2022年、吹き付けから砂骨ローラー作業に入れ替わった一級塗装技能士実技試験

ついに一級塗装技能士の実技試験が新しくなりました。1年に1回行われる技能士の検定試験ですが、昨年までは実際に現場で使われることが少ない技術が実技試験に取り入られてました。今回一部の実技試験内容が変更され「吹付作業」が「砂骨ローラー作業」に置き換わりました。

 

平成15年に私が一級を取得する前から試験内容が変わってなかったので外壁塗装で使われる技術がより具体的となったというわけです。

 

吹き付けがなくなったということは、ヘッドカット作業もなくなったということです。砂骨ローラーではヘッドカット作業はやらないため一つ作業が減ったということと、作業時間内的にもヘッドカット前の乾燥時間で待たされることが無くなったのではないかと思っています。

 

現場では使われることがほぼなかった試験内容

技能検定に合格するためには、合格率5割といわれる実技試験に合格しないといけません。もちろん学科試験にも合格しなければならないのですが、学科に受かって実技が落ちたという人が多いのも事実です。そのため実技試験では実技講習が重要視されます。実際に現場で使われることが少ない技術を講習も通して一生懸命再現しなければなりません。

合格率50%という一級塗装技能士になるまでの道のりと職人の素質

 

試験内容は、ケガキ線、パテ、調色、吹き付けとあります。外壁塗装でいえばパテやケガキ線などは現場では使いません。ケガキ線の作業では描いた線からはみ出さないように刷毛塗りができるかという技術を試される試験だと思うのですが、試験ではとても多くの時間をケガキ線に使います。

 

もちろん現場でケガキ線を描くなんてことはありません。ただ刷毛の技術を試すだけのものでしかないのですが、今年も引き続き試験内容に含まれるようです。

パテに関しては内装関係の塗装ではあるかもしれませんが、外壁や屋根で使うことはありません。ひび割れを埋めるのもパテではなくコーキングです。

一部軒や破風などの継ぎ目に使用することがありますが技術を要する作業ではないのと、パテの補修は耐久的には長持ちしずらいので使ったとしてもほんのわずかに部分的なのでやはり実戦向きの試験内容ではありません。

 

パテもケガキ線も引き続き試験内容に入るようですが、微妙なのが「吹き付け」です。外壁塗装ではほとんどの業者がローラー塗装で施工しています。吹き付け塗装をしているのはごくわずかな業者です。特に一部のハウスメーカーでは多彩色塗装などを差別化の意味かは分かりませんが行っています。

多彩色塗装はローラーでもできますが、技能士試験の吹付は多彩色の塗装とは少し違い「玉吹き」です。この玉吹きは本来「ガン屋」や「左官屋」の職人が行う作業で塗装の職人も扱うこともありますが極々わずかです。

砂骨ローラーでつくる波形模様のジキトーン塗装

 

モルタル外壁で新築の場合は模様をつけるために玉吹きで凹凸を付けますが、塗り替えの場合で玉吹きを行うシチュエーションはまずありません。あるとしたら外壁の欠損やとても大きなクラック補修跡に使うぐらいです。そのためだけに、自主練習と講習で多くの時間を費やしていたのが実情です。

 

より実用的になった技能検定試験

そして今年から吹き付けに変わって登場したのが「砂骨ローラー」の作業です。砂骨ローラーは実際の現場でも時々使うため実技試験にもようやく現場で使われることになった作業が追加になったという印象です。ちなみにマスチックという呼び名もあります。

 

吹き付けの題材にしていた塗料はレナラックという塗料ですが、砂骨ローラーの場合もレナラックを使うという情報も入ってきてます。実際に講習で使ったのもレナラックなので恐らく同じだと思います。

 

クラックが深刻な家に使う砂骨ローラー

砂骨ローラーは基本クラックの割れ幅が大きい外壁などに使用することが多いです。ウールローラーなど通常のローラーと比べて2~3倍の塗料を使用して使うのも砂骨ローラーの特徴です。

外壁のひび割れ防止に強い味方の砂骨ローラー

 

ローラーは多孔質で無数の穴が開いていてその穴に塗料を含ませ、塗る際はローラーを壁に押し付けて穴から塗料を押し出して転がして塗るようなイメージです。穴に塗料を含ませる必要があるため塗料も高粘度の塗料を使う必要があります。

砂骨ローラーで塗られた外壁は凹凸のある波型模様でとても肉厚のある塗膜が形成されるためクラックへの対応力が通常のローラーで塗るよりはるかにあります。例えば普通のローラーでの塗装であれば塗膜に楊枝などは刺さりませんが砂骨で塗った外壁には楊枝が刺さるほど肉厚になります。

 

砂骨ローラーで仕上げをする場合、特に気温が高い作業の場合は継ぎムラが出てしまわないよう、乾燥時間や作業も面で仕上げるというような技術的配慮が必要ですが、仕上がりもツルツルして程よい波型模様なので意匠的にも良い感じです。

高粘度の塗料はひと昔前でいえば微弾性フィラーの弾性エクセルやホルダーGⅡなどがあります。今パーフェクトフィラーをよく使用しています。

どれもドロッとしている塗料なので希釈しすぎないように水と攪拌して砂骨ローラーになじませて塗っていきます。一般の家の場合例えていうならば通常のローラーで7缶使用するところが約く3倍の20缶ほど使うようなイメージです。

もちろん塗り手間もかなり変わってきます。よくお客様からの質問で家の㎡数や坪数を伝えられて価格を知りたいという人もいますが、この作業の違いで価格も大幅に変わってきます。

極論を言えば養生の作業量も多くなるためそこも価格に反映されます。最近のウールローラーは塗料が飛散しないように繊維の素材から考えられていて、そもそも”上から塗料を乗せるように塗る”というイメージですが、砂骨ローラーの場合は”模様をかたどるように塗る”ために、塗料の飛散量がとても多くなります。通常の塗装方法ではまったく問題のない養生でも砂骨ローラーの場合は徹底した養生である必要があります。

その砂骨ローラーの塗装の場合でも、ザラザラ系の外壁のリシンやジョリパット、スタッコなどの外壁では、より塗料の吸収率が高くなるため使用する塗料が多くなり、また作業量が変わってきます。

新しくなった実技試験では吹き付けの時と同じように、恐らくベニヤの上に砂骨ローラーで作業していくことになろうかと思いますが、実際の外壁ほどの吸収が無いのとフラット面のため作業的には現場よりかは容易かもしれません。

ただ1年に1度の試験であるがために緊張して精神面ではかなりつらいものがあります。また試験の様子は機会があればまたお知らせできればと思います。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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