今回は過去の施工から、3月8日に行った栄区公田町での作業をお送りします。
前回は高圧洗浄機でお家全体を水洗いして汚れを落としましたので、この日は土間の養生と屋根鉄部の下塗りを開始。
玄関前など土間は人が頻繁に歩く所ですから、破れにくい厚手のブルーシートを使用して養生。張る部分の形状に合わせて覆い、シートの四隅はテープでしっかり貼り付けて固定、歩いたときにずれたり足を引っ掛けてしまわないようにしました。
玄関前のジャバラ式の門扉には、マスカーというテープとビニールが一体になった資材で全体を覆って塗料が付着しないようにしています。塗料の付着は誤って触れる以外にも、飛散してついてしまうこともあるため、塗り替えをしない所は念入りにカバーをします。
お次は場所を屋根に移して、屋根鉄部の塗装に入ります。
まずはケレンをして鉄部に細かな傷をつけます。これは、ツルっとした鉄部表面を研磨することでわざと傷をつけることをいいます。細かな傷が塗料の引っ掛かりになるので、塗料が剥がれにくく長持ちするのです。
今回は少し目の粗いサンドペーパー(紙やすり)を使用して下地を擦りました。他にはナイロン不敷布のマジックロンやハンドパッド、皮スキ(金ベラ)などを使うことがあります。サビが発生しているところは、この時点で入念に削り落しておきます。
また、築年数が10年ほど経過しているお宅では、たいがい屋根鉄部を留めている釘が抜けかかっています。これは家の歪みや地震などによる動きが重なり、留めてある釘が緩んできてしまうからです。このままにしておくことで、直ちに影響が出るとは言えませんが、ごくごくまれに雨押さえが飛んでしまったというような事例もありますので、塗替えの際は釘の打ち直しもしてもらいましょう。
ケレンが完了したら鉄部の下塗り、サビ止め塗布を行いました。これはサビが発生することを防いで、傷みやすいと言われる鉄部の耐久性を高める働きをします。
今回使用するサビ止めは赤錆び色で、これは仕上がりの色に合わせて選択。
まずは細かな部分から塗り始めます。ローラーの入りにくい部分を刷毛で塗り込み、塗り落しや掠れ、ムラを防いでいきます(専門用語でダメ込みとも)。フラットで広い面はローラーでたっぷりサビ止めを塗布。材料の性能を引き出すために、量は多すぎず少なすぎず、適切にムラなく塗ることが大切です。
雨押さえ(棟押さえ)のみだけではなく、雪止め金具や小口、下屋根の鉄部にも塗り込んで下塗りは完了となりました。