塗装の時期や塗料の期待耐用年数から見る現場の実態とは

今日は、先日お話しました3軒同時にご契約のお客様宅で、足場工事の立ち会いに来ています。
2軒のお客様は本日から工事を開始したのですが、もう一軒のお客様は7月下旬からということになりました。
梅雨時期を気にされてのことなのですが、7月下旬から晴れるかどうかは運次第なので、少しでも工事がスムーズに進めばと願うばかりです。


最近何件かご契約いただく際に、こちらのお客様のように梅雨時期の塗装工事など塗装に適した季節を気にされたり、塗料の期待耐用年数についてご質問を頂いたりすることがありました。
その際には、ここ最近の現場の様子についてお伝えさせて頂くのですが、実はネット上の情報と現場では多少のずれがあります。

前回のブログでも少しはふれましたが、こうした塗装現場の状況はなかなかしっかりとお伝えすることができません。
そこで、今回のブログでは、そんなネット上の情報と現場のずれにフォーカスしてご説明したいと思います。

塗装工事に向いている季節とは

数年前まで梅雨時期は、どうしても塗料の乾きが遅くなるため避けられてきました。
しかし最近の梅雨時期は、空梅雨などで雨が少なく意外と工事がスムーズにすすむこともあるくらいです。
また、これまでは冬は塗装に向かないとされていましたが、関東は雪も少ないため塗装工事が進めやすい時期になっています(塗料は昼間5度以上で乾燥し、関東では冬の昼間に5度以下になることはほぼありません)。

もちろん雪が降ってしまうと、雪かきや足場の凍結などで工事はかなり遅くなりますが、雪が降らなければ最も塗装に適した時期なのです。
たまに塗料の乾燥温度を誤解されていて、夏は暑すぎて塗装に向いていないと思っていらっしゃる方がいますが、これは違います。
ゲリラ豪雨などは問題ですが、それでなければ気温が高いため塗料が早く乾き、工事のスピードがあがる場合も。
と、ここまでお話したように、どの季節にも一長一短があり、今やどのシーズンが特別に塗装工事に適している、適していないとは言えない状況になってきているのです。

塗装工事がお休みになってしまう天気について

塗装工事にシーズンは関係なくなってきているものの、相変わらず塗装工事を止める原因第1位は雨です。
菜種梅雨、梅雨、ゲリラ豪雨、台風、秋の長雨、雪など、どのシーズンにも雨は降ります。
この雨ですが、朝から降っている場合はその日の工事が中止になるのはもちろんなのですが、たまに午前中が晴れている場合でも午後から雨の場合工事をお休みすることが…。
なぜなら、午後雨が降ってしまうと塗装が流れてしまい、午前中の塗装が無駄になるからです。

そのため天気予報で午後の雨確率が高い場合、その日一日の工事をお休みさせて頂きます。
このことは、契約の際にお客様と読み合わせする注意書きの中にも「天気予報で雨の確率が高い場合は午前中晴れていても工事を中止させて頂く場合があります。結果的に雨が降らない場合もありますが、その際にはご了承ください」と記載させていただいているほどです。
それくらい、午後の雨は塗装にとって鬼門といえます。

もちろん、雨でも進められる工事もありますので、全てが天気に左右されるわけではありません。
雨が降る中でも、お客様にご負担かけることなく工事が進められるように、できる限りの現場判断をしながら職人が工夫をします。
お客様が望む季節に、ベストな工事をするのが塗装職人の工事です。
塗装時期に悩んだら、是非一度お問い合わせ下さい。
工事プランから、小雨でも作業できる工事箇所などを織り交ぜながら、最適な方法をご提案させて頂きます。

ここまで、塗装工事に適した時期について、ネットの情報と現場の状況では差異がある…とお話し致しました。
ネット上では塗装するのに梅雨は向かない、冬は乾きが遅いなどと書かれていますが、実際の現場では空梅雨が続いたり、冬は積雪がなかったりと、どのシーズンもそれなりに塗装工事に向いているのが最近の現状なのです。

そんな塗装に向いているシーズンと同じく、ネットの情報と現場の状況で差があるものがもう一つあります。
それは、塗料の期待耐用年数についてです。

塗料の選び方とともに詳しくお話したいと思います。

塗料選び 選ぶのは値段?それとも期待耐用年数?

最近塗料メーカーが増え、ネット上で情報が溢れていることから、塗料選ぶ際のお客様事情が変わってきました。
以前は塗料メーカーもそこまで多くなく、お客様もそこまで塗料を選ぶことがなかったため、一つのメーカーで大量注文出来ると、多少のディスカウントが可能となっていたのです。

しかし、最近では塗料メーカーが増え、まとめて注文することがなくなったため、塗料の値段を安くするということは難しくなりました。
さらにこのメーカーが増えたことで、さまざまな用途や、期待耐用年数も増えたのです。
お客様もネットでそうした期待耐用年数を調べ、耐用年数の長い塗料を使って欲しいとリクエストされることが多くなりました。
ところが、この期待耐用年数…。このまま鵜呑みにして使用するには少し注意が必要です。

というのも、期待耐用年数の基準は塗装業界にあるわけではありません。
それぞれの会社が、独自の基準を設け算出しているのです。
そのため、メーカーが違う場合比較が難しくなります。

それぞれメーカーが、この塗料がいつまでもつのか…ということを算出するのに使っているのが、『耐候性試験』です。
これは、太陽光と似た光を2500時間ほど照射し続けクリアすると、約10年〜12年ほど塗装した塗料が持つという結果が導き出され、JIS規格を与えられます。
しかし、この2500時間を5000時間あてたことで通常の倍以上塗装が持つと謳うメーカーも……。
でもそれは、本来の耐候性試験の結果ではなく、あくまでもメーカー独自の算出なのです。

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塗料選びの際には、耐候性試験の結果や、期待耐用年数の数値など、ついデータを重要視しがちになりますが、メーカー独自の算出があるということを踏まえることが大切です。
そして、あくまでも塗料だけでは塗装工事全体の耐用年数をあげることはできないということも知っておきましょう。
その理由については、次の章でご説明致します。

 

外壁塗装を塗料の性能だけで選ぶのは危険

 

塗装工事を考える際に、つい塗料のことばかり注目してしまいますが、塗料だけでは外壁塗装はできません。
壁を繋ぐシーリング剤、軒下、破風などのメンテナンスなど、さまざまなことを総合的に見る必要があるのです。

シーリング剤は実績のあるシール剤を使うのか、それとも新しいメーカーの対応年数の長いものを使うのかで塗料とのバランスが変わります。
そして木部である破風や軒下は、外壁と比べると傷みやすいため10年を目処に足場を建ててメンテナンスが必要です。

塗料が20年持つからと傷んでいる破風を放置しては、雨漏りが起こってしまいます。
つまり、破風を補修するために10年後に足場を建てるのであれば、20年もつ塗料を塗る必要はないのです。

また、これもあまりお客様への情報としては浸透していませんが、実は下塗り剤、中塗り剤、上塗り材は同じメーカーを使うのが基本となっています。
もし下塗り剤を別メーカーにしてしまうと、塗料のメーカー保証が付かなくなってしまうのです。
そうとは知らずに、インターネットで検索して「下地剤はこれ、中塗り材はこれ」と選んで来られるお客様もいらっしゃいますが、保証がなくなることはご存じありません。
そして、どんなにベストな塗料を揃えても、職人の腕と正直に塗装に向かい合う気持ちがないと塗装工事は上手くいかないのです。

正直に塗装に向かい合う気持ち…つまりごまかし無く最後まで集中して塗装する強い意志。
これがないと、どこか塗装工事をごまかします。
塗料を選ぶ際には、是非ともネット上に溢れる期待耐用年数だけでなく、塗装の実績やシーリングや破風、軒下を維持するための工事内容、そして職人の質なども踏まえて選んでみて下さい。

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塗装時期や塗料を選ぶなら現場の実績も必要

最近はインターネットで、どんなことでも調べられます。
塗料の性質や期待耐用年数、そして塗装に向く時期などのこと。
しかし、どれも現場からの視点でみると少し実情とずれているものがあります。

調べる時は、インターネットだけを信じるのではなく、是非この道のプロである私たちにも聞いて下さい。
現場の経験などを加味して最良の方法をお伝えします。

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それらを踏まえて、お客様のベストな工事方法を選んで下さい。
工事のすべてにおいて、お客様に選択権があります。
ネット上のデータだけに惑わされることなく、判断ができるようお手伝いが出来れば幸いです。

見積りで大切なのはお客様宅を把握すること。ご要望をうかがい図面を精査し、最適な工事を提案します。高い技術とサービスをご納得いただけるよう、いつも心がけています。施工管理技士でもあります。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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