお話し致します。
建設業の死亡事故のほとんどは転落事故なのですが、これは足場の費用と大きく関係しているのです。
危険な足場で、安全装備も付けずに行う現場は必ず事故を起こします。
そして、そういった現場は、必ず足場代を削っているのです。
実は足場には、さまざまな種類があります。金額はこの種類によって変わると言っても過言ではありません。
まずはこちら、戸建ての塗装などでも多く見かける「ビケ足場」です。

別名「ハンマー」とも呼ばれ、足場を組み立てる際には、ハンマーで叩きながら部材を接続させるため、足場の組み立て作業中は「カーンカーン」とかなり大きな音がします。
 ビケ足場は、手すり部分である中桟がシングルのもの、ダブルのものなどがあり、ダブルの方が中桟二本になるため、安定した体制で作業を行うことが可能に。
でも、ダブルはシングルに比べて、使う部材が中桟二本になる分多くなりますので、金額も上がります。

2階建てであれば、外周二周分の部材と取り付けの手間が追加となりますので、それだけコストが上がるのです。
 ビケ足場でコストをかけずに建てようとすると、中桟をシングルにしたり、巾木と呼ばれる歩く部分の板を省略したりするのですが、その場合には作業に不具合が生じることも。
確かにコストをかけずに足場を組めば、金額を額面上では下げることができ、良いように思いますが、その実態は足場が不安定になり、職人が作業する際に足元と、手元の作業に注意が分散するので良い塗装は望めません。
 例えるならば、料理などをするときに、床の上で普通に立って料理するのと、小さな台の上に立って足元がおぼつかない中で料理をするのでは、料理の手際が大きく変わります。
台の上に乗っていると、足元が不安なためなかなか思うようには料理はできません。
 塗装もそれと同じです。
足元がおぼつかない不安定な足場では、塗装作業に集中することができなくなるのです。
 
塗装は、良い塗料だけがあっても綺麗で長持ちする塗装にはなりません。
塗料を塗る職人の腕と、その職人の足元を支える安定した足場があって、初めて良い塗装になるのです。
このビケ足場以外にも、先行足場という格子がついたような足場もあります。

先行足場は、マンションや高層の建物の際に採用されることが多い足場なのですが、一戸建ての場合はあまり見かけません。
 先行足場がビケ足場よりも安全で費用がかかる足場だとすると、その逆にあるのが単管足場です。この単管足場は、ビケ足場よりも安い値段ではありますが、危険な足場と言えます。

 弊社の現場では、あまり採用していない足場ではあるのですが(家と家の隙間が人一人しか通れない隙間の部分のみ、あえて単管足場を併用することもあります)、まれに他の現場で単管足場だけの現場を未だに見かけます。
この単管足場は、言葉のとおり単管…つまりパイプのみで組み立てる足場です。

単管の場合は、足元は鉄パイプ1本なので作業中は綱渡りをしているような状況になります。
 職人は、塗装をする際に必ず「下げ缶」と呼ばれる、ペンキが入った缶を片手に持ち、もう片方の手にはローラーや刷毛などを持ちます。
つまり、塗装をするときは必ず両手が塞がってしまう体制になるのです。
にもかかわらず、足元はパイプが1本。
青竹ふみのもっと細い版をずっと踏んでいるような状態なため、作業中足元は痛く不安定です。
 単管ダブルという、多少足元が安定する足場もあるのですが、これも所詮はパイプが2本なので単管よりは安定するものの、危険な足場であることには変わりありません。
少しでも足を滑らすと、単管と単管の間に物を落としてしまったり、踏み外したり、落下したりします。単管足場にすれば、金額は安くなりますが、塗装の仕上がりもそれなりになってしまうのです。
 またこうした足場の種類以外にも、足場には金額の差が出るものがあります。
それは「昇降階段」です。

2階建て以上の建物の場合、安定した作業を進めるために、この昇降階段は必ず必要なものなのですが、コストを下げるために昇降階段を足場に取り付けない現場があります。
取り付けずどうするのかというと、部材を階段のように取り付けたり、梯子をかけたりします。
部材で作る階段は階段になっているので多少はましなのですが、問題は梯子です。
先ほどもお話しました通り、職人の両手は下げ缶と刷毛で塞がってしまっています。
そんな両手がふさがった状態で、梯子を上る……。
まるでサーカスのようですよね。
単管足場のひどいものになりますと、2階部分に上がるのにささやかな梯子とあとは己の腕力のみが頼りの綱……なんどというものもあります。

足場は、こうしてオプションで値段が変わるのです。
最近では、2022年から労働安全衛生法が改定されるため、これまでは腰につける安全ベルトでしたが、フルハーネスなどの使用が義務付けられます。
これによって、安全性は上がりますが現行のハーネスは使えなくなるため、フルハーネスを買いなおすことになり、また足場代は上がることに。
 でもお客様の中には、このオプションを全部つけて安くしてほしいとおっしゃる方もいます。

オプションは、安全を買うために増やしているものであって、業者の利益をあげるために増やすわけではありません。
ですので、オプションをつけるのに安くする…というのは本当に不可能なのです。
これは例えるなら1000円カットに髪の毛を切りに来たのに、トップスタイリストの技術を求めるようなものと言えます。
1000円カットは、1000円でできるカットでしかないのです。
 さらには、ゼネコンでやるような施工をやってほしいというお客様もいます。
 会社の規模によって、施工内容は変わります。
小さい業者とゼネコンでは、最初から仕事の規模がちがうのです。これを戸建ての予算内でやるというのは無理な話です。
 
足場は、車のオプションのように目に見えて家が豪華になったり、家の塗装に効果が見えたり…ということはありません。
「足場を良くしたことで、塗装の仕上がりが変わったな!」と実感する方もまずいないと思います。
 でも、僕のブログで毎回お伝えしているように、土台が悪ければその後すべての作業に響いてしまうのです。
 良い足場があって、はじめて職人は足元に気を取られず塗装に力を発揮することができますし、良い塗装をすればその後の防水処理も滑らかで細部まで行き届いた塗装の上に施すことになるので、しっかりと防水することができます。
 
すべての始まりは、土台である足場にあると言っても過言ではありません。
 
足場は、これらの作業を円滑に進めるために様々な技術が結集されています。
風よけなどもその技術の一つで、倒壊する足場は本当に分かりやすいです。

 風よけは、この写真のように上部分を折って風が抜けやすいようにすることなのですが、台風などがある場合は、さらに工夫をして足場の倒壊を防ぎます。

 風よけ一つとっても、足場屋さんによって技術がバラバラなので、弊社では厳選した良い足場を組む業者と仕事をしています。
せっかくお客様から足場代をお預かりして足場を組む以上、その予算に見合った最高の足場を組むことが大切だと思うからです。

足場は、塗装の現場の最初と最後を務める塗装工事の要です。
この記事で少しでも多くのお客様に、良い塗料を選ぶことよりも、良い足場を選ぶことの重要性をお伝えできれば、本当に嬉しく思います。
どうか大事な家を守るためにも、安全で良い足場を選んでみて下さい。

正しい足場選びにこの動画を参考にしてください。

松尾
若い時からずっと大手の大規模修繕の防水関係に携わっていたり、官公庁の仕事も多くこなしてきました。 防水関係の施工には大変優秀な技術を持っています。仕事熱心で常にお客様の立場に回り物事を考えて行動しています。 雨漏り対策も得意分野で、2人の子供を抱えて毎日仕事に励んでいます。

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