とても危うい屋根の応急処置を無料で行う業者

もうすぐ梅雨が明けそうな今日この頃ですが、ここのところその梅雨時期を狙ったかのような嫌な情報が入ってきているので共有したいと思います。

それは先日電話で相談があった方から得た情報です。

いずれも屋根に関することです。

屋根といえば外壁とともに家のリフォームでは、一番訪問販売の的として狙われます。

スレート屋根の棟板金が浮いている
スレート屋根の棟板金が浮いていることを狙ってくる業者も少なくない

 

悪質のことについて言えばきりがないのですが、今回のものはちょっと特異性が強いのと今後もコロナの影響によって増えてきそうな感じなのでお伝えしておきます。

まず近くで工事しているという業者と思われる2人組の人間が屋根のズレや隙間があるから無料で屋根に上って点検しますということで訪問してきます。

ここまでは昔からよくある手口です。

わざわざ無料で点検するというのも大体必ず裏がありますね。

スレート屋根のクラック
ほとんどの場合ひび割れも屋根に上らなければわからない

 

怪しいと思いつつも屋根に上ってもらったようですが、この二人はどう見ても20代の若者。

それはいいとして、近くで工事しているという親方をその場で電話で呼びつけたようで、ベテランの職人が来ると思いきや同じ年ぐらいのまさかの20代の若者が。

そこでさらに不安になってしまったのが、その3人組の風貌。

全員ヘルメットは新品、はしごはまるでアマゾンで買った家庭用のようなもの。

もう途中で断ることもできず、怪しいと思ったものの屋根に上って点検してもらったということです。

ここまでくればもうお決まりのパターン。

屋根が無事だと伝えられるということはまずありません。大体は屋根塗装より高額になる屋根工事を進められるようになます。

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屋根の不具合個所は応急処置をしましたと伝えられ、話を聞いても専門的で詳細にはどの部分がどのように修理してもらったのかはわからない。

はがれた棟板金(はがされた?)やスレートのひび割れた撮影画像を見せられる。

ただそのままでは雨漏りしてしまうので、一時的に雨漏りしないような処置をしたとのこと。

しかも無料で。

その代わり本格的な工事の見積りはあとで持ってくるという流れです。

 

実はこの話、それぞれ別々の方が電話で相談してこられた話です。

驚くべきことに内容がまったく一緒なのです。

まとめると・・

 

・若い訪問者の3人の風貌

・はしごやヘルメットの道具

・後から親方と称する人間を呼び寄せる

・近くで工事をしている

・無料で応急処置をする

・最終的に本格的な見積りへとつなぐ

 

さらにはそれぞれの相談者の住まいが隣同士の地区。

推測の域は出ないかもしれませんが、私は100%同じ人物だとみています。

ほぼ同地域で2人の方が同一の話で連絡してくるというのはかなりの確率です。

このような手口で渡り歩いているとしか思えてなりません。

※後日もう別のおひとりの方が全く同じ内容で相談がありました。
知らない業者には絶対屋根に上らせないこと。

それより問題なのは、これからコロナの影響によって仕事が減りこのようなまねごとをする事例が増えてくるのではないかと予想してます。

恐らく屋根に上られる前の段階で多くの方は怪しいと思われるでしょう。

例えそこで断ればいいとは思いますが、この業者?からすれば「数打ちゃ当たる」です。

住人の人柄や知識の無いことを見極めて見ています。屋根はトタンや瓦などの種類もありますが大方ターゲットにされやすいのはスレート屋根です。

まず和瓦の屋根などは訪問販売のターゲットにはされにくいでしょう。

瓦はスレート屋根の家より断然少ない件数ということもあり、指摘場所もずれたりするなどという場合もありますが極端に少ないからです。

スレート屋根は一見よく見ないとわからない住人が見にくい場所や判断しにくい場所を狙ってきます。

特に下地の貫板が腐食して釘が抜けてしまうなど少しだけ構造が複雑な棟板金が多くなります。

スレート屋根というものは、野地板と下地防水シートの上にスレートが施工というように、ほぼどの家も同じなため棟板金も含め構造を少しでも理解しておくことは、適切な工事を計画する意味でも知っておいてもよいと思います。

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ちなみにそのお二方の相談者は、今起きているさまをすぐ察知してたまらずにうちに電話をしてこられたということでした。

話を受けていた私も限りなく黒に近いとは思ってはみたものの絶対とまでは言えなかっので、とりあえずお伺いして状況を判断してみるということになりました。

後は担当に任せてしまっているのでその後の状況は機会があればまたお伝えできればと思っています。

棟板金のコーキングのひび割れ
雨漏りしてしまうと指摘される棟板金のコーキングのひび割れ

 

こういう問題が起きるのはそもそも外壁塗装も屋根リフォームも高額になる工事にも関わらず、誰でも営業活動ができてしまうという根底の規制に問題があります。

技術や知識がきちんとあって、その証拠となる許可や資格というものがあって初めて工事や営業活動もできるというようにすれば、このような思い付きで営業活動をするような人間も少なくなるのではないでしょうか。

ただそれには国や行政が認めている許可や資格と、いわば講習を受ければ誰でも簡単に取れてしまう民間資格などの線引きで別れる差というものを消費者側でも知る必要があります。

塗装工事関連の国家資格と民間資格のちがい

 

誰でも取得できる資格やお金を出せば許可が下りる認可などに着目してしまうと逆に時間の無駄にもなりかねないからです。

ちなみに今回は向こうから家にやってくる訪問販売でしたが、公民館や自治体の会議室でも行われているため、自分からつい出かけてしまうという勉強会と称するセミナーというものもあります。

行政は規制を作らないぱかりか、こういうものに加担してしまっているという状況をもつくりだしている危うさもあります。

勉強会もそうですが、今回の件も工事のことを知らないとたかをくくっているので、このような業者もどきが増えてくるのだろうと思えます。

もし不審と思えるようなことがあれば、こちらのトソQでも対応可能です。

 

梅雨だからと屋根がターゲットにされやすい時期とは思いますが、それでもまたすぐに台風シーズンがやってきます。

そこで火災保険を使うからと無理に押し付けると共に魅力さを醸し出してくる業者も多くなると思いますのでご注意を。

それでは梅雨明けとともに猛暑がやってくるので健康にご自愛ください。

一級塗装技能士のほか「ひび割れの専門家」としての樹脂接着剤施工技能士の2つの国家資格と、塗装科・職業訓練指導員の所有者でもあります。 塗装業者さんはたくさんあれど、本質的な工事品質の差は「社長が職人の業者は現場に魂が宿る」という言葉に表されるのではないかと自分を戒め修行中です。

些細なことでも構いませんのでお気軽にご連絡ください

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