もくじ
今回お話しするのは、以前も何度か菊池のブログで書いています塗装工事の訪問販売についてです。
ここ最近、何人かのお客様から訪問販売の業者が家に来たとご連絡がありました。
ですので、そうした際にお客様が少しでも対応ができるように、訪問販売の業者が話す内容の疑問点などにフィーチャーし、解説したいと思います。
訪問販売のうたい文句とは
ある日突然インターホンが鳴り、職人風の格好をした人に「近くで工事をやっているものですが、お宅の屋根棟板金が浮いていますよ?」と言われる……。こんな気になることを言われれば、どんな方でも思わず外にでて自分の家の屋根を眺めてしまうことでしょう。
そして矢継ぎ早に「良かったら、今はしごを持っているので、上って無料で直しましょうか?」と言われれば、なんとなく直してもらった方が良い気がしてきます。
そして屋根の上に上ってしまったら最後、工事をする流れになってしまうのです。
「今、近所で足場を組んでいるので、その足場を持ってくれば足場代無料で工事ができますよ」と言われれば、なんとなくお得な気がして契約をしてしまう方も。
さて、ここまでの会話にはいくつか確認ポイントがあります。
最初は「近くで工事をやっている」についてです。これを言われたらまずどこで工事をやっているのか聞きましょう。
お隣なのか、それとも向かいの家なのか…。
すこし距離のある場所を言われたら、その場所まで工事現場を見に行くことも大事です。
「近くで」と言っておきながら、現場が無いことも多々ありますので、確認は必須となります。
次に、なぜ屋根の上にのぼらせてはいけないのか…。これは屋根に登ったことによって口実を作るためにわざと棟板金をずらしたり、ひどい業者になると屋根を割って工事理由を作ったりするところもあるからです。
さらにツッコミポイントとしては、「近所の足場を持ってくるから無料にできる」というところ…。これはありえません。
まず、足場を持ってくるためには必ず解体をしてからトラックに積まないと移動ができませんし、さらにどんなに同じ建て売りだとしてもまったく同じ形の家というのはないからです。そのため、足場を組む部材の量が変わります。
この部材が多い場合は余分な箇所のある不格好な足場が出来ますし、少ない場合は工事するのに危険な足場となります。部材は、多くても少なくてもだめなのです。
もしも、近くの現場から足場を持ってくることにメリットがあるとすれば輸送費などですが、これも足場代を無料にできるほどの大きな値引きには繋がりません。
このように、知っていればおかしいと気がつくことができますが、知らない場合は騙されてしまうのです。
あわせて読みたい〔関連記事:とても危うい屋根の応急処置を無料で行う業者〕
訪問販売が来たらどうしたらいいのか
先日ご相談頂いたお客様も、屋根の上にその訪問販売の業者を上げてしまったらしく、その後工事を提案されたのだとか。そこで初めて「ちょっとおかしいかも?」と思い、インターネットで検索をして塗装職人までご連絡をくださったそうです。
そこで、板金の職人とともにお伺いして屋根に登らせて頂いたところ、棟板金をずらした痕跡がありました。
お客様としては、8年前に屋根補修と家全体の塗装をしているのでまだ屋根がもつのであれば、あと2年〜7年ほどは工事せずに過ごしたいところだったそうです。
弊社できちんと検査し、とりあえずあと数年は見守りましょうという結論に達しました。
こちらのお客様のように、冷静に対処ができればいいですが、多くのお客様はなかなかこうした訪問販売を退けることが難しいようです。
もしも訪問販売の業者が来た際には、セカンドオピニオンのような感じで別の塗装業者に点検してもらうことをおすすめします。
もちろん、弊社が近くにあればいいのですが、お近くでは無い場合は、以下のような業者を探してみてください。
・実店舗がある
・HPなどがある
・営業年数が10年以上ある
(塗装は10年で1サイクルとなっているため、10年以上営業しているということは、工事後のトラブルにもきちんと対応したと判断ができます)
・良い評価の口コミがある
こうした塗装業者であれば、しっかりと点検をしてもらえると思います。
是非参考にしてみて下さい。
あわせて読みたい〔関連記事:150万円の屋根工事から学び被害を防ぐ、悪質業者とカバー工法〕
職人風の営業への疑問点
実のところ、訪問販売がすべて悪質な業者かというと、中にはまっとうな業者もあり、ここの差別化が難しいため、ここまでお話した内容などから判断する必要があります。
さらに判断する上で一つのポイントとなるのが、職人風の営業です。前回もお話しましたが、営業として職人風の人間が訪ねてくることは、菊池からすると不自然に感じます。
というのも、弊社では作業している職人が屋根上などに上った際、お隣などの不具合に気がついても、職人自身がお隣に声をかけるということはしません。必ず、現場を総括している営業の菊池へ連絡が入るのです。
個人的な話しですが、菊池が引っ越しを考えていたときにちょうどエレベーターで引っ越しの作業員さんと一緒になったことがありました。
その際に「引っ越しを考えているのだけれど、見積もりって取れますか?」と聞いたところ、「すみません、会社の方へご連絡いただけますか?」と言われたのです。
言われて見れば至極当然で、彼はあくまでも作業員のため、見積もりなどにはタッチしていないのでしょう。
それと同じです。職人は、あくまでも技術のスペシャリストです。個人店で無い限り、職人が営業を兼ねることはあまりないと言えます。
通常職人は、現場の工事で忙しくしているものです。体力や集中力を補うための貴重な休み時間や、終業後に営業をするというのもあまり考えられません。
ですので、営業目的で職人が訪ねてきた…という時点で、少し自分の中にセーフティーネットを張ると良いでしょう。
併せて観たいYouTube〔関連動画:落下の危険性あり。屋根瓦のズレを補修する。〕
お客様の不安を煽る営業への対策とは
訪問販売業者の多くは、お客様の不安を煽って契約に繋げることがあります。
ですので、お客様自身が工事をしたいのか、工事をしたくないのか。そして工事をするとしたら何が目的なのかをはっきりさせることが大切です。
壁面を綺麗にしたいのか、雨漏りの予防をしたいのか、それとも雨漏りを直したいのか、家の寿命を少しでも延ばしたいのか。
それによっても、業者との契約は大きく変わってきます。
きちんとした業者は、押し売りをしません。
あくまでも、お客様のご希望にそった工事をするだけです。
もちろん、その工事をするためにはその工事に見合った費用が必要になります。
そうした目的がはっきりすることで、いらない工事を判断ができ、しっかりと訪販の人間と対峙ができるでしょう。
その他 訪問販売の業者の商法とは
訪問販売は、何も一度だけ訪ねてくるわけではありません。
やまびこ商法といって、最初に職人風の人が訪ねてきて「棟板金がずれている」などと言います。
一度断ると、さらに数日おいて全く風体の違う人がやってきて、また「棟板金がずれている」と言うのです。
一度ならずと二度も別の人間に言われると、大抵の人は不安になってしまいます。
さらにまた三人目で別の人間がやってきて同じこと言うと、「そんなに多くの人が言うならうちの棟板金はずれているんだ」と思い込んでしまうことに…。
中には検査する際に、前回のブログでもお話ししましたようにわざと屋根を割ったり、棟板金をずらしたり…。それ以外にも屋根上の写真を撮ったといって、まったく別の家の写真を見せるというもあります。(塗装工事とは別ですが、シロアリ駆除業者の訪問販売の場合は、シロアリの検査をすると言って床下に潜り、持ってきたシロアリを取り出して見せて、さもシロアリがいたようにみせる業者もあります)
あの手この手と工事へ繋げるためにやってきますので、きちんと訪問販売業者の内容を知っておくことが大切です。
あわせて読みたい〔関連記事:前回のブログ〕
訪問販売に対峙するためにもっとも大切なこと
訪問販売が来た時に最も確認すべきことは、相手の身元です。
相手の身元を知るためにも、名刺をもらいましょう。
もしも、「あいにく工事で近くにきていたので名刺を持ち合わせていないんですよ…」と言われたら、その職人はアウトです。(個人店で職人と営業を兼ねている人間であれば、名刺やチラシは必須アイテム)
弊社にご相談にいらっしゃるお客様のほとんどが、訪ねてきた業者の名前がわからないとおっしゃいます。
ここをしっかり確認することが、訪問販売に対処するための大事な一歩です。
併せて観たいYouTube〔関連動画:屋根工事を目の前で見れる、塗装職人のスマートショールーム〕
塗装工事は、お客様の家の寿命を延ばすための大切な工事。だからこそ工事には、知識を持ってのぞみましょう。
塗装工事の訪問販売が来た際には、このブログを思い出してみて下さい。
お客様の手助けになることを願っています。