信頼に値する外壁塗装の見積書とは?

見積り依頼が過去一ほどの件数に

今年は連続して真夏日が続き暑いですね。恐らくですが、過去一番というぐらい35度以上の暑さが連続して続いているような気がします。私が現場に出ていたころとは暑さの質が違うような気がしてまして、雷雨があった影響があるかもしれませんが、一段と湿気もまとわりついているような気もします。

今年は梅雨があったのかないのか不明なぐらいでしたが、連続して晴れが続くと現場もまわってありがたいのですが、半面あまり暑すぎるとお客様からの見積り依頼が減る傾向にあるのもこの外壁塗装の業界です。

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それでも6月と7月は過去一番ぐらいに見積りのご依頼を頂きました。あまりにも多く頂きまして、通常は菊池と松尾で残業を駆使しながら何とか対応できていたのですが、梅雨というのにも関わらず6月も多いときは1日4件ぐらい見積りのお問い合わせを頂きました。

通常の場合でも現地調査にお伺いするまでに1週間ほど、その現地調査からお見積書のご提出までに2週間ほど、結局問い合わせを頂いてから3週間ほどで見積書をご提出できる状態でしたので、今回のようなご依頼の本数になるとせっかくご依頼を頂いてもかなりお待たせしてしまうのと、しっかりとした対応もできなくなってしまいます。

 

10年ぶりに本格見積り業務に参戦

過去には見積り依頼の受付をストップさせねばならない状況の時も何度かありましたが、多くの施工に答えるためしばらく見積りの作成にも遠ざかっていた私も参戦することになり、本格的には10年ぶりぐらいに横浜市で7件、世田谷区で2件、川崎市で2件と他の業務と並行しながら約2週間複数のエリアにまたがって見積りを担当することになりました。

私の今の仕事は主に事務仕事です。こうしてブログを書くこともありますが、倉庫から脚立を引っ張り出し職人の一級塗装技能士とともに現場に出向いて、現地調査や見積作成を久しぶりに行いました。

私は今でも職人と思っているので、現地調査でのお客様への技術的な説明は問題ないのですが、問題はその家の劣化状態に最適と思う塗料の厳選と面積などの数字の算出です。

私が見積作成を常時頻繁に行っていたのは、15年以上前ぐらいです。当時はお客様から図面を借りることが多くなく、どちらかといえば実測計算で算出していました。元々10代の時から職人だったということもあり、スケール(メジャー)を扱うことには慣れています。

図面で細かい数字を拾うよりかは頭を使うことが少なく、スケールで家の幅や高さを測って数字を拾っていました。図面と実測どちらも正確に数字を算出するには気を使いますが、実測では紙の上に数字が書き記されている図面とは違い、外壁の奥行きだったり幅だったり複雑な形をしていても見たままのリアルな形に沿ってスケールを当てて測ることができるため、その場で細かい数字を出せることができます。

 

正確な価格を出すには現場状況と図面のセットが必須

図面も実測も数字に誤差が出てしまうと信頼性も損なわれてしまうので慎重に計算が必要ですが、特に図面は設計士が数センチ単位で細かい数字をちりばめさせて作っているため、時には定規を使い計算には更に神経を使います。

高さは立面図で長さは平面図から算出するのですが、外壁塗装は図面だけで見積りは出ないため、図面とともに現地調査で撮影した写真を見ながら交互に何度も繰り返し確認し計算していきます。

例えばサイディングであれば目地シールなどがありますが、そこは図面には出ていないため長さを計算することができません。写真で目地の場所を確認して図面で高さや長さを照らし合わせ計算していきます。

中には図面がない家もありますが、実測だけで計算する場合は図面がない家の計算より倍ぐらいの時間が掛かると思います。更に平面図に相当する長さなどは測れたとしても、立面図に相当する高さなどの箇所は2階の屋根ぐらいの高さまでスケールが届かないことがあるため誤差の可能性も出てきます。

やはり一番正確に見積りをするためには現地調査と図面がセットということになります。

 

外壁状況で変わる落差が激しい価格差

私は日ごろからヤフー知恵袋で塗装関連の質問に回答している仕事をしているのですが、よく見かける質問として多いのが価格面での質問です。面積と塗料名の情報だけで、価格を割り出せると思っている方も中にはいるようですが、現場を見ない限り正確な数字が出ることはありません。

外壁の状態・塗料の種類・塗布量、もちろん面積も関わってきますが、厳密にいえば塗装作業だけでなく足場の運びやすさなどの作業状況でも価格は変わってきます。それでも延べ床面積等で価格を出すのだとすれば、一般の戸建てほどの大きさであれば状況によっては30万円変わって来ることがあります。

まずモルタルとサイディングではシールがない分モルタルのほうが20〜30万円安くなる傾向にあります。モルタル外壁の家であれば、モルタル外壁の種類の中でも、塗料をたくさん必要とする外壁と少ない量の塗料で済ませられる外壁があり、その差は20万円ほど替わることもあります。

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もしフッ素や断熱塗料などを使った場合一缶で5万円前後はするので、塗料をたくさん必要とする外壁ほどその金額の差は大きくなります。サイディングではシールも目地だけではなく外壁と軒天の取り合いの施工量の違い、窓周りの開口部なども打ち替えや増し打ちのどちらが適しているのかという判断でも価格は変わります。

オーバー仕様でお金をかけ使い過ぎさせてもいけないし、だからと言って施工不足になれば本末転倒・・などなど見積作成には本当に気を使うのです。

 

見積書には出ない施工技術の差

さらに面積と劣化の状態だけでなく、見積書には表現できないような施工技術にも違いが出ます。一般の人方から見れば違いがわからないかもしれませんが、刷毛などを使ったダメ込みの丁寧さや下地をしっかり隠ぺいさせるための塗料のかぶり具合、ローラーや刷毛目が残らないように塗る作業などの違いです。

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こういうものは塗装完成当初よりかは年数が経過するごとに差が出て来るようになります。養生に対しても、養生が雑であれば塗料のはみ出しや飛散など、結局のところ完成時の仕上がりにも差が出てくるものです。

このような面にも目を向けることも必要かと思います。サービス面においては随時点検作業や強風時のメッシュシートの風対策、毎日の報告書の提出など実際に工事してみなければ総合的な工事品質というものが判明しないというのも相見積もりをとった場合の判断の難しさではないかなと思います。

 

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塗装の耐用年数は使用缶数で劇的に変わる

塗装業者に見積りを依頼するということは今でこそ一括見積りのような存在があるので、手ごろな気持ちで依頼できるような状況になっていますが、業者とすればかなりの時間を費やして作られます。

特に弊社の場合は、塗料の使用量である「塗布量」まで正確にはじき出します。実際の施工では、多少なりとも誤差が出てしまうこともありますが、その使用量の単位である「缶数」を見積書に項目として掲載することによって、作業の正しさを表しています。

一般にこの塗布量を正確に表示している塗装業者さんは多くないと思いますが、実は塗料の種類よりこの塗布量が大事です。ネットでの情報では塗料の選び方が際立って重要と言うことが散見されますが、現場の人間からすれば塗布量の方が大事だと思えます。

塗料もフッ素やシリコン、無機系など確かに性能には開きがあるので塗料選びも大事ではあるのですが、どんなに高品質な塗料でも薄めすぎて高価格であるが故の性能が半減してしまっては何の意味もありません。

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ただ使用缶数を表示するためには、お客様に対する説明もシンプルではなくなってしまうということと、少し難雑な計算も必要とし業者としてはコスト等が深く絡んでしまう項目なので、あまり説明したくはない部分であるのは確かです。

でもこの塗布量をないがしろにして、塗料選びだけが大事だということを説明する業者さんがいるとすれば、もうひとつの塗装の品質であるこの肝のことを聞くことをお勧めします。

 

塗料選びに悩み尽くす

そして塗料選びについても現状の劣化状態に応じた塗料を選び抜くため悩むこともあります。塗料は家それぞれによって外壁種類や劣化状況で考える必要があります。現在何について悩んでいるのかということも聞いてもちろん対策として優先しますが、それでも自分の家の外壁や屋根のことを良く理解していない方もいるので、現状を良く調査してどのような塗料が適しているのか現地調査の時点にも説明します。

塗料を選ぶ際の指標としては基本的に、汚れやカビ、ひび割れ(クラック)が主なターゲットになります。汚れとカビ、クラックなどが一緒にまんべんなく発生しているのであれば、どの傷みや劣化にも万能に対処できる塗料もあります。

今は本当に耐候性に優れた塗料がたくさん出ていますが、どのメーカーも主軸に置いているのがカビや汚れなどの見た目に対する機能性です。汚れがあってもひび割れがない家はありますが、ひび割れがあって汚れやカビがない家はほとんどないからです。

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それと外壁塗装をする家は築10年以降に行うお宅が多いのですが、今現在クラックがあってもその年数に達してしまえば、今後よほど大きな地震などに見舞われない限り今以上にクラックの幅が大きくなったり、他の個所にクラックが新たに入る可能性は少ないと言えます。

大体の家は構造的問題を抱えていない限りクラック幅もヘアークラックといわれるひび割れ幅の小さいクラックが多いため、下塗り材をフィラーというねっとり感のある微弾性塗料でクラックに擦りこむように塗って肉厚をつければ、後の中塗りと上塗り塗料は特段クラック機能に優れなくとも仕上がってしまいます。

通常の提案であればこれで終わっていいのかもしれませんが、さらにクラック防止に努めたいのであれば、下塗りだけではなく中塗りと上塗りの塗料にも柔軟さを求めた弾性機能のある塗料を選択します。この組み合わせには経験も必要ですが、究極に防止するのであれば予算はかかりますが砂骨ローラーで塗るという方法もあります。

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ただし汚れ防止を強く求める場合は柔軟性がありすぎるのも良くありません。塗装が柔らかければ柔らかいほど汚れがつきやすくなるからです。当然クラックに悩む家でも汚れてもいいというわけではないので、並行して汚れにもある程度強い塗料を選ぶということになるととても悩むことになるわけです。

最近の塗料カタログの明記でよく見かける「超低汚染」や「超耐久性」などのとても魅力的なパワーワードを使っている塗料があります。よく勘違いしてしまうのは、それだけですべてが自分の現在の家の状態に合致すると思ってしまうことです。

専門知識がなければどうしても言葉尻と数字だけで判断してしまうのは判らなくもないのですが、自分の家の状態をよく理解していないままそのパワーワードに頼ることは後悔することにもつながりかねません。

このパワーワードは家の状態にあってこそ生かされます。ここ数年に頻繁によくネットでも目立つようになってきた言葉で特別専門的な定義があるわけでもないのですが、どの塗料メーカーでも最近は競って使うようになりました。

確かに機能的にも私が現場に出ている頃によく出ていたシンプルなシリコン塗料というものより無機系やラジカル制御型などの機能的な種類も増えはるかに品質も上がってきています。ただ価格も世界情勢などの影響を受けこここ数年で3割ほど値上がりしています。見積もり作成している私自身、依然と驚くような価格になってしまうこともあり見積もりを作っている途中で気が引けてしまう価格になる事さえあります。

 

「実験メーカー」と「実績メーカー」の選択

それではその高品質と言われる塗料ですが、今は20年持つという表現が安易に使われていることがあるのでとても疑問に持ってしまうことがあります。

果たしてエビデンスはどこにあるのでしょうか?

塗料の耐久性を評価する際、やはり一番正確に計測するためには、実際にその期間耐用出来たのかを長期間の自然環境下で計測する以上に理想的な測り方はありません。

ただし10年や20年といった期間を要するため現実的ではありません。

そのような長期年数という数字を仮定として導き出しているのが、実験室で紫外線に見立てたUV照射装置であるキセノンランプというものです。

塗装面にランプを強力に当てて、自然環境での10年や20年分にも相当するというあくまでもすりに見立てた数字です。

どのメーカーも採用している耐用年数の表示方法でJIS規格でも認められている方法です。塗膜の劣化の原因は紫外線のため太陽光分布に似ているキセノンランプで色褪せやつやの保持率を評価します。

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ただし、本来の自然環境は、乾燥した空気や酸性雨、気温の急な変動、排気ガス、クラックを誘発する振動など、実験室の環境よりもはるかに過酷です。そのため、数年レベルの屋外暴露試験も行われることがあります。

アステックとなど新興企業の中には、キセノンランプを用いた実験結果を基に耐久年数を20年と表示するメーカーもあります。一方で、老舗メーカーは、長年の塗料開発と現場使用実績に基づき、より慎重な耐久年数の表示を行っています。これは、会社の規模や責任感から、実験結果だけでなく実績を重視しているためです。

塗装は高額な投資です。築年数や立地条件によって耐久性は異なり、一律に20年持つとは言い難いことを理解することが重要です。

これらのメーカーは会社の規模の大きさから、立場的にも責任的にもキセノンランプでの数字は極力避けていると思われます。

築年数が同じ家だとしても立地条件によって自然環境も違います。築年数が経過してくるほどその違いが明確になり、塗装以前の問題として枯れや腐食など下地にも影響が出てきます。

外壁塗装は高額な買い物です。失敗はできません。家の状況で耐久性が変わってしまう前提を無視してどの家でもシンプルに20年持つというような表現はとても問題があると思ってしまいます。

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このように久しぶりの見積り業務に携わることで、改めてお客様が感じていることや技術的なことを伝える必要性など思い起こされることも多くありましたが、実際に以上のすべてのことをお客様に伝えることは中々難しく多くを語ることはほぼありません。

ネットでは様々な情報が氾濫していて、特にお客様が相見積もりをとっている場合、弊社のようなその中の一つの業者が多くを語ったところで本当にその説明をうけいれてくれるかどうかわかりません。

暑い時期はまだまだ続きそうですが、夏が通り過ぎれば今以上に見積り依頼が増えるのはほぼ必須だと思われます。他の業務が滞っていることもあり、今後も見積りに参戦することは少なくなってくると思いますが、その中でも少しずつ携わるようにしていきたいと思います。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

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