塗料の価格がまた値上がりします
日本ペイントから「製品の価格改定について」というお知らせが届きました。
気になる値上げ率は以下の通りです。
- 塗料：10〜20％
- シンナー類全般：10〜20 ％
私たち塗装業者としても「またか……」という気持ちで、正直かなり残念です。
もちろん、昨今の物価上昇を考えれば、やむを得ない部分もあります。
メーカー側も、物流費や原材料費、人件費などが重なり、値上げは避けられない状況なのでしょう。
しかし、私たち施工会社は、そのメーカーとお客様の間に立つ立場です。今後ますます、板挟みになる場面が増えていくと感じています。
外壁塗装業界の価格構造と見積りの仕組み
外壁塗装業界は、公的な資格がなくても始められる業界のため、新規参入も多く、競争が激化しています。
特に最近では、ITに強い業者がWeb集客に成功し、フランチャイズ展開を進めるケースも増えています。そこに、昔ながらの塗装店が加盟する動きもあるようです。
一方で、消費者にとっては「加盟料」や「見積り情報料」、「契約成功報酬」などが水面下で見積りに反映されているケースもあります。
一括見積りサイトも、仕組みとしては似た構造です。
そして今回の塗料価格の値上げ。
お客様にとっても負担が増える一方で、業界内の価格競争はより一層激しくなりそうです。
「塗料の缶数量」記載の重要性
弊社としては、価格競争の渦中に飛び込むつもりはありませんが、このような状況だからこそ、見積書の中にある「塗料の缶数量」の記載がより重要になってくるのではないかと考えています。
実際、多くの塗装会社の見積書には、使用する塗料の缶数が明記されていません。
しかし、外壁塗装や屋根塗装において、塗料の耐久性に大きく関わるのは、「塗料の種類」よりも「使用量（缶数）」です。
どんなに高性能な塗料でも、規定よりも薄めて塗ってしまえば、本来の防カビ・防汚・防水機能は大きく損なわれます。
その結果、塗膜の厚みが不十分になり、見た目や持ちにも差が出てしまいます。
こうした「塗料の薄めすぎ」を防ぐためにも、見積書に「塗料の缶数量」を明記することは、お客様にとっても非常に大切なチェックポイントになります。
値上げが進む中で、誠実な施工を続けるために
今回の値上げで、塗料の価格が上がるのはこれで何度目か、もはや正確には思い出せないほどです。
直近では、2021年9月と2022年5月にも値上げが行われました。
もちろん弊社にとっても厳しい状況ですが、「塗装職人にお願いしたい」と思ってくださるお客様がいる限り、この問題も乗り越えられると考えています。
お住まいの面積や状態に合わせて、必要な分だけの塗料を正しく使い、誇張のない、実直で耐久性の高い施工をこれからも続けてまいります。