もろくなった屋根でも大丈夫 カバー工法と板金工事

以前から書いておりますお客様宅工事について、今回はこちらのブログでお話しします。

こちらの家の屋根は、いわゆるノンアスベストの屋根だったため、屋根材自体がもろくなっていました。
そんなもろくなった屋根の補修塗装方法と屋根周りの工事などについて、このブログではお話しいたします。

塗装できない屋根 カバー工法について

少し前のノンアスベスト屋根材というのは、アスベストが使われていた時代の旧屋根材に比べてもろくなっています。パミール屋根などでよくある症状ですが、屋根を葺いてから数年経ちますと、1枚だった屋根板が何層にも別れミルフィーユ状になってしまい、パリパリと割れやすくなるのです。

そのため屋根を補修する方法としては、葺き替え工事かカバー工法の二択となります。

ノンアスベスト屋根ではパミールのほかに塗装できない屋根材はいくつかあります。ただ生産時期によっては塗装できるものもあります。

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今回のお客様宅では、カバー工法をご選択なさいました。

カバー工法の利点は、元の屋根の上に被せて行う工事のため、屋根材を外さずにすみ、廃材があまりでないということです。
カバー工法は、事前準備として補修が必要な箇所は補修をし、屋根の上にある突起など金物だけ取りのぞきます。なぜなら、もともとあった屋根を下地にして新たな防水紙を敷くからです。
突起があると防水紙は破れてしまいます。

この場合、もともとの屋根材の下に敷いてある防水紙をそのままにするため、ある意味で、防水紙を2回貼ることとなり、防水面でも効果があがることに。これもまたカバー工法の利点の一つと言えるでしょう。
今回カバー工法に使用する屋根材は、FEROOFのスカイメタルルーフ。ストーンチップ鋼板の屋根材です。
チョコレートのようなくぼみ模様が入っていて、非常にオシャレな鋼板となります。

よくお客様から、もともとの屋根の上にさらに屋根材を乗せることで、屋根が重くなってしまうのでは…というご質問を頂きますが、屋根の重量としてはカバー工法された屋根よりも和瓦屋根の方が遙かに重く、またこれまでカバー工法の施工を行った家で、屋根の重みで倒れた…という話は聞いたことがありません。

カバー工法された屋根が吹き飛んだ事例も、僕が聞いた中では奄美大島で風速100メートルだった際の1軒だけです。

それくらい、カバー工法というのは屋根の補修方法として向いている工事だと言えるでしょう。

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カバー工法の手順

カバー工法の手順としては、写真をご覧ください。


まずは防水紙を敷き、その上にスカイメタルルーフを貼り付けていきます。
写真の屋根の下部分に移っている黒いコードの器具が丸鋸です。この丸鋸で鋼板を切ってサイズを合わせながら、重ねていきます。

釘打ちは、オレンジのコードやピンクのコードがついている機材、空気銃が中心です。
よく屋根工事をしている家のそばを通ると、パシュッパシュッと音がしますよね。
あの音は空気銃で釘を打っている音です。
空気銃で上手く釘が入らない時は、職人の腰に下げたハンマーで直接うちます。

屋根の上部分に立てかけてあるスカイメタルルーフを見ると、板の上部にツバがあることが分かりますでしょうか。


このツバ部分は、屋根と屋根を噛ませることで連結できるので、隙間無く屋根材が密着させることが可能です。
ここにさらに釘打ちをするため、通常の屋根材よりも屋根との密着性があがり、雨水などが入る量が減ります。
もちろん、雨が屋根の内側に入った時も考え、しっかりと水を排出する隙間の確保も忘れません。

また、写真の三角屋根部分の防水紙の端がピラピラとしているのを見て取れるかと思うのですが、防水紙→ケラバに雨水を排水させるための雨仕舞い金物を取り付け→屋根材を葺くことで、雨へ対策を採ります。
屋根施工の際に、一番大事なのは水道を塞がないことです。
水は、少量であれば屋根の内側に入ったとしても、ある程度外に抜けることで乾燥するので、問題はありません。

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〔スカイメタルルーフの施工動画〕

余談ですが、僕は普段雨漏りの工事をする際に、雨漏りの原因を1回目で全て塞ぐということはしません。
なぜなら、全て塞いでしまうと水の出口がなくなってしまい、逆にもっとひどい雨漏りを起こす場合があるからです。

一つ一つ確認をして注意深く時間をかけて塞ぐことで、雨漏りを止めることにつながります。
こうした知識が、カバー工法の際にも重要なのです。

傷んだ破風の工事は破風巻き

こちらの写真をご覧ください。破風部分の塗装が色あせ限界を迎えているのがお分かり頂けますでしょうか?ここまで傷んでしまった場合の工事方法についてお話し致します。

破風は塗装する場合と、破風巻きといって板金を巻き付ける方法があります。
破風の傷みがひどい場合は、塗装をしても塗ったところから剥げてしまうため、破風巻きをするのです。
お客様宅も、破風の塗装が限界に達していたため、今回はジンカリウム鋼板で破風巻きをしました。

 

上記の写真が破風巻きをした完成形です。
こちらの作業は、板金職人が行います。
傷んだ破風の上を板金で覆うと、破風本体の腐蝕がますます進むのでは…と考える人もいるでしょう。

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〔破風巻きについて、こちらで解説〕

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しかし破風巻きは、中にシーリング材を打って気密性を保ち、水が入らないようにしています。
腐蝕というのは、水と作用してどんどん進むため、水が入らなければ腐蝕が進むことはありません。
そして、多少の湿気であれば破風巻きした内側でも、水蒸気が外に逃げます。
破風巻きは、例えて言うならギブスのようなものです。
補強して、水分を入れないことで患部を固定します。

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〔ガルバリウム鋼板の破風巻きの動画〕

 

ちなみに、破風を工事している際に古いガラリー(軒下の換気口)が落ちてきたので、新しく軽いガラリーと交換をしました。

腰壁も板金職人が仕上げます

お客様宅は、店舗の陸屋根にあたる場所に家が建てられているため、家を囲む腰壁は外から見ると、お店の外壁と一体になっています。
そのため、お客様は非常に外観を気にされ腰壁のデザインを慎重に選ばれました。

今回はウッド調のもので施工することになり、もともと擁壁に張り巡らされているサイディングを剥がしていきます。

このサイディングですが、写真を見ると下の部分の色が、少し灰色になっているのが分かりますでしょうか?
これは、水切り部分に落ちた水が跳ね上がり、ボードが跳ねた水を吸い上げてしまいカビているのです。

ALCの中身というのは、この写真のようになっています。


壁の中には胴縁と呼ばれるサイディングボードを引っかけるための枠があり、下には水切りの金具があります。
水はねがしにくいように立ち上がっているのですが、もともとあったサイディングは水切りまでピッタリとくっつき隙間が無かったため、このように水を吸い上げてしまう結果となったのです。

今回はしっかりと、水切り部分から壁の中に入った水が排出されるように隙間をあけて仕上げました。
通常は壁の施工ですので、サイディングの職人が担当しますが、今回は水切りなどの金具もあることから、板金職人が担当をすることに。
弊社では、それぞれプロフェッショナルな専門の職人がそれぞれの箇所を担当することで、確実な塗装工事をしています。

ただ、もちろん今回のように板金の職人が仕事を兼ねることによって、良い工事になる場合もあります。
また雑工と呼ばれる職人の中には、本当にすべての技術に精通したオールラウンダーの職人もおり、職人の技量やその箇所にあった職人を適材適所することで、工事はより精度を高めていくのです。
私たち営業は、現場を見定めて信頼置ける職人達を配置することで、工事の完成度を高めます。

カバー工法や破風巻きなどの板金工事 プロだから安心できること

 

今回はカバー工法、腰壁のサイディングの貼り替え、破風巻き工事などについてご紹介しました。
屋根職人、板金職人の仕事についてフォーカスしましたが、いかがでしたでしょうか。


弊社は、全ての現場において鍛え抜かれたプロフェッショナルな職人が伺います。
ただ、工事をするだけではなく、屋根や壁などに入り込み雨漏りの原因となる水をどう逃がすかなど、そうしたことを考えるのも『良い工事』をするためには重要です。

またプロフェッショナルさは、技術はもちろんのこと、前準備なども関わります。
先日近隣の方から、工事中の屋根材が飛んできて自分の家の屋根に刺さった…という、クレームが入りました。大風などが吹いて、自然災害の一環などでは起こりうることですが、弊社の職人はそのような荒っぽい仕事はしません。
そこで、工事に入る前にあらゆる角度から撮った現場写真を検証しました。すると、その写真で工事を始める前からお隣の屋根に破片がささっているのを確認することができたのです。
そうした事実がはっきりしたことで、このクレームは事なきを得ました。
こうした、しっかりとした事前準備も、大切なプロフェッショナルの仕事といえます。

工事の際には、どうぞ安心してお任せ下さい。
お客様の意向にそった工事を、持てる技術をすべて注いで工事を致します。

 

 

 

若い時から大手の大規模改修工事に携わり、官公庁の仕事も多くこなしてきました。知識は当然のこと現場も正しい仕事ができて当たり前です。常にお客様の立場に回り物事を考えて行動しています。 漏水対策も得意分野で2人の子供を抱えて毎日仕事に励んでいます。防水施工技能士。

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