もくじ
横浜市内で起こった悪質な屋根業者による事件
先日同じ横浜市内の屋根工事業者が逮捕されました。なんと関東地方圏内で契約数600件、1年半で10億円という巨額な悪質契約を繰り返したということですが、そこまで騙されてしまう人が多いことに今回は一番驚かされました。
うちではこれまでブログはもちろんヤフー知恵袋やSNSでもかなり注意喚起のようなことを意識的に発信していましたが、それだけ騙されている人がいるということに、一業者の発信力は本当に微力なんだと感じました。
うちだけでなく、色々な業者さんも悪質屋根業者には注意するようなコンテンツはYouTubeでもたくさん流れているはずなのに、どうしてなのか腑に落ちないところはあります。
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うかつに騙されないという認識は家を持っていれば誰もが多少警戒心あると思うのですが、それ以上に悪質な営業力というか言葉巧みに契約まで疑いもさせずに持って行ってしまうというのはある意味すごいなと思います。
「悪質業者に気をつけろ!」と注意喚起する業者が悪質だった・・という話もなくはありませんが、さすがにそこまで言われてしまうと信用せずにはいられないかもしれません。というか外壁塗装では昔からある話です。
WEBサイトを見ると今回の業者のコンセプトは「あなたの住まいを共に守るパートナー」、「家に帰るをもっと楽しみに」という言葉でしたが、ありふれた言葉だけに悪質業者が使う言葉としてはもっともだろうなという感じです。
なぜ悪質な屋根工事が増えているのか
手っ取り早く言えばリフォーム自体に許可や資格は不要です。500万円以上の工事には建設業許可が必要ですが、一般的な大きさの戸建ての外壁塗装と屋根修理を合わせても500万円にはの工事になることはまずありえません。
現状の屋根の上からシングル材や金属瓦などを上から被せる「屋根カバー工法」はもちろんのこと、屋根をはがして新たにやり替える葺き替え工事でさえも到底500万円には届きません。
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特に屋根は高く見えません。普通の人はまず屋根に関する知識は持ち合わせていないはずなので、業者や職人から「屋根がはがれている」「屋根がひび割れている」などのように自分の家の屋根を指摘をされれば誰もが不安になります。
屋根が普段から見える場所にあり指摘した通り事実ということもあるでしょう。
ここでその業者が指摘していることが事実なのかそうでないのかを見極めるポイントはふたつ。その業者の所在地が本当に事実として確認ができるものなのかどうかが一点。名刺はあてになりません。
マンションの一室というのも業者としてはありかもしれませんが、それは営業だけでなく本当に工事を管理して施工業者としての実態があるかどうかという点です。これは見て目にはわからないので、実際にその事業者の所在地に足を運んで雰囲気を感じ取るということにつきます。
それは屋根や塗装に対しての知識がなくとも感じ取れるはずです。例えば賞状や都道府県や行政からの工事関連の許可票など、リフォームは施主が会社に来るということは想定していないことが多いので、まるっきりきれいなオフィスそのものであれば疑う可能性は捨てきれないです。
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近くで工事していると虚実を指摘する屋根業者
もう一つは、大体この手の業者は「近くで工事していたら屋根が浮いているのを見て気になった」というような近くで工事している業者ということを装います。
この近くというの数件離れた近所というよりかはもっと離れた広い近所です。あまりに近すぎてその家と交流があるとウソがばれてしまいます。特に近くで足場を組んで工事している現場があれば勘違いしてもらいやすくなります。
ただし屋根の劣化状態というのは数件離れたところからでは、遠すぎてそうそう確認することはできません。
それでも近くで工事しているのが本当だとしたら、その現場まで一緒に行ってもらって案内してもらうといいでしょう。十中八九案内できないでしょう。
他の真面目な屋根業者も被害に
これはうちのお客様も大勢この手のやり方で騙され掛けています。塗装または屋根工事を数年前に施工したばかりというお客様宅に訪問してきて、ありもしない劣化を指摘してきます。
屋根が外れている、はがれているというのももちろんありますが棟板金の釘が抜けて外れかかっているというのが印象として一番多いというイメージがあります。
屋根の種類としては瓦屋根というよりかは普及率が一番高いスレート屋根がターゲットにされてしまう事例がやはり一番多いです。
当然お客様はうちに相談をしてきます。こうしたウソはお客様だけでなくうちとしても被害を被ります。それはもちろんうちだけでなく真面目に施工している他の業者さんも同じ目に合っているはずです。
業務妨害として警察に被害届を出すことも可能ですが、それはお客様に迷惑を掛けてしまうので現時点ではまだそこまでには至っていません。そもそも、指摘してきた時点で話がまとまらなければ会社名や住所は残さないで立ち去ってしまうことがほとんどだからです。
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年間数百件の屋根調査も緊急性はわずか
今回の事件では手抜き工事をされてしまったというよりかは、まだ工事をする必要性が全くないにもかかわらず虚実の指摘をして工事契約をしたという詐欺罪です。
多少の劣化があったとしても緊急に工事する必要があるという大胆な誇張も特徴的です。あることない全くのでたらめをいう一方で、こうして近くの高台などから屋根を見て極端にオーバーにいうこともあります。
大ごとな劣化でもないのに施工する職人のほうも必要以上な施工ということをよりわかっていたということを考えると、今回の事件に加担てしまったという自責の念に駆られながら仕事をしていた職人さんもいるかもしれません。
うちでは年間数百の家の現地調査をしていますが、その中で雨漏りしているという家を除いて今すぐやらなければどうにかなってしまう家という緊急性のある事例はほんのわずかです。
まずはそのような疑わしい業者が来たら素性をしっかり把握してその場では屋根に上らせないのはもちろん、資格や許可がはっきり確認できる他の業者にも相談するといいでしょう。