もくじ
塗装工事のお見積もりについてご説明をさせて頂く際に、工事の内容についてはご納得頂けますものの、万が一上手くいかなかった場合に取る対応をお話しさせて頂こうとしますと、途端に「上手くいかないのは困る」とおっしゃるお客様がいらっしゃいます。
もちろん、私たち塗装職人としてはなんとか家の状態をよくするための塗装がしたいと思い、塗装工事のご提案をさせて頂くのですが、全ての家が問題なく塗装工事ができるわけではありません。
今回は、なぜ塗装工事には予想外の結果が出る場合があるのかということを踏まえて、塗装工事を考える際にチェックしておきたいポイントを6つご紹介致します。
塗装工事をする土台の家の状態を把握する
家の外壁塗装工事を考える際に考えて頂きたいポイントの一つ目は、塗装工事をする家の状態です。
再塗装の工事は、建築されてからすでに10数年経た家を土台として工事をします。
家は10年も経てば、どこかに不具合を抱えているものです。まだ表面に現れていなくても、家の内部は配管や電線等が通り、雨水もクラックなどから入り込んでいますので、必ず大なり小なりの不具合があります。
つまり塗装工事とは、土台に不具合がある状態で行うため、どんなに手順通りに工事を進めたとしても何かしら予期せぬことがおこってしまうのです。
さらに問題なのが、家が建った当時から問題をはらんでいる場合でしょう。
防水処理をすべきところに防水工事を施していなかったりして、壁内部に通る雨水を排水する隙間がなく壁内部に水がたまってしまっていることも…。
もちろん、そうした不具合を発見した場合、上に塗った塗料によって予期せぬことが起こらぬように、さまざまな事前調査や工事の方法を考えて、私たちプロは工事を行います。
それでも、家全体の状態を完璧把握するのは難しいことです。
お客様は、家の塗装工事をされる際に、塗装工事の内容についてはいろいろ調べていらっしゃいますが、ご自分の家の状態を調べている人はいません。
正直、過ちだらけの知識をぶつけてくる方も多数いらっしゃいます。
もちろん、工事の内容を知ることは大切ですが、それでは工事について一方向からしか調べておらず、本当に家を塗装工事する上で必要な情報が見えてきません。
今ではインスペクターなどを雇って、家の状態を調べることも可能ですので、まずはご自分の家の状態を把握することが、本当に必要な塗装工事を依頼する第1歩となります。
施工後を予測することが大切
通常業者は、工事において実施後にトラブルや不具合が起こらないように予防するため、さまざまな結果をシミュレートします。
それが公営の仕事であれば、多くの人命に関わる工事ですのでなおさらでしょう。
先日少し強めの雨が降る中、坂になっている車道を通りましたら、道が冠水していました。
台風でも豪雨でも無いのに冠水しているので驚いてしまったのですが、その時は排水口でも詰まっているのかな?と……。
後日、晴れた日に同じ道を通った際に道脇の排水口をのぞいてみたのですが、綺麗に掃除してありました。
つまり、この道はきちんと排水口も設置されているのに、冠水してしまっています。考えられる理由としては、施工時に想定できなかった不具合が排水部分に生じ、上手く水を排出することができず少し強めの雨で冠水するようになってしまったのでしょう。
少し強めの雨でこの状態ですから、大雨や台風はどうなってしまうのか…。
考えるだけで恐ろしいです。
逆に、こちらの橋は竣工したのが昭和45年とありましたが、まだまだ綺麗な状態で橋としてしっかりと保たれていました。
工事をする上での予測が上手くいけば、この橋のように50年経った今もきちんと機能します。
今回ご紹介した二つの例は、どちらも国がある程度の費用を投入して建設した道路や橋です。
しっかりと予算をとって行った工事でも、完成後の状態を予想することは容易ではないということがお分かり頂けたと思います。
冠水する道路を作ろうとする人など、いるはずがないのですから。
家の塗装を考える二つ目のポイントは、必ず工事が成功した場合の想定だけでなく、悪い想定もして対応を取ってくれる業者に依頼をするということです。
費用をかけた国主導の工事でさえも、不測の事態は起こります。
工事が上手くいかないことを気にするのでは無く、上手くいかなかったときにどんな対応をしてくれるのかを見ることが、工事を依頼する上で何よりも大切です。
家の再塗装工事は自然要因も大きく影響する
家というのは、常に自然の中にさらされています。
雨や風が壁や屋根に吹きつけ、家全体が地震で揺れ、夏には40度を超える太陽熱にもさらされる。
家の塗装を考える三つ目のポイントとしては、こうした自然要因からくる不具合箇所もチェックしておくことです。
ご自分で家をぐるり見回した際や、日々生活していて家に異変は感じませんか?
「この外壁だけ他の壁よりも退色が激しい」「北側の壁がツタなどの植物などで覆われている」「台風の時にだけここから水が漏れる」など簡単に視認できることだけでも十分です。
例えば、強い西日にさらされている外壁が一面あるとします。
他の壁面と同じ塗料で塗装すればその瞬間は綺麗になりますが、それでは問題は解決しません。
とはいえ西日への対応として遮熱の塗料を安易に塗ったことで、これまでは強い西日でしみこんだ雨水が蒸発していましたのに、遮熱してしまったことで水が蒸発せず雨漏りとなって出ることもあるでしょう。
だからこそ、しっかりとした事前調査が必要なのです。
それなのに、工事を内容ではなく金額だけで塗装工事を判断してしまいますと、家を綺麗にするだけのコーティングはできても、本当に家を守る塗装工事にはなりません。
自然要因は日々家に暮らしているお客様ですからこそ、チェックが可能です。
工事を依頼する前に、是非家を注意深く観察してみて下さい。
金額で選んだらこんなことに 参考動画です
ネットの情報を過信しない
家の塗装を依頼する際に考える四つ目のポイントとして、ネットの情報を過信しないことです。
たまに、ネットで塗装工事の内容や塗料について勉強した上でご依頼を下さるお客様がいらっしゃいます。実はこの勉強……諸刃の剣となります。
というのも、あくまでもネットで紹介されている塗装工事内容は一部の情報で、お客様の家の状態によっては、全く当てはまらないモノもあるからです。
さらに塗料の効果にいたっては、あくまでもネットで紹介されている塗料の耐久年数は雨も風もなく温度も一定の状況で検査したもので、お客様の家の状況に当てはまらないことがほとんどです。
だからこそ、我々塗装工事のプロがこれまで手がけてきた工事の内容やお客様の家の状態から、家に合った工事方法や塗料をお選びいたします。
しかし、ネットの情報を信じすぎるあまりに、塗料や工事内容の提案をさせて頂いても聞く耳を持って下さらない方も。
これでは、良い塗装工事にはなりません。
ネットの情報にももちろん正しいものはありますが、まずは目の前の業者の提案をじっくりと聞いてみほしいと思います。
実際にお客様の家を見てお話ししているのは、塗装業者なのです。
塗装工事は予想外の副作用が出る場合がある
塗装工事で不具合をカバーするための塗料を塗ったところ、思わぬ副作用が出る場合があります。
良い状況にするための工事だったのに、真逆の結果になってしまう。
みなさんの日常でも、そんな経験ありませんでしょうか?
そういえば前に、ボランティアで活動していることで有名な男性がいました。
テレビで注目され、優しそうなその男性はテレビの前でもニコニコしていたのが印象的だったのを覚えています。
しかし、その彼はテレビに出たことで人から注目されるようになってしまい、ボランティアに支障を来すようになってしまったそうです。
この男性は、テレビに出ることで自分のボランティアへ支障がでるなどは考えもしなかったでしょう。
善意からテレビの取材を受け、善意が思わぬトラブルとなってしまう。
塗装工事も、これと同じなのです。
ベストを尽くし、お客様の家を持たせることができることだけを考えたたにも関わらず、予想したのとは別の結果がでることがあります。
冒頭でもお話ししましたが、西日の例が良い見本です。
西日による壁の日焼けを食い止めたことで、他の弊害がでてしまう。
家の塗装を考える五つ目のポイントとして、どんなにベストな工事をしたとしても、それによって副作用がおこる可能性がある…ということをよく踏まえておくと良いでしょう。
疑心暗鬼になりすぎない 疑わしい業者なら依頼しないこと
最後のポイント六つ目は、業者に対して疑心暗鬼になりすぎないことです。
お客様の中には、ネットに溢れるぼったくりの塗装工事記事をご覧になっているからなのか、とにかく「ぼったくりにあっていないか、騙されていないか」と疑心暗鬼になっていらっしゃる方がいます。
実は、こうして詐欺師のように疑われているのは、業者として本当に辛いことです。僕としてはお客様の家を工事後10年持つようにしたい一心で、真摯にお客様の家に向き合ってご提案をさせて頂いているのですが、その思いが届かずもどかしい思いをします。
もちろん工事の内容についてご質問頂くのは、大歓迎です。
僕は長年、建築の仕事をしてきたことで、お客様とコミュニケーションを取ることは、家の状態を知るためになによりも大事なことだと知っています。
しかし疑心暗鬼に陥ってしまっているお客様は、『疑問』ではなく『疑い』ばかりでコミュニケーションがとれずいつも非常に残念な気持ちに……。
もしも、お客様が見積もり依頼をした業者を信じられないようでしたら、依頼しない方がいいと僕は思います。
信頼できない業者に、大事な家の補修や塗装をお願いすることほどお金の無駄遣いはないのですから。
悪質業者による被害者 参考動画です
塗装工事を依頼する前に考えて起きたい六つのポイントまとめ
今回のブログを読んで、少しでも塗装工事の違う面から見て、ご依頼の際の指針として頂ければと思います。
そうすることで、お客様の家にとって最高の工事をすることができるでしょう。
塗装工事は、お客様が10数年住んでいた家におこなう工事です。
だからこそ、さまざまな視点から塗装工事を考えてみて下さい。
ポイント1 家の現状を把握する
ポイント2 業者の施工後の予測、不具合が出た際の対応提案を聞く
ポイント3 自然要因による家への影響箇所を把握する
ポイント4 ネットの情報を過信しない
ポイント5 塗装工事には予想外の副作用があることを知る
ポイント6 疑心暗鬼になりすぎない 疑わしい業者には依頼をしない
などなど。
こうしたあらゆる角度から、塗装工事を検討することは良い塗装工事業者に出会える可能性をアップさせます。
みなさんどうか、ネットの偏った情報に踊らされないで下さい。
家はお隣同士だとしても、家の建築に関わった大工が違うだけで家の状態は変わります。
さまざまな角度から、家の塗装を検討して誠実に対応をしてくれる塗装業者と契約をして下さい。
私たち塗装職人は、長年会社の看板をかかげるプロの塗装業者だからこそ、工事中や工事後に起こる予想外のトラブルがあっても工事を放り出したりはしません。
何か打つ手がないのか、スタッフや職人、塗料メーカーなどの材料メーカーまで巻き込んで問題に取り組みます。
塗装工事へのご質問は、いつでも大歓迎です。
是非とも、お客様の家のお悩みをお聞かせ下さい。いつでも全力で対応いたします。