ここ最近、屋根の塗装やカバー工法などのご依頼が続いていますので、3件の事例を元に屋根塗装を考えるポイントについてご紹介いたします。

今回紹介するのは、金属屋根の一つである折板屋根の塗装工事についてと、スレート屋根を再塗装かカバー工法かを選択するポイントについてです。
金属屋根塗装をお考えのお客様は、ぜひ参考になさってください。
折板屋根の塗装
最初に、築26年の2階建てアパートの屋根塗装工事についてご紹介します。
相模原市にあるアパートで、13年前にも一度工事をさせていただいたリピーターさんからのご依頼です。
前回は、屋根と外壁を2回に分けて塗装工事をしました。
今回も13年前と同じく、今年は屋根塗装、来年もしくは2年後に外壁塗装の予定でお話を伺っています。
こちらは、NKハウスという製鉄会社のハウスメーカーによって建てられたアパートです。 そのため、屋根も鉄製の折板屋根ですので、鉄用の塗料を使います。

さらに屋根材(鉄製)をボルトとナットで締め上げているため、ボルトが屋根の上に出っ張って並んでいる状態です。
このボルト部分が錆びて傷んだりすると、その隙間から水が入るようになり、雨漏りにつながります。

このボルトには傷みを防ぐためにキャップがかぶせてあるのですが、今回現場調査の際にキャップを外したところ経年劣化からキャップの隙間から水が入り込み、ボルトが傷んでいました。
ボルトキャップの寿命は10年から15年ほどですので、13年前に塗装工事をしたことを考えると、交換する時期です。
そこで、屋根上に600個以上あるキャップ、ボルト、ナットをすべて取り替え、塗装をすることになりました。
ただし、実はこのボルトキャップはメーカーによってさまざまな種類があります。
キャップによってはシーリング材の入っているもの、入っていないものなどがあり、適当にかぶせていいわけではありません。
一度このキャップを取りはずしてメーカーに持ち込み、メンテナンス方法を聞いた上で、お客様に見積もりを出します。

また写真を見るとお分かりいただけると思いますが、パラペット部分の塗膜が剥がれ錆びていました。
剥がれている塗膜は剥離するのですが(『脆弱部の剥離』です)これから剥がれそうなところもすべて剥がし、ケレンをかけさびを落とします。
脆弱部の剥離をすることで、塗料の浮きを防ぎ、密着度をアップさせるのです。
今回弊社とは別に他社さんの大工工事が入っており、サイディングの張り替えや、雨樋の交換、パラペットのはちまき部分の一部取り替えなどを行っていました。
そのため、大工工事が入っている部分は塗装せず、屋根とパラペットの部分的な塗装となります。
ただ、足場を組まずに塗装をするため、パラペット部分の塗装は屋根から身を乗り出して塗装するか、梯子をかけての作業になります。
少し不安定な工事になるため、次回の外壁塗装の際に、足場を建てた上で一緒に行えないかご提案するつもりです。
事故が起らないように万全を期すのも、見積もり担当者の大事な役目となります。
ボルトなどをすべて交換したら、最後に下塗りに錆止め塗料、中塗り、上塗りと、鉄板塗装用の塗料で仕上げ完成です。
塗装職人では今回の屋根塗装のように、アパートなどのメンテナンスの場合、工事を分けて行うこともできます。できるだけ予算や計画に沿って、より満足度の高い工事ができるようにご提案するのが、塗装職人の塗装工事です。
スレート屋根の工事方法の選択ポイント
次にご紹介するのは、戸建てのスレート屋根の工事です。
戸建ては築10年を過ぎると、再塗装の時期になります。
今回横浜市内にお住まいのお客様2軒から、それぞれ見積もりのご依頼があったのですが、どちらもご自宅の築年数は17〜18年。
最初は屋根塗装でのご依頼でしたが、最終的にはカバー工法をすることになりました。理由は屋根材が2軒ともコロニアルNEOだったからです。
実は、屋根材には再塗装ができるものとできないものがあります。
パミールやコロニアルNEOは、再塗装ができない屋根材です。

この屋根材は数年でもろくなり、高圧洗浄しようと屋根上を歩いただけでパリパリと割れます。歩く先から割れるため、補修が間に合わず塗装工事ができません。
弊社では、そうした過去の事例からパミール、コロニアルNEOの場合には、最初からカバー工法をおすすめしています。
しかし、お客様によってはご自身のお宅の屋根材が、コロニアルNEOであることをご存じない方もいらっしゃいます。
今回、ご依頼をいただいた方もお打合せの際に図面を用意していただいたのですが、図面にはコロニアルNEOと書いてあるものの、それがどのような屋根材なのかご存じありませんでした。
そこで、見積もり希望シートをお渡しする際に、「コロニアルNEOについてインターネットで調べてみてください。」と一筆添えさせていただきました。
これは、弊社が説明した工事内容について客観的に調べて頂きたいからです。
いくらお打合せの際に塗装ができない屋根材だからとカバー工法をすすめても、お客様にしてみれば、業者の言っていることだけだと、ただの営業トークなのかそれとも本当に必要な工事なのかがわかりません。
もちろん、データなどを出しながら分かりやすい説明は心がけていますが、菊池としてもお客様には客観的に工事について考えてほしいと思っています。
そして、正しい情報や知識から、必要な工事を選択してほしいのです。
実際、今回お客様はお二方とも合い見積もりを取っていらっしゃいました。
そして他の業者は、「塗装でもギリギリ大丈夫ではないか」と提案を受けていたそうです。
現場調査をした上での提案だとは思いますが、その一方で、カバー工法を提案すると工事費用は高くなり、依頼を受ける確率が低くなるため、今だけをしのげるようにこのような返答をした可能性も考えられます。

弊社では、カバー工法によって費用が高い見積もりになるとしても、塗装ができない限り「数年だけ持てばいい」という提案はしません。
たしかにコロニアルNEOのロットによっては、層状に別れず他の屋根材と同様に塗れるものもあります。
しかし、現場調査の段階で屋根の割れがなく大丈夫だと思っても、工事を始めたところパリパリと割れてしまうことがあるのです。その場合には、カバー工法に転換前の工事費用もかかってしまうため、大幅な工事費用のロスになります。
インターネットやAIなどを活用しながら、お客様には知識を補いつつ正しい判断をしていただければ幸いです。
パミール、コロニアルNEOについて、さらに詳しく知りたい方は、弊社の菊池宛にご連絡いただければ幸いです。
塗装職人への依頼の経緯
今回は、リピーター様、そして新規のお客様それぞれどのような経緯で弊社にご依頼された経緯についても、お話いたします。
リピーター様は、13年前、11年前と塗装職人で工事をし、昨年はオーナー様のご自宅にも塗装工事のご依頼をいただきました。
これまでの成果から、弊社の工事を信頼していただき、再度ご依頼をいただいております。
新規のお客様は、弊社の事務所の前を何度か通りかかったことがあったそうです。 そこで、インターネットで塗装職人を調べ、ブログや工事の内容などをご覧になった上でご依頼くださいました。
もうひとりのお客様は、やはりインターネットで検索をして、塗装職人に依頼することを決めました。
塗装職人は、職人が社長の会社だからこそ、技術力でご期待に応えることをモットーとしています。
リピーターのお客様はもちろんですが、新規のお客様のご期待にもお答えできるよう力を尽くします。
屋根塗装は家を守る要
屋根は、風雨をしのぎゴミホコリなどからも家を守ってくれる大事な箇所です。
だからこそ、塗装やカバー工法には適切なタイミングと判断が必要となります。
今回は、屋根の塗装やカバー工法を決める経緯などについてご紹介しました。
適切なタイミングで、最善の工事をすることが、この先建物を守るために参考になさってください。
工事において何より大事なのは、お客様のご希望に寄り添うことです。
弊社では、無理な工事を推し進めるということはしません。お客様の予算と照らし合わせながら、その中でベストな工事を探します。
屋根の塗装工事で悩んでいることがありましたら、一度ご相談ください。
屋根の状態にあった工事計画をご提案いたします。
