もくじ
住宅密集地の塗装工事ではお隣との境界が狭いため、何かと気になることがあります。工事に関してお隣に迷惑をかけたくないというのが誰もが思うところではないでしょうか?
そのお家にとってみれば一大事業なので、近隣の家への影響もそれなりになります。ましてや塗装工事なので足場工事やペンキが飛ぶなどの心配事が出てくるかもしれません。
お隣との境界線トラブルや、都心にありがちな家と家の隙間が狭いこと、においなど塗装中の近隣からのクレームなど……。
いざ工事をする際、何も知らないよりかは知っておいた方が良いトラブルになりやすい情報をお伝えします。一級塗装技能士であり、なおかつ現場を数多くこなしているからこそお答えできる数々。是非動画も合わせてご覧下さい。
まずは工事前に起きるトラブルです。
境界がせまく自分の敷地に足場が立てられない、でもお隣の敷地に足場を組みたいが仲が良くない…
都心部では家が密接して建っていることが多く、いざ外壁の塗装をしようと思っても、敷地面積いっぱいに家が建っているためお客様の敷地には足場が組みづらいという場合があります。
時々お客様からの相談でも聞くことがあります。
通常であれば、工事前のあいさつ時にお隣に足場を組ませて頂けないかお伺いをして、ご了承を頂いてからお隣の敷地に足場を組ませて頂くのですが、お隣とは仲が良くなく交流がないなどさまざまな理由でそれが難しい場合も。(※画像はイメージです。)
こうしたお願いやご挨拶は、基本塗装会社の人間が行うので、交渉などもお任せいただければと思うのですが、それでも本当に稀ですが様々な理由で許可を頂けない時があります。
その場合は、「空中越境」という方法で足場を建てます。
建物に沿うように敷地内ギリギリに足場を建て、頭が当たらない程度のところから、空中にせり出すような形で足場を組み、作業するためのスペースを確保します。
※空中越境の写真がないためイメージしやすいよう写真を加工しています。
この場合、1階部分は敷地内に足場の縦のパイプを外壁スレスレに建てているため塗装作業ができませんので、全ての足場を外した後にその狭い敷地内に体を入れて塗装作業をします。
最近ではご近所づきあいというものが薄くなりつつあり、私の知り合いなどもお隣と話したことが無い…などという場合もあるようです。
仲が悪いというわけではないけれど、お隣に迷惑を掛けたくないなどの理由から、こうした空中越境の足場を組む場合もあります。
ですので敷地が無いからと塗装をあきらめず、まずは相談してみて下さい。
またその逆のパータンですが、お隣との仲やお付き合いが良いがために一緒に塗装工事をするということもあります。
ちなみにお隣との関係は良好なもののただ敷地内が狭いというだけの場合は、空中越境などせずに普通に足場を組みます。
足場板を設置するまでの広さがない場合は、単管パイプ2本の抱き合わせの上で塗装作業を行ったりもします。
こちらの現場の時は、体はすり抜けられるように作業ができるもののヘルメットだけが通らず、縦の単管をまたいで移動する際は、一度一番上の高さまで登り横移動してから足場を降りて作業するということもありました。
さらに狭いだけでなく地域によってはまだプロパンガスというところもあり、外壁際に設置しているため手も入らずに苦労するときがありますが、今まで作業できなかったことはほぼないのでぜひご相談いただければと思います。
この動画のように職人さえ通ることができれば、奥から順繰りにローラーをかけて丁寧に塗装作業することが出来ます。
植物に塗料が付いてしまった・・
外壁の周りに鉢植えを置いている、植物を地面に植えてらっしゃる…こうしたお宅はよくあります。
なんとか避けて作業をしたいところなのですが、どうしても家の周りを何周も何周もぐるぐると歩きまわりながらの作業になるので、踏まないようにすることがほぼ不可能です。
また植物にペンキがかかってしまう場合も…。
この場合は、鉢植えは塗装業者がお客様ご指定の場所に移動させて頂きますが、植えてある植物などは移植するなどして移動をお客様にお願いしています。
塗装工事中に、お隣の車に塗料がついてしまった!
作業中一番困るのが、お隣の車へ飛沫した塗料がつくことです。
駐車スペースの場所次第では、車が接近している場合もあります。
もちろん付いてしまった場合は、できる限り原状回復をしますが、まずは付かないように事前に手立てを考えます。
通常であれば、塗装の前お隣にご挨拶に伺った際に、車の移動をお願いさせて頂くのですが、敷地内の移動が難しい場合は、近所のコインパーキングに塗装会社の料金負担で移動して頂く場合もあります。
それが難しい場合は車にカバーを掛けさせて頂きます。
もちろんこうしたカバーの作業も塗装会社が行います。
ただまれに「カバーも嫌だ!」と言われる場合があり、そんな時は極力塗料などが飛ばないよう、通常のメッシュシートではなく防水性のあるブルーシートなどを足場に張り、塗装作業をします。
足場作業中に車にキズをつけてしまった!
お隣の関係が良好で敷地内などに入って作業の許可をもらっている場合などでも特に足場作業は気になるところです。
頑丈な部材で出来た足場材がもし車などに接触させてしまったら一発で傷がついてしまいます。
この工事がきっかけでお隣との関係性がぎくしゃくしてしまわないためにも、またお隣ということにも関わらず、境界付近にあるフェンス、室外機などの写真を撮っておくのもいいと思います。
例えば、元々キズや欠損などが無いにも関わらず、工事後にキズが付いていたということがわかれば塗装業者に損害の請求ができますが、写真がない場合でもし誠意のない悪徳な業者だった場合は突っ放されてしまう場合も無きにしも非ずです。
ただ一般には業者であれば工事損害保険に入っている場合が多いと思うので、交渉もしやすいのかと思います。
逆に業者の方も元々あったキズなのに工事後にキズが付いたことを施主や隣人に指摘されてしまったという誤解も中にはあるため、大体は工事前や現地調査などで写真を撮っている場合もあります。
高圧洗浄で汚れを落とす日にも関わらずお隣に洗濯物が干してある
塗装をする前に、下地調整の高圧洗浄で屋根や外壁を洗浄するのですが、かなり水しぶきが飛びます。
通常はメッシュシートの幕を家の周りに張り巡らして水の飛び散りを軽減させますが、洗濯物が干してある場合はやはりブルーシートで覆い、洗濯物に汚れた水が飛ばないように細心の注意を払うことが必要です。
このブルーシート、一見すると防水性があり塗料も水も通さないので優れもののように思うのですが、通気性がありません。
そのため、風が通らず…張ると風に吹くたびにバサバサと大きな音がでます。
ですので、ブルーシートを使うときは出来るだけ素早く作業をし、すぐに通常のメッシュシートに変えるようにしています。
塗装や防水などの技術的なトラブルに関してはこちらの動画でも見れます。
まとめ
以上塗装をする前と、お隣に迷惑をかけてしまう可能性のあるトラブルについて、対処法を含めてお話し致しました。
塗装について、ここで紹介しましたようなお悩みなどはこちらのトソQでも相談できます。
資格を持ち長年塗装業をしている会社であれば、何かしらの手立てを考え、お客様に最適な塗装方法をご提示できると思います。
【参考情報・Yahoo!知恵袋】
・隣家の敷地に足場が越境
・業者が我が家の敷地に足場を立てたい
・駐車場の車にペンキが付着