三階建てのRC鉄筋コンクリート住宅の塗装と防水工事。
前回の塗装の状態が良くなく、部分的な塗膜の剥離が見られました。
現場は横浜市港南区。
鉄筋の爆裂や膨張。
微弾性フィラーを厚めに塗布して、屋上防水はトップコートだけの仕上げ。
三階付近の窓周りから雨漏りとのことで、コーキング処理も。
- 施工前
- 施工後
3階建てのRC鉄筋コンクリートづくりの住宅です。
築年数も経過していますが、前回の塗装具合が良くなく、おそらく下地調整や下塗りの段階での不具合が原因で、部分的に塗膜の剥離が見られました。
鉄筋の爆裂も数か所あり、鉄筋がモルタル外壁表面の表層近くに見られるなど、住宅自体の作りも疑問に思いました。
モルタルの補修はこちらでも詳しく解説しています。
塗装は爆裂補修、塗膜剥離を得て、微弾性フィラーを厚めに塗布しながらセラミックシリコンの3層塗装で仕上げました。
1階屋上の防水は、トップのみを塗りかえれば耐久性はまだ持続すると判断したので、トップコートだけの仕上げにしました。
3階付近の窓周りから雨もりが時々するということで、その付近のコーキング処理も同時に行いました。
作業風景
- モルタル外壁です。鉄筋が見えます。すでにさびています。
- これも鉄筋がさびて膨張して、表面の塗膜を押し上げてしまっています。いわゆる爆裂現象です。打音検査などによって丹念に調べる必要があります。
- 塗膜が浮いている個所がいくつもあり、高圧洗浄の時にできるだけ剥離除去しました。カワスキでも剥離しましたがやればやるだけはがれてしまいました。推測するも下塗りの密着性に何らかの問題があったと思われます。
- 小さい剥離でも、高圧のジェット水流を噴射していくと、次々にはがれてやがてとても大きな面積の塗膜剥離となります。赤く見える部分がはがれた場所です。
- 完全な爆裂現象です。外壁表面のごく数ミリの内側に鉄筋があります。通常はもっと奥に鉄筋があります
- 洗浄で弱くなった旧塗膜をはがしたところです。この部分は住宅の一番上の場所で、アクセントのためもともと仕上げが赤っぽい色のため、剥離した場所は本当のモルタル部分まで達していました。
- 高圧洗浄、旧塗膜除去の後は養生です。
- 隙間なく丁寧に養生をしていきます
- 塗装職人の看板シートです。足場の一番上に掛かっています。
- 住宅の外観です。看板シートが小さいため、家自体が大きく高いと目立ちませんね。
- 下塗りです。肉厚の付くフィラーというものを塗布しています。極端に下地が悪いところはこの下にシーラーを塗布します。
- ローラーにたっぷりと塗料をつけて転がしていきます。凹凸の割とない壁でしたので、塗りやすかったです。
- ベランダ部分はガラス張りです。養生をする面積も大きいものになりました。
- 全面に下塗りの塗り替え完了です。
- これが塗装前のパラペット外側の外壁の様子です。
- こちらが塗り替え完了です。塗膜がはがれた場所は、その周りとの模様が違います。周りの模様と合わすためには、吹きつけをするかローラーでパターン付けするかの2通りありますが、今回はローラーで模様付けできました。
- 左が下塗り、右が中塗りのセラミックシリコンです。
- 中塗り真っ最中です。軒天も外壁と同じくコンクリートのため、同じ材料で塗り替えていきます。上からも塗料が飛んでくるため、ヤッケにて体への飛散防止のため頭からすっぽりかぶっています。
- 鉄筋コンクリート住宅のため、壁自体の表面は塗りやすいのですが、梁なども多く家自体の凸凹も多いため、角々で一筋縄にはいきませんね。
- 材料を置いているネタ場です。いろいろな塗料が置いてあります。
- 外装の塗り替えが終わった後は、鉄部の塗装です。赤く見えていますが、これはさび止めを事前に塗っていました。
- こちらは雨戸。やはり事前に赤錆びのさび止めを下塗りしています。
- 車庫シャッターです。クリーム系の塗料を色合わせの確認のため、試し塗りをしています。ちなみにすでにグレーのエポキシ系さび止めは塗っている状態です。
- お客さんに出てきてもらい、色の打ち合わせ中ですね。
- 外装周りの塗り替えが済んだので、養生をはがしました。
- 雨戸です。周りはアルミのためマスキングテープでペンキがつかないよう養生をしています。
- こげ茶色のセラミックシリコンで中塗りをしていきます。格子は裏が肝心です。家の中から塗りせてもらうときもありますが、キッチンなどの窓も多いため、中から塗れないときは外から慎重に塗装していきます。
- 薄緑で塗装です。フラットな部分が多いので刷毛目やローラーマークが残らないようにキレイに塗り替えていきます。
- 結局シャッターはグレーの色になりました。やっぱり車庫はこんな感じですよね。
- 雨戸の仕上がりです。
- 防水の材料です。トップコートの材料ですね。アトレーヌのUトップという2液タイプのトップコート材を塗布しました。
- 足場のペースもジャッキアップして塗布していきます。ちなみにプライマーも事前に塗布していますよ。
- トップコート完了です。
- 外壁の完成です。セラミックシリコン長持ちすることに願いを込めて・・
- 外壁の下、基礎周りにも手を入れました。塗料はシリコンフッ素の水性シリコン浸透ガードです。水性と思って侮ってはいけません。とっても高価な塗料で汚れに対して高性能なのです。
- ご主人です。笑顔満載でとらせていただきました。
【参照動画】鉄筋がむき出したマンション外壁の爆裂補修
仕様
【建物状況】
RC鉄筋コンクリート住宅モルタル外壁、塗料・防水材料、外壁水性シリコン厚膜シーラー、セラミックシリコン外壁塗装、ベランダ防水トップコート
【詳細】
足場組み立て・解体:296㎡、飛散防止用メッシュシート張り:296㎡、高圧洗浄:263㎡、養生:153㎡、下地処理(塗膜剥離及びシーリングプライマ):1式、下塗り塗料水性シリコン厚膜シーラー:6缶、中塗り塗料水性DANシリコンセラ:6缶、上塗り塗料水性DANシリコンセラ:6缶、外壁施工費(下塗り・中塗り・上塗り):162㎡、破風板:23㎡、軒裏:35㎡、雨戸:7枚、雨どい:18m、鉄格子:6箇所、車庫シャッター・ボックス・縁石プレート:1式、1階屋上高圧洗浄:44㎡、1階屋上防水プライマー下塗り:44㎡、1階屋上防水トップコート:44㎡
施工日:2005年11月 ※過去の掘り起こし工事でした。