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2階建てアパートの折板屋根の塗装工事での雨漏り

今回は築26年の2階建てアパートの折板屋根の塗装補修工事での出来事です。

塗装工事開始日に作業を始めようとしたタイミングで住人のお部屋やから雨漏りが発覚したのです。

そのため、雨漏りの原因が分かるまで工事は一時中止となってしまいました。

オーナー様が雨漏りの原因を調べたいとおっしゃり、アパートを建築した工務店に調査を依頼されたのですが、なかなか原因が特定できず、結果として工事が進められなくなってしまったのです。

このオーナー様は弊社のリピーターでいらっしゃいましたが、前回の工事からすでに15年が経過していたため、当時の印象から「塗装職人は塗装専門の会社」というイメージをお持ちでした。そのせいか、雨漏りの調査について弊社にご相談いただくことはなかったのです。

ところが、他の業者による調査でも原因がわからないまま、何日も時間が経過してしまいました。


雨漏りの発見と補修工事

雨漏りは2階の住人のお部屋で起きて、天井から水が滴っていました。

そこで、塗装を担当する一級塗装技能士の原本職人が念のため屋根に上がり、お部屋の上を確認したところ、折板屋根のボルトキャップが欠損していることがわかりました。

前回の塗装工事後約15年経過していたことから、劣化によって欠損し、その隙間から水が屋根の中へと入り込んでいました。
そして、屋根の勾配で天井を伝い、部屋に水が流れ込んでしまっていたのです。

補修方法としては、ボルトキャップを新しいものに交換し、しっかりと塗装すれば特別な補修工事も必要ありません。屋根工事や塗装を行っているからこそ、発見できた雨漏りの原因でした。

ボルトキャップの耐用年数はおよそ10〜15年とされます。13年前に塗装工事を行っていることを踏まえると、ちょうど交換のタイミングです。そこで、オーナー様とご相談して、屋根上に600個以上あるキャップ、ボルト、ナットをすべて交換し、あわせて塗装も行う方針になりました。

予定よりも2週間以上も工事の開始が遅れてしまいましたが、その間に雨漏りの原因をきちんと突き止められたことで、モヤモヤを残さずに納得した状態で工事に入ることができました。原因が分からないまま塗装だけを進めても、結局どこかから水が回れば同じ悩みを繰り返してしまいます。

ボトルキャップの撤去と塗装の準備

折半屋根は金属のため、サビが残ったまま塗ってしまうと、内部で進行したサビが塗膜を押し上げて、早期の浮き・剥がれにつながることがあります。

そこで今回はマジックロンを使い、屋根全体のサビ落としと目荒らし(細かな傷をつけて塗料の食いつきを良くする作業)を丁寧に行いました。折半屋根は凹凸がある分、谷部・山部・重なり部など、道具が当たりにくい箇所も多いので、均一に仕上げるには地味に時間がかかります。

次に行うのが、既存のボトルキャップの撤去です。

折半屋根では、固定ボルトまわりから雨水が入り込まないように、ボルト頭を覆うようにキャップが付いているケースがあります。

ただ、このキャップも万能ではありません。
年数が経つと、樹脂が硬化して割れる。キャップ内に水が回り、ボルトが錆びる。風で浮いて隙間ができる。施工当時の止水材が劣化して効かなくなる。

などの理由で、雨漏りや錆の原因になってしまうことがあります。

今回はこの撤去数がかなり多く600個以上。原本職人と菅職人の2人で、下地調整と並行しながら作業をして3日間かかりました。撤去したキャップはポリ袋いっぱいになり、現場でもあらためて実感する量でした。

キャップ撤去後は、雨水が回り込みやすい取り合い部の処理です。

今回はパラペットまわりに対して、ブチルテープで止水処理を行いました。ブチルテープは粘着性が高く、微細な隙間にも追従しやすい材料です。金属屋根のように「熱で伸び縮みする下地」でも、比較的なじみやすいのが強みです。

折半屋根側の取り合い部や重なり部も、シーリングで止水処理を行いました。
折半屋根は山と谷の形状があるため、わずかな隙間からでも雨水が回り込みやすく、塗装だけでは雨漏り対策として不十分なケースがあります。そこで、シールで水の通り道を先に断ってから塗装工程へ進めました。

折半屋根の塗装

下地と止水の準備が整ったら、いよいよ塗装に入ります。

工程はまず下塗り。材料はハイポンファインプライマ―Ⅱを使用しました。このプライマーは弱溶剤2液エポキシ錆止め塗料です。鉄、アルミ、ステンレス、硬質塩ビ、ガルバリウム鋼板などの下地に適用しています。

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中塗りにはトタン屋根用塗料ファインルーフSiを使用しました。シリコン系のトタン屋根用塗料で紫外線に強い。光沢保持性が高い(ツヤが落ちにくい)。

といった特長があり、折半屋根の塗装では相性の良い塗料のひとつです。

そのあとに新しいボトルキャップを装着します。

ボトルキャップ交換は、見た目の部材交換に見えますが、実際は雨水の侵入口になりやすいボルト周りを、もう一度守り直す作業です。劣化したキャップをそのままにして塗ってしまうと、キャップ内部で錆が進行していたり、割れた隙間がそのまま残ったりして、せっかくの塗装の意味が薄れてしまいます。

今回は数が多い分、取り付けの精度が全体の品質に直結しますので、締め付け具合や納まりを確認しながら、丁寧に装着していきました。

キャップ取り付け後にファインルーフSiの上塗りを行います。

塗膜としての厚みと美観を仕上げて完了です。上塗りまできちんと重ねることで、色ムラが落ち着き、ツヤも出て、屋根全体が均一に見えるようになります。

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施工後は見た目がきれいになっただけでなく、なにより居住者の方々が雨漏りの心配から解放されたことが大きいと感じています。雨の日の不安は経験した方ほどストレスが大きいです。

今回は原因を整理してから工事に入れたことで、結果として安心までしっかりお届けできた工事になりました。

塗装職人は、塗装だけでなく家に関わるさまざまな工事を理解しているからこそ、建物に必要な箇所に適切な工事を組み立てることができます。
今後も10年、20年と建物を長く持たせるために、気になることがあればご相談ください。家の状態を多角的に捉えながら、最良の選択を一緒に考えていきます。

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