実際には使えない保証書という紙切れ

塗装工事に、塗装後10年以内の不都合は無償で直します、といった保証がついていると、安心だと感じるかもしれません。
ところがこの保証は、大きく誤解されているところがあり、注意が必要です。

例えば10年保証に魅力を感じ工事をしたものの、2年でヒビが再発し、業者に電話を入れたところ、すでに会社はつぶれてなかったという話があります。

保証はあくまでも書面上の約束です。会社がなくなれば紙切れになります。

外壁塗装の保証・保険

ほかにも注意しなければならない点があります。

仮に10年保証がついていたとします。
工事完成から3年後に木部の塗膜がはがれてきた場合、そのままでは、雨水を吸ってやがて腐ってしまいます。当然、そこで保証がついているので無償で修理してもらえると考えますが、残念ながらそれは保証対象外です。なぜなら、10年の保証は外壁のみに適用する保証だからです。

では、外壁にひびが発生したときはどうでしょう。残念ながらこれも保証対象外の場合があります。

ヒビは家の構造、地盤、道路工事、地震などの影響も受けやすく、たとえ塗膜の完成が不十分でヒビが再発しても、その原因がわからないので、ヒビの保証は対象外にされることもあるということです。結局、保証対象となるのは「外壁の塗膜のハガレのみ」なのです。

ところが、カベから塗膜がはがれることはまずありません。一度近所の家を見回してください。

木部や鉄部の塗膜がはがれているところは見かけても、外壁から塗装がはがれているところはまず見当たらないでしょう。木部、鉄部の長期間の保証をしている業者さんが少ないのはそのためです。

ちなみに私たちの場合は、基本的に外壁10年、鉄、木は4年の保証です。もちろん、よほどほかに明らかな原因がない以上、ひびの保証もつけています。保証を重視する場合は、塗装の質がでやすい木部・鉄部に注目したほうが何倍もいいのです。

このように「何かあったときの保証」より「何も起きないという納得」という意味で、保証にこだわるより、作業を噛み砕いて説明をしてもらったほうが、安心できるかもしれません。完成してしまうと工事の品質を確かめることはほぼ不可能なので、できるだけ作業の経過ごとに説明や確認を受けて、自分を納得させるということも大切です。

それでも、的外れな説明を受けても意味がないので「工事の核心となる作業」について説明をしてもらうようにしましょう。
そのチェックポイントをまとめてみました。

作業経過における、7つのチェックポイント

  1. 塗料の種類 (見積もり・契約書の記載どおりか?)
  2. 必要缶数(見積もり・契約書の記載どおりか? 缶数の根拠は?)
  3. うすめ方(1缶に対して、およそ何%の水を入れているのか?)
  4. 下地調整(木・鉄部に、研磨がされているか?)
  5. 下・中・上塗りのそれぞれの説明確認
  6. 色の変化による下塗りと上塗りの重ね塗り(木・鉄部)
  7. 数量使用の空き缶の確認

 
現実には説明を求めない限り、業者側からここまできちんとした説明や確認をさせてくれる事は少ないです。
でも、消費者は知っていて損はありません。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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