このブログでは、カバー工法の工事内容だけでなく、見落とされやすい「屋根上げ費用」や工事に関連するポイントを詳しく解説します。

カバー工法や塗装工事では、工事本体の費用はよく調べられますが、足場の設置や屋根材を屋根に上げる作業の費用は見逃されがちです。
これらの費用は業者によって異なり、見積の差が生じる要因となります。
今回は、カバー工法に焦点を絞り、横浜市緑区での施工事例を交えて解説し、通常と異なる屋根材上げの方法や、安全性への配慮についてもご紹介します。
カバー工法を検討中の方や、雨漏り対策を考える方にとって、費用や工事の流れを理解する参考になれば幸いです。
雨漏り対策で選ばれたカバー工法
横浜市緑区のお客様宅で、6月に10日間にわたりカバー工法の工事を行いました。お客様は数か月に渡り、雨漏りに悩まされており、雨漏り補修をきっかけにカバー工法をすることになったのです。
使用した屋根材は、防音・遮熱効果に優れた「スーパーガルテクト」。この屋根材は軽量で、夏は遮熱効果により室内を涼しく保ち、冬は断熱効果で暖かさを維持します。
施工時期は今年の異常な暑さが厳しい6月でしたが、スーパーガルテクトを貼った直後、お客様は室内が涼しくなったと実感したそうです。
戸建て住宅では、2階に寝室がある場合、雨音が気になることがあります。お客様も雨音に悩まされていましたが、スーパーガルテクトの防音効果により、夜間の雨音が気にならなくなったとおっしゃっていました。
菊池がご説明したとおりの感想をいただきました。
私たち塗装職人は、雨漏り補修はもちろんですが、お客様の細かな住まいの悩みに寄り添い、職人の技術を活かして問題解決を目指します。
カバー工法の下準備と費用
雨漏り対策だけでなく、快適な住環境の実現にも貢献するカバー工法ですが、下準備の際に状況によって作業が変わります。
その下準備とは、屋根材を屋根に上げる「屋根上げ」です。

通常は「スライダー」と呼ばれる、梯子にリフトを付けた装置を使用して、ガルバリウム鋼板製の屋根材や瓦を屋根に運びます。しかし、家の立地条件によってはスライダーが使用できない場合があるのです。
こちらのお客様宅は高台に位置し、裏側が崖のため、スライダーを設置するスペースが確保できませんでした。そのため、ユニック車(クレーン付きトラック)を使用して屋根上げを行うことになったのです。

今回は運良くユニック車が使える道路に面した立地でしたが、お客様宅の立地や状況によってはスライダーもユニック車も使えないことがあります。
道路から建物が遠い場合や、敷地面積が狭く家が隣家と密接している場合、さらには近隣との関係が良好でない場合は、職人が屋根材を担いで屋根上まで運ぶことも。

このスライダー、ユニック車、手運びではそれぞれ作業費用が異なります。
お客様は、屋根上げの方法によって費用が変わることを想定していないことが多く、この点が見積費用の差に繋がります。業者によって屋根上げが多少危険でも、費用を安く抑えるために無理矢理スライダーを使用するところもありますので、事前に確認することが大切です。
私たち塗装職人は、安全性と工事の確実性を重視し、立地条件に応じた最適な方法を選択します。
これにより、安心して工事を任せていただけます。
足場設置の安全性と費用
屋根上げ以外にも、足場の設置で費用や安全性に差が生じます。
通常、足場材は大型トラックで運び、家の前で荷下ろししながら組み立てるのですが、トラックを家の前に停められない場合や、駐車場が遠い場合「運び屋」と呼ばれる人手が必要となり、人件費がかかります。
また、家の前に車を停められる場合でも、警察への届け出やガードマンの配置が必要なケースも。ガードマン1人の人件費は約2万円です。

ある現場では、通学路に面したお客様宅で、足場解体が小学生の下校時間と重なったため、安全確保のため急遽ガードマンとして菊池が現場で誘導を行いました。
一部の業者では、届出手続きやガードマン配置を省略し、費用を抑える場合があります。しかし、これは安全性に欠ける行為です。
屋根上げや足場解体中に通行人と事故が起これば、大きな問題となります。
私たちは、事故を未然に防ぐための準備を徹底し、万が一の際も適切に対応できるプロの工事を提供します。安全性を優先することで、お客様も職人も安心して工事をすることができるのです。
スーパーガルテクトの色選びと施工のポイント
最後に、今回お客様から高評価いただいたスーパーガルテクトの色についてご紹介します。

カバー工法では、雨漏り補修後、ルーフィング(防水シート)を、水下から水上へ100mm重ねて施工します。
その後、スーパーガルテクトを施工します。
今回はシェイドブルーのスーパーガルテクトを張り込みました。

スーパーガルテクトはカラーバリエーションが豊富で、色を選べます(色見本はこちら)。
今回の菊池は、青みがあり落ち着いた「Sシェイドブルー」を提案しました。
提案時は「青」という色に少し驚かれていましたが、施工後は「おしゃれで落ち着いた色合いに大変満足した」とのご連絡が。
屋根材の色選びは、住まいの印象を左右する重要な要素です。
そのため、私たちもご提案する際は慎重になります。
今回も、菊池がこれまで多くのカバー工法に携わり、さまざまな色を見てきた経験から、お客様宅に合った色をご提案させて頂いたのですが、ご満足いただけてとても嬉しく思いました。
雨漏り対策の細部へのこだわり
カバー工法以外にも雨漏り対策として、外壁のシーリングには高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合した「オートンイクシード」を使用しました。このシーリング材は耐久性・耐候性に優れ、雨水の浸入を効果的に防ぎます。

雨漏りび原因は一箇所だけでなく、複数の原因が絡むことが多いため、細部まで丁寧に施工します。
今回、工事後に雨の日が続いたことで効果を確認でき、お客様に喜んでいただきました。完工後に自然の散水試験ができたことで、私たちも一安心です。
雨漏り対策は、屋根材やシーリング材の選定だけでなく、施工の丁寧さが重要となります。
工事依頼時の注意点と業者選び
カバー工法の費用は、屋根材や塗料だけでなく、屋根材上げや足場設置の方法で大きく変わります。そして、安全で丁寧な下準備が工事の品質を左右します。

また、工事は道路や近隣に影響を与えるため、通行人や近隣とのトラブルを避ける配慮が欠かせません。
実際工事をしてみると分かるのですが、足場建てをする際は道路を塞ぎ大がかりな部材の上げ下ろしになるため、近隣の方に多少なりとも迷惑がかかります。
そうした迷惑をかけることに配慮をしないで行った工事は、トラブルの元となることも。
せっかく工事をしても、トラブルが起きてしまっては成功とは言えません。
業者選びでは、費用だけでなく、安全性への取り組みや施工の丁寧さを確認することが大切です。
私たち塗装職人は、細部まで気を配り、信頼できる工事を提供します。
この記事が、カバー工法や雨漏り対策、業者選びの参考になれば幸いです。
安全で快適な住まいを実現するために、ぜひ信頼できる業者を選んでください。