取り返しがつかない ガソリンスタンドの防水工事

営業・見積もり担当の松尾です。
先日ガソリンスタンドで給油をしていたら、給油スタンドの周りの防水処理に目が留まりました。
ところどころ防水膜が、膜の下から上がってきた空気によって破裂しています。

なぜこのような状況になっているのかというと、平成23年2月1日に地下貯蔵タンクなどからの危険物の流出事故の対策として、消防法が改正され、その際に多くのガソリンスタンドが廃業か、消防法に対応した工事をするかの選択が迫られました。この時工事をすることを選んだガソリンスタンドは、新しい消防法をクリアするために床面の補強と防水工事を突貫で行ったのですが、そうした突貫工事をしたガソリンスタンドの中には、床面がこのような状態になっているところがあるのです。
この床面、写真で見てみると破裂箇所以外にもいくつものまだ破裂していない気泡が見えます。

これは、防水膜の下のコンクリートが、きちんと乾かぬうちに防水処理をしたため、コンクリートに含まれた空気が上がり続けているのです。(ピンホール)
 コンクリートというのは、流し込みながら加振機(バイブレーター)で振動を与え、コンクリートに含まれた空気を抜いて乾かします。
コンクリートの空気をしっかりと抜き、その上にフタをするように防水膜の処理を施せば、完璧な防水処理となります。
ところが、このガソリンスタンドでは加振機をあまりかけず、その上コンクリートが乾ききらないうちに防水処理をしたのでしょう。
そのせいで、ところどころ防水膜が破れ、防水の意味がなくなっている箇所も。
もしもこれが屋上の防水だったら、今頃天井から盛大な雨漏りをしていたことでしょう。
ガソリンスタンドという、外とはいえ屋根のある床なので辛うじて大きな被害はないものの、多少は下の給油タンクへと漏水が起きているかもしれません。
でも本来この防水処理は、ガソリンスタンドの床下にあるガソリンの入ったタンクとの絶縁体がわりに敷いているものです。
消防法が改正されたのも、床下のタンクへの引火事故などを予防するために施行されたためなのですから。

それにも関わらず、ところどころ防水膜が破裂して床が見えている状態なので、何かのはずみで絶縁体の機能をしなくなった箇所から大惨事になることがあるかもしれません。
 乾ききらないままフタをしてしまったコンクリートは、この先も乾くことなく、このように空気が上がってきては、絶縁体としての防水膜を破壊し続けます。
例えこの防水膜をはがして下地のコンクリートを乾かそうとしても、現状のコンクリートでは加震機をかけることもできないですし、多少乾かすことはできたとしてもコンクリート内に内包されている空気を全て外に出すすべはなく、コンクリートの内部は乾かないままなのです。

このように、誤った施工は後から誤った部分を直そうと思ってもすぐには直せません。
僕のブログで何度かお話をしていますが、一度でも間違った工事をしてしまうと、後から修正がほぼできないのです。
もちろんこのガソリンスタンドも、防水膜を剥がし、コンクリートをすべて取って工事をし直せば、今よりは良い状態になるかもしれません。
でも、防水層だけでなくコンクリートをはがすとなると、かなりの金額がかかります。
もしも、このガソリンスタンドの工事をする業者が、お客様から突貫工事を頼まれた時に、このような不具合が起こることを伝えていたのなら、今の状況は避けられたことだったのかもしれません。
 これは、この建築業界の大きなヒズミなのですが、建築業界は工事が完了し引き渡しが完了すると、その後に検査などはほとんどありません。
そのため、工事さえ終われば業者が責任を取ることはまずないのです。
 さらに建築や塗装は、かなり多くの業者が一つの工事に携わります。ある意味、寄せ集めで行う工事です。(バトンを渡し、リレー形式で作業する)
塗装工事だけでも、シール屋、防水屋、屋根屋、足場屋、塗装屋、大工、タイル屋などなど。家の仕様によっては左官屋なども加わり、現場監督の采配がうまく行かないとそれぞれの業者が思い思いの工事をし、トータル的な工事のつじつまが合わなくなることがあります。
 こうした一つの工程に、さまざまな業者が関わる工事の仕様は、車の製造などでも同じことがいえるのですが、建築業界との最大の違いは何度も検査があることです。
下請け業者から上がってきたさまざまな部品は、組み立てるメインの工場で検査がありますし、車が完成した後も、2年ごとの車検で組みあがった車に不具合がないか確認をします。
(ですので管理する管理者も大切です)
塗装工事と同じような寄せ集め工程でも、何度もこのような検査があるからこそ、組み立てに不具合があった場合にはリコール制度により、国土交通大臣に事前届出を行った上自主回収し、修理をします。
でも、建築業界には建てた後の検査などは、ほとんどないのです。
ですので、このガソリンスタンドの床面のような状態になっても、業者が責任に問われることは、まずありません。

 だからこそ、例えその後に不具合が起こることが分っていても、余計なお金のかかる提案をしてお客様に逃げられないために、お客様に言われるがまま工事をしてその場をやりすごしてしまう業者がいるのです。(その場の入金〔仕事〕が欲しい)

先日も弊社の請け負ったお宅の隣に、非常に残念な対応をする業者を見かけ、そうした残念な業者に依頼をするお客様を本当に気のどくに思いました。
 業者の工事への姿勢、そして周りへの気の配り方などで、その業者がどんな施工をするのかが分かります。
残念な対応をする業者は、やはり施工も残念なのです。
 
塗装というのは、塗装回数が少ないことも問題ですが、回数が多くても問題は生じます。
一般的に、1軒の家におこなう塗装工事(洗浄、下塗り、中塗り、上塗りを1セット=1回として)は5回までと言われています。
5回以上やると、重ね塗られた塗料の重さで壁が剥がれ落ちてしまうからです。
だからこそ、適切なタイミングで適切な箇所に塗装工事を行わなければなりません。
そして、このガソリンスタンドの防水工事からも分かるように、適切な工事をしないとその後メンテナンスをしようにもメンテナンスが効かない状況になってしまいます。

 世の中には「瑕疵保険」という、工事が終わった後に不具合が出た際に保証される保険もありますが、保証されるのはわずか3割ほど…というのが現実です。
たった3割では、工事を元からやり直すことなどは到底できません。
 よくお客様の中には、自分からあえてこういったリスクを作ってしまう方がいます。
そうしたお客様のほとんどが、「安い金額」といった目先のことで業者を決めてしまうのです。
 
塗装業者は、安くていい業者はほとんどありません。さらに言えば、高くてもダメな業者はいます。

つまり、金額はいい業者を選ぶ目安にはなりません。
どうしても金額ばかりに目がいきがちですが、ここで消費者として目を向けなければならないのは「工事の内容」なのです。
 
お客様の家の、どんな症状に対してどんな対応を取るのか…そして施工後のことも考えているのか。
これらのことを、見積もり時の説明でしっかり聞くことができれば、よい塗装工事が出来る可能性はグッと上がります。
家というのは、建売りの同じメーカーの集合住宅だとしても、施工会社が違ったり、立地が違ったりすることで塗装の条件は大きく変わります。
だからこそ、家にあった提案をしてくる塗装会社が必要なのです。
もちろん工事の内容を自分で判断をするためには、お客様自身でも外壁塗装について勉強をしなければなりません。
 
自分が賢くなって、リスクを回避する。これが良い塗装工事をするために、必要なことなのです。
 
僕は、現場でお客様とお話しする時に必ずお伝えすることがあります。
それは、何か分からないことがあれば何でも自分に聞いていただきたい、現場の職人よりもできるだけ営業に話していただきたいということです。
なぜかというと、職人の言葉は専門的すぎて分かりづらい場合があります。
お客様のご希望と、職人ができることのバランスをうまくとることが、われわれ営業の役目です。正しい塗装工事を選んでいただくために、少しでも僕というフィルターを通して、簡単に塗装の工程が分かっていただければと思います。

僕のお客様たちには、このガソリンスタンドの床面のような「取返しのつかない工事」だけはしてほしくないのです。

参考動画 屋上防水工事です。

松尾
若い時からずっと大手の大規模修繕の防水関係に携わっていたり、官公庁の仕事も多くこなしてきました。 防水関係の施工には大変優秀な技術を持っています。仕事熱心で常にお客様の立場に回り物事を考えて行動しています。 雨漏り対策も得意分野で、2人の子供を抱えて毎日仕事に励んでいます。

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