もくじ
本日のブログで1階が店舗、2階が戸建て住居の全面補修塗装工事のご紹介は最後となります。
これまで、下地処理、補修工事、防水工事、塗装工事など多岐にわたってご紹介して参りました。
そんなこちらのお客様宅も、いよいよ仕上げです。
今回は、仕上げの際に塗装職人が行ったことを、一部ご紹介したいと思います。
雨漏りの疑いがある箇所の塗装工事
まずご紹介するのは、2階に続く階段裏です。
ここは、雨漏りの疑いがありました。
鉄階段の裏に雨水が流れ込み、それ故に階段裏に雨が染み出ている状態だったのです。
この雨漏りは、2階部分の床面防水や、雨水の流れ、そして階段の防水を施さないことには、現状が良くなることは無いと判断し、職人と話し合いの上で、作業の順番を入れ替えました。
通常であれば、大工工事をしてから防水工事、塗装工事と行いますが、あえて防水工事をしっかりと行い雨が流れ込む原因を絶ってから、大工工事、塗装仕上げの順番で工事をしたのです。
この工事順番の入れ替えは、行わない業者さんもいらっしゃいます。なぜなら、通常の工事費用では人工代として大工が1回現場に入る分しか計上されていないからです。
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多少、塗装や防水と前後することがあったとしても、大工が入った際に必要な工事を全て行えば、何度も現場に来ることなく人工代も大工の手間も減ります。
ですので、安い工事費で請け負った場合などは、人工代を1番に削りますので、大工が何度も現場に来るということができません。
しかし、今回の階段裏については大工工事よりも前に防水工事をしなければならないため、階段裏以外の建物全体の大工工事を先にしてもらい、後日階段裏部分に関しては防水工事の後に再度大工の職人を再度招集し、補修工事をしました。
こうして雨漏り補修などの大工工事が終わったことで、塗装工事へと至ったのです。
もちろん本来であれば大工工事→防水工事→塗装工事という流れですから、防水工事の後に大工工事が入ることによって、塗装班にも待ちが発生します。
しかし、この順番を変えて雨漏り原因を無くし補修することで、5年後の階段の状況が大きく変わるのです。
たかだか見積もりに書いてあった工事の順番を入れ替えて、1度しか来ないで良かった大工に、二度現場に足を運んでもらったにすぎませんが、ちょっとした手間で塗装の仕上がりに差が出ます。
安い工事は、少なめの人工代や材料代で工事費を計算しているため、いざ現場に入って手間をかけた方が良い箇所があったとしても、こうした細やかな作業はできません。
できるだけ一斉に工事を行い、多少荒くても短期間で人工代をかけることなく工事を行います。
ここが、弊社とその他業者との値段差でもあるのです。
そして最終的にこの値段の差が、雨漏り補修をしたはずの箇所から、再度雨漏りを引き起こす要因となることがあります。
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シャッターの磨き工事と細部の磨き
次に行ったのは、シャッターの磨きです。
今回、お客様からシャッターの塗装もご依頼をうけましたので、コーティング後に磨きを行いました。
その際に、雨樋も同じ金属素材で出来ておりましたので、ご依頼にはなかったのですがこちらも磨くことに。
あくまでも、こちらは弊社からのサービスですので特にお客様にアピールすることではないのですが、最近ではこうしたサービスをするのもはばかられることがあります。
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契約内容だけでは全てを網羅できない補修塗装工事
今回ブログで10回に渡り改修工事のご紹介をさせて頂きましたお客様は、弊社にいろいろとお任せ下さり、話し合いやお打ち合わせなども綿密にさせて頂きましたので、こうした依頼内容プラスの工事を、ところどころに入れることができました。
しかし、こうしたサービスをしようにもはばかられる時があるのです。
それはネットで塗装工事のトラブル情報があふれかえったことで、それらに危機を感じたお客様が権利や契約に必要以上に拘るようになったことと関係があります。
もちろん、契約内容は大切です。
しかし、塗装工事や補修工事というのは蓋を開けてみないと判断できないことが沢山あります。
ですので、全ての工事の内容が「ここが違う、あそこが違う」と言われてしまうと契約内容以外の工事ができなくなってしまうのです。
先ほど紹介しました、階段の工事内容を入れ替えたこともそうですし、アルミの雨樋の磨きすらもできなくなってしまいます。
もちろん、変更前にはお客様にご報告致しますし、些末な箇所についてはお客様からご質問があればいくらでもお答えは可能です。
しかし、最初から私たち業者を『騙す相手』として見ていらっしゃる方の場合、工事の内容をご説明させて頂いても、ご理解頂くことができません。
そうなってしまいますと、もう契約以上のことは一切できないのです。
家というのは、木と金属と樹脂製品、油や水という、本来であれば容易に結びつかないものをどうにかおさめて『家』という形にしています。
だからこそ、年数が経つにつれ、さまざまな箇所に不具合やトラブルが出てくるのです。
こうしたトラブルにフレキシブルに対応するためには、契約内容だけではない現場の判断が非常に重要となります。
だからこそ、お客様にはきちんと工事内容を正面から捉えて頂き、ご相談した上でご契約をして頂きたいのです。
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軒天の補修と塗装
こちらも階段裏と同じく、防水工事後に大工の職人が入り、最後に塗装をしました。
1階の店舗前にありました軒天は、天井が割れていたので雨漏りを疑ったのですが・・・詳しく見たところ看板か何かを付ける際に、過って割ってしまい穴が空いていたようです。
ですので、雨漏りなどはなく補修をして塞ぐことにしました。
このように、一見雨漏りに見えてもはずれることはあります。
雨漏りはあきらかなものもありますが、ほとんどの場合壁の内側に原因があるため、現場調査を行ったとしても、外から眺めただけではわかりません。
現場調査で分からないものは、見積もりに乗せられませんし、かといって見積もりにのっていないからと雨漏り工事を放り出すわけにはいかないのです。
今回のお客様宅では、2箇所雨漏りの疑いがあり、1箇所は雨漏りを止めることに成功し、もう1箇所は雨漏りでないことを明らかにしました。
どちらも見積もりには載せていませんが、穴の空いていた箇所は丁寧に補修をして工事は終了です。
きめ細かい工事の結果が見えるのは数年後
先日、隣の家同士で見積もりを取り片方のお客様は弊社と契約をし、もう片方のお客様は他社さんと契約をしたという案件がありました。
お隣の方が1ヶ月ほど早く工事が終了していたのですが、工事が終わる際に足場解体などもありましたのでご挨拶に伺ったのです。
その際に、ふと外壁を見ると、すでにシール部分の塗装にひび割れが起こっていました。
とはいえ、今更こちらのお客様にこの事実を言っても、後の祭りです。
仕方ないので、黙っていることにしました。
お隣同士の家なので、きっと数年後にはお互いの家を見比べる時もあるでしょう。
よくあることなのですが、現場調査に伺った家の壁に、釘打ちの跡が多くついていることがあります。
これは釘打ち用の鉄砲の跡なのですが、スピード重視で早く強く打ったためにこのような跡が付いたのでしょう。
弊社の大工職人は、鉄砲跡が付かぬように丁寧に打ちます。
最終的にはハンマーもあわせて、できるだけ家に負荷をかけないようにするためです。
早く強く打つということは、それだけ家に負荷がかかり、ひび割れの原因になることも。
だからこそ、そうした小さい箇所に丁寧さを発揮します。
工事をする上で一番大事なことは、これ以上家を壊さないことです。
そして的確に補修をし、この後も家を持たせることが目的となります。
家は、人生で一番大きな買い物です。
どうか、家の補修工事で費用のお得感に走らないで下さい。
少しでも安くお得に・・・と思った結果が、スピード重視の工事となり、工事全体が荒くなります。
相見積もりを取るのは良いことだと思います。
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セカンドオピニオンは、大切だからです。業者も人間ですので、お客様とのフィーリングや相性はあります。
しかし、見積もりを比べる際は値段ではなく内容を比較して下さい。
値段だけを見てしまうことは、非常に危ういことです。
工程の順番を変えたり、シャッターを磨くついでに雨樋を磨いたり・・こうしたお客様に寄り添った工事は、きちんとした適正価格の上で成り立ちます。
今回のお客様は、しっかりと工事に向き合って頂けたのでさまざまな手を尽くすことができました。
これからもお客様に寄り添った工事をするために、是非相見積もりの際には、工事費用ではなく工事内容に着目して下さい。
それが、仕上げ時にも力を尽くすことができる工事になるのですから。
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