プロの塗装工事に必要なのは塗料と利点と欠点のバランスを見極めること  

現場管理、見積もり担当の松尾です。

先日近所の公園でこんなものを見つけました。

すべり台についている表示なのですが、この遊具は3歳から6歳用と書いてあります。

うちの娘が小さい頃、仕事で早帰りできたときはよく公園に連れて行っていましたが、そのときにはこの表示はありませんでした。

僕から見ますと、この表示は子どもを守るため…というよりは、禁止したことで事故などが起こったときに公園管理者が責任回避するためのように感じます。

公園にある掲示板についても、子どもに公園でケガをさせないように安全性を追求するあまり、約束ごとだらけになっていて…とても窮屈そうに感じました。

公園の表示以外にも矛盾となってしまっている表示を、街で見かけます。

週間工事予定の看板もその一つです。

工事現場周辺に住んでいる人にとって、工事の騒音や工事期間がどのくらい続くのなどが気になるので、こうした看板があると目安をつけることができます。

地域住民の理解も得やすいですし、工事の内容がわかるため安全性もアピールができ、パッと見は矛盾などは見当たりません。

では、この看板のどこに矛盾があるのでしょう?

それは、この予定表には工事中の天候や工事を進める人の能力のばらつきは含まれていないのです。

あくまでも机上で計算された工事予定について書かれているだけで、1回でも大雨が降れば予定通りには進まないでしょう。

これではせっかく周囲の人に工事予定を知らせても、工事の日程が変わってしまい掲示した意味がありません。

看板の意味がなくなっては大事なので、予定が遅れそうになった場合、現場の管理者はなんとしても予定を守るように現場をせかすことになります。

雨で作業ができなかった工程を取り戻すのは、並大抵の現場力ではできません。

せっかく周囲に理解を得ながら安全に工事を進めるための表示だったはずなのに、表示のせいで現場のスケジュールがきつくなってしまうでは本末転倒のように僕は思うのです。

塗装工事にもある大きな矛盾

ここまで表示の矛盾についてお話しましたが、実は塗装工事もそうした表示の矛盾があります。

塗料や工法にはそれぞれの良い点もありますが、その裏には必ず悪い点もあるのです。

塗料などは公園の遊具と同じで安全重視なので、「ここに塗っちゃダメ」「他の材料と重ねての使用には補償しない」など表示があります。

しかしそうした表示である注意書きを、そのまま守れば正しい塗装工事ができるのかといいますと、そうではないのです。

例えば、多くの塗料は外壁材であるサイディングボードに塗る際に、ボードとボードの隙間をうめるシーリングの上に塗料を重ねて塗ることを禁止しています。

なぜなら、シーリングは塗料会社とは別の会社商品で補償ができないからです。

しかし塗料をシーリングに重ねて塗らない場合、シーリングを保護できないだけではなく、むき出しのシーリングが傷んでしまったり、サイディングボードとシーリングの間に隙間が空いてしまったりすることで、最悪の場合は水が入り込み雨漏りの原因となります。

それであれば、塗料を重ねて塗らなくても大丈夫な露出用のシーリング材を…となるのですが、この露出用のシーリング材は露出用ではあるものの太陽光に含まれる紫外線に弱いため結局傷んでしまうことに。

シーリングに塗料を重ねてもダメ、シーリングを露出させてもダメでは、まさに八方ふさがりです。

塗料メーカーの注意書き通りにやっては完璧な塗装にはならず、注意書きを無視すればメーカーの補償対象から外れます。

シーリングの上に塗料を重ねる場合は家の状況にもよるのですが、現場の判断でお客さまにご説明の上でシールの上は補償なしで塗ることがほとんどです。

あえてシーリングの上に塗料を重ねることで、シーリングに保護膜を付けることができ、家を水の侵入から守れます。

どうしても外壁材、屋根材、塗料などには一長一短があり、すべてが丸く収まる方法はありません。

すべての良いところも悪いところも含めて、ある程度のところで丸めこんで工事を進めるしかないのです。

これは僕がシーリング工事をした動画です

ネット上のメーカー情報だけがすべてではない外壁塗装

ネット上のメーカー情報だけがすべてではない外壁塗装

たまに、お客さまでネット上に出ているメーカーからの一方向だけの情報を見て、「本当はここにこのように塗ってはいけないのではないか?」とご質問を頂く場合があります。

お客さまとしては、「プロなのに間違った使い方をしている!」と不安に思われるようなのですが、シーリングの例にも出しましたように利点を取るためには、欠点も甘んじて受け入れる「必要悪」というものがあるのです。

むかし、保育園のベランダの工事をしたことがありました。

そのベランダは、部屋のアルミサッシを開けますと部屋の中から直接ベランダに出ることができ、非難の際には非常用のスロープを降りられるというものでした。

当時の現場リーダーは、とにかく規律や上司の指示を守る人でしたので、計画通りにウレタン防水工事を終えたのですが、僕は工事をしながら床が少し高いことに気が付き、このまま防水を施工ではアルミサッシが開かなくなるかもと思いました。

リーダーにその旨伝えたのですが、「指示通りだから」という理由でそのまま工事をすることに。

結局、見事アルミサッシは開かなくなってしまい、園長先生はカンカンになっていました。

理論上では規定通りのウレタン防水の材料を使えば、ベランダは丈夫で美しくなりますし、アルミサッシにも影響がない予定でした。

しかし、実際の建物には必ず歪みや周辺環境からの影響があります。

だからこそ、現場を見て判断し微妙な調整が必要になるのです。

最悪、ベランダの床材の耐久性を少し落とさなければならなくなったとしても、アルミサッシが開かなくなってしまうよりはマシだったのではないかと思います。

もちろん市がお金をだして行っている工事だったので、厳しい規定があったのだと想像され、リーダーも相当苦悩したのでしょう。それでも、うまく「必要悪」とのバランスが取れなかったことで、この結果を招いてしまったのだと僕は思うのです。結局、床を削りました。

塗装工事 利点も欠点もお客さまに伝えることの大切さ

僕は、見積もりで伺う際には、必ず塗装工事における良い点と悪い点を合わせてご説明します。

本当は、良い点だけを言えば契約の成約率はあがりますし、会社としても利益を得ることができるでしょう。

ですが、お客さまにそんな無責任な工事を提案したくありません。

それゆえに、良い点と悪い点を説明するのです。

それを総合して聞いた上で、お客さまに一番いい選択をしていただくために。

僕は、いつも「良い点と悪い点の間を取ってうまくやること」を大事にしています。

もちろん、できるのであれば指示通りのことをやって、クレームがつけようもない完璧な工事がしたいです。

しかしそんなものは、存在しません。

塗料を正しく使えば防水材を使う際に不備がでますし、防水材を正しく使えば水の抜け道がなくなり壁材に不具合が出ます。

だからこそ、少しずつそれぞれの素材の良いところを活かすために、悪いところをうまく納めながら間を取るのです。

こちらは僕が担当した防水工事の動画です

 

塗装職人はお客さまにとって最善の塗装を追求します

塗装職人はお客さまにとって最善の塗装を追求します

塗装工事は、家によって対応が変わります。

建て売りなどで同じ時期に同じ材質で建てられた家だとしても、ちょっとした条件で家の状態が変わってしまうため、一つとして同じ条件の外壁塗装はないのです。

立地や太陽の当たり具合、風通し、植物などの影響、道路からの振動など。家に影響を及ぼす条件は、上げればきりがありません。

状態が少しでも違いますと、同じ塗料を塗っても結果は変わります。

だからこそ、これまでに外壁塗装をこなしてきた職人の経験値、メーカーや材料会社からのヒアリングが重要なのです。

これらを統合して、考えに考えを重ねた上で、どの利点をとってどの悪点を仕方なしとするか判断をします。

外壁塗装はメーカーの注意事項通りに白黒はっきりつけた工事をしたのでは、良い塗装にはなりません。グレーゾーンを上手く使って、ぎりぎりのところでバランスをとることこそ、お客さまの家に合わせた最善の外壁塗装となるのです。

公園の注意表示や、工事の週間予定の看板に書かれたことはあくまでも安全面だけを考えたものでしかありません。

外壁塗装に関して言えば、材料メーカーの安全性だけを重視した使用方法だけではうまくいかないのです。

家の状況を見て相対的に考え、時には片目をつぶって考える。

そのためには、塗装職人のような数々の現場をこなしてきた見積もり担当や、職人の判断が必要です。

塗装職人では、安さ一辺倒な工事で塗料の良い点だけをお見せするお見積もりや工事はできませんが、塗料の持つ利点だけでなく欠点も含め、お客さまの家を第一に考えたお見積もりと塗装工事はできます。

是非一度お問い合わせください。

松尾
若い時からずっと大手の大規模修繕の防水関係に携わっていたり、官公庁の仕事も多くこなしてきました。 防水関係の施工には大変優秀な技術を持っています。仕事熱心で常にお客様の立場に回り物事を考えて行動しています。 雨漏り対策も得意分野で、2人の子供を抱えて毎日仕事に励んでいます。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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