今回は9年前に外壁塗装をさせて頂いたお客様宅から
「屋根の状態が気になっているのだけど、屋根に登ることができず…一度見てもらえないでしょうか…」
とご相談があり、新年のご挨拶も兼ねて伺って参りました。
年末はバタバタしていてお伺いすることができず、年明け早々だったのですがドローンを飛ばして屋根上を確認することにしました。
弊社では、一級塗装技能士でもあり塗装指導員でもある職人の原本が「無人航空機の飛行に係る許可・承認書」を取得しているので、安全に撮影用のドローン飛ばすことができます。
東京航空局からこの承認書は降りるのですが、3か月ごとにフライト記録を出すなど、厳粛な決まりがあります。
職人の原本は、ドローンの操縦士である前に一級塗装技能士でもあるので、撮影する箇所もよく心得ています。
これまでは屋根上を見る場合、法律で安易に人が屋根上に登ることは禁止されていますので、2階から屋根をのぞいたり、梯子をかけてのぞき込んだりしていました。でも屋根をのぞくための梯子をかけようにも、お隣との境界が狭く、梯子が掛けられない場合なども最近のお宅ではよくあります。
その場合は数万~数十万ほどのお金をかけて足場を組んで屋根上の状態を確認していました。
でも、ドローンを飛ばすことができるようになったことで、梯子や足場を組むことなく屋根の上を隅々まで見ることができます。
もちろんドローンにも不可能なことはあるのですが、それでもドローンで屋根上を確認することで、屋根の状態を把握し、より正確なお見積りを出すことが可能になりました。
ドローンは風が吹いたり、雨が降ったりすると飛ばすことができないので、タイミングによっては飛ばすことができないこともあるのですが、今回はお客様宅で飛ばすことができました。
ドローンでの撮影は、基本ムービーです。そのムービーの中から重要な箇所をピックアップして、キャプチャ(静止画として保存すること)したものを写真としてお渡ししております。
今回のお客様のお宅の屋根は、パラペットと呼ばれる、屋根の周りにぐるりと張り巡らされた低い壁のあるタイプでした。(職人の間では、通称「鉢巻」とも呼ばれています)
ご主人様が心配された通り、鉄板でできたパラペット部分に腐食して穴が数か所開いていました。
通常こうした鉄部や、木でできた木部は2~3年おきか、4~5年おきの塗装をおすすめしたいところなのですが、現実問題としてそんなに頻繁に足場を組んで工事するわけにはいかず、10年おきくらいに塗装をされるのが一般的となっています。
このパラペット、屋根や家本体とは直接関係はないので、腐食して穴が開いたからといって雨漏りなどの直接的な原因にはならないのですが、錆は進行するので、穴やパラペットの中の腐食が広がり、昨年の台風19号のような大きな台風などがありますと、パラペット部分が飛んでしまったりする危険も。
ですので、できるだけ早い段階で補修をし、水などが侵入しないように塗装をする必要があります。
今回、目視のチェックではなく、ドローンで詳細にチェックしたことにより、お客様の家の状態にあった見積もりをすることが可能となりました。
ドローンは、屋根上以外にも、3階建てのお宅の高い部分の壁面や、お隣と隣接していることでのぞけない壁なども見ることが可能です。
もちろんドローンを飛ばす前には、事前に告知をさせて頂き、安全や隣近所の方にも配慮させて頂いております。
業界として、ドローンでの屋根上チェックが浸透してきたからこそ、塗装職人では職人の技術も合わせて、より良い塗装のために、こうした技術も磨いていければと考えています。
家は1階よりも2階、2階よりも3階のほうが、雨や太陽にさらされる度合いが上がる分傷みは激しくなります。家の真上などは、なかなか目視ができないからこそ、こうした技術もこれからの塗装には必要だと菊池は考えます。
もし、ご自宅の屋根が気になる方がいらっしゃいましたら、「ドローン診断」のお問合せ下さい。
今後も様々な新しいものを取り入れ、より進化した外壁塗装ができるよう研鑽して参ります。
原本職人が一級塗装技能士の試験練習の講師をしている様子です。