高いブロック塀を低くする 改修・塗装工事

外壁や屋根の塗装工事と増築をする際に、せっかく家が綺麗になるのだからと、塀の改修を合わせてご検討になるお客様がいらっしゃいます。
塀をただ綺麗に塗装するだけのご依頼もありますが、ブロック塀のお宅などの場合は改修工事をお考えになるお客様も。

今回はそんなブロック塀の改修工事と塗装についてお話し致します。

ブロック塀を3段分解体する

こちらのお宅のブロック塀は、もともと9段ありました。
その高さから、地震などの際に倒れないか心配されていました。

また今回は、外壁の塗装工事のご依頼をいただきましたので、ブロック塀も一緒に綺麗にしたいとの思いもあったのだとか。
そこで、まずはブロック塀の改修工事から行いました。

集塵機と呼ばれる掃除機のような機械の先に丸鋸をつけ、ブロック塀を切っていきます。
ブロック塀の切断は、煙のように粉が舞いますので集塵機なしでは解体できません。

もし、集塵機を使わないとお客様宅だけではなく、近隣の住民の方にも迷惑をかけてしまいます。
上3段を取って、空いたスペースにはフェンスを取り付けます。

ちなみに作業時に地面にブルーシートを敷いているのは、下が土なので粉や細かい石などが舞った際に汚れてしまうため、カバーしているのです。
ブロック塀から取り除いた3段分のガレキは、処理施設まで運びます。

主な利用先は、舗装道路の下地や駐車場などに敷き詰められている砂利などで、ブロックの残骸も無駄にはなりません。(注:処理施設によっては、塗装されたブロック塀などは再生する際に色がついてしまうため、持ち込み禁止になっている所もあります。)

ガレキの処理が済んだら、ブロック塀の取り外しが完了です。

ここで粉砕されたブロック塀は、砕石となってリユースされることに。

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ブロック塀にフェンスを取り付ける

次に、ブロック塀の切断面をモルタルで綺麗に化粧したら、ブロックに開いた穴を利用してフェンスの取り付けをします。
ブロックにはもともと穴が3箇所空いているのですが、ブロック塀を作る際に鉄筋を入れ、モルタルで満たされます。
そこで、鉄筋を切断しフェンスの柱が入る位に穴を空けました。

フェンスの高さは通常60㎝からとなっており、それ以降は20㎝ずつ高さを伸ばすことが可能です。
これは、ブロックの規格が20㎝×40㎝なので、それと関係しているのではないかと僕は考えています。

ブロックを一段減らすごとに、フェンスを伸ばすことができます。
今回は、基本サイズである高さ60㎝のフェンスの取り付けをします。
なぜなら、ブロック塀の上にあまり高い高さのフェンスをつけると、風で煽られた際にフェンスが煽られ、ブロック塀ごと倒壊してしまうことがあるからです

取り付け方法としては、まずブロックに目安となる糸を張りクランプで固定します。さらに、水平器などで平衡を保ち、その後フェンスの柱をブロック塀の穴の中に埋め込みを。

ブロックの高さを同じくらい20㎝ほど柱をブロックの中に埋めるのですが、この時一緒に流し込むモルタルは水が少なめのものを使います。水分の多いモルタルは、固まるのが遅いため柱を固定させるのに時間がかかってしまうのです。

また時間がかかってしまうと、それだけ柱にゆがみが出てしまう可能性も。そのため、翌日にはしっかりと固定をして真っ直ぐに取りつけるために水分を少なくする必要があるのです。

柱の根元が固まったら、フェンスをパネルのようにはめて完成となります。(実際のフェンスはめ込みは、塗装後です)

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ブロック塀の塗装

フェンスが完成したら、ブロック塀を塗装します。
実のところ、ブロック塀の塗装は業者としてはオススメできません。
理由は、ブロック塀は土の上に直接乗っているため、湿気を吸い上げてしまうのです。
そのため、ブロック塀の表面を塗装したとしても塗膜とブロックの間に湿気が入り込み、塗膜が剥がれやすくなってしまいます。

今回もお客様にそうした状態をお話し、その上で『せっかく家を綺麗にするのだから、塀も綺麗にしたい』とリクエストを頂きましたので、今回は施工させて頂くことになりました。
もちろん、環境によってはそこまで湿気が上がらず塗装が剥がれない場合もありますが、あくまでもまれなことです。

そのため今回も、湿気のことを考慮して工夫をしてみました。
工夫の一つが、ブロック塀の片面塗装です。

表通りから見える表面だけ塗装し、裏側はあえて塗装しません。
そうすることで、湿気が裏面から抜けるようにするのです。
また下塗り剤には、樹脂モルタルなどの一種であるカチオンタイトを選び、塗料の密着がより強いものを使用しました。

上塗りは、当初建物に使用したものをここでも利用できれば…と思ったのですが、弾性塗料にしたので、同じメーカーで別の塗料を使用することに。
弾性塗料は、モルタル壁などに使用し、クラックなどをラップのように覆う効果があるのですが、湿気を外壁よりも多く含むブロック塀の場合は、通気性が少ないためあまり向きません。
そこで、同じメーカーの弾性でない「premiumシリコン」を使用することに。

塀の塗装ではありますが、状態をしっかりと把握して最適の塗装を致します。
これで、フェンスの改修・塗装工事は終了です。

外壁塗装に合わせて様々な追加工事

今回のお客様は、家全体の塗装工事と増築、そして塀の改修・塗装工事をご希望でした。(増築の話はまた次回のブログでしたいと思います)
このように、弊社では塗装工事と一緒に様々な工事をお請けすることが可能です。
ブロック塀の改修工事からも分かるように、小さな箇所だとしてもその箇所に最適な工事を致します。
何か家のことでお困り事がありましたら、塗装工事の際にご相談下さい。

今年も一年、お世話になりました。
来年も塗装職人を宜しくお願い致します。

 

建築施工主任 家のことを何でも出来るようにと、20代の時に長野県の木造建築の親方に弟子入りして大工の道へ進む。30代の時にはキャパシティを拡げるために農業や造園業にも従事。造園業では外構工事も多く手掛け、家に関するエキスパートとして活躍。見えるところだけではなく見えないところも手を抜かずにやるのがモットー。妻と子供2人の 4人家族。

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