一級塗装技能士による芸術的なサイディングの2色化粧塗り

こんにちは、菊池です。

お家の外壁に塗装をするとき、色が単一になってしまうことを避けたり、壁の模様を活かしたりすることができる「2色化粧塗り」という方法があるのをご存知でしょうか。

今回の記事では、2色化粧塗りとはどのような塗装であるかのご説明をさせていただきます。

また、ちょうどお客さまのご依頼でサイディングの化粧塗りを施工しましたので、その作業の様子も併せてご紹介いたします。

 

2色化粧塗りとは、どんな塗装か

まずは2色化粧塗り塗装について、説明します。

2色塗りというのは、この写真のように下地の色と別の色を重ねて、外壁を2色(ここでは白と茶色)とする塗装法をのことです。

2色意匠塗り完成

その中でも特に、この写真の様に外壁の模様を表出するような塗装を、「2色化粧塗り」と言うのです。

 

2色化粧塗りの特長

2色塗りをすることで、外壁のデザインを色によって表現することができます。

例えばレンガ調の外壁の場合、1色であるよりも、継ぎ目とレンガの色が違う方が外壁のデザインを活かせますよね。

さらに表層の細かい模様も、2色であることで浮かび上がらせることができます。

サイディング2色化粧塗り

この意匠を表現するのが「化粧塗り」という技術です。「意匠塗り」という呼び方をすることもあります。

塗装はもちろん、道具や塗料を選ぶための知識など、職人としての技術が必要となる施工です。

今回はその様子をご紹介いたします。

 

2色化粧塗りの手順

2色化粧塗りは、通常の塗装の作業に加えて、さらに一色上塗りする作業が増えます。

その手順についてご紹介します。

 

手順1:前準備

最初に、塗装までの準備を行います。

先ずは外壁の洗浄、次に補修が必要であればそれを行います。

シーリングが古くなっていたら打ち直すコーキング施工を行ったり、クラック(壁の傷や割れ目)があればそれを補修します。

今回のお宅でもコーキング施工を行いました。

目地シール

コーキングとは、サイディング(外壁)の継ぎ目を充填することです。写真の白い部分ですね。これによって外壁の気密性や防水性が高める、サイディングを使う場合は必須の作業です。

コーキングは、塗装とはまた違う専門技術なんですよ。コーキング施工の様子も記事にしています。

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ここまでの施工で、塗装の準備が整いました。

 

手順2:下地の3度塗り

いよいよ塗装です。先ずは下地を通常通りに「3度塗り」で行います。

3度塗りとは、下塗り・中塗り・上塗りの3回の行程で、重ね塗りをすることです。

 

下塗り

先ずはベースとなる下塗りから。

劣化状況を鑑みながら下地に適合した下塗り塗料(シーラー)を塗ることで、塗装を長持ちさせるための施工です。

サイディングをローラーにてシーラーを塗布

 

中塗り

中塗りは、塗装の厚みを確保するための重要な工程です。

下塗りの色が隠れるようにしっかりと塗装します。

サイディングの中塗り

たっぷりと塗料を塗る必要があるうえに、サイディングは塗料の吸収性が低く滑り落ちやすいので、ここは塗装職人の技術の見せどころになります。

 

上塗り

上塗りは通常の塗装であれば仕上げの行程であり、化粧塗りでも2色のうちのひとつとなるので、とても重要です。たっぷりの塗料を使いながらもムラなく、模様を塗りつぶすことなく、美しい仕上がりが必要です。

窪みや模様の底までしっかりと塗料を届かせるために、中毛のローラーを使用します。

サイディングの中塗り完成

窪みや模様もしっかりと塗装が行き届いていますね。

通常の塗装であればここまでで終わりですが、2色化粧塗りのものはさらにもう一度、4度目の塗装があります。

 

手順3:2色化粧塗りを行う

4度目の塗装として、2色の内のメインとなる方の色で、重ね塗りをします。

このとき、窪みや模様部分には色を入れないように、且つ外壁の表面にはムラなくしっかりと塗装しなければいけません。

そのポイントを3つ、ご紹介します。

 

ポイント1:短毛のローラーを使用する

ポイントの一つ目は、使用するローラーです。塗料を壁に塗るためにローラーを使用しますが、塗料を含む繊維部分が短い短毛のものを使用します。これによって、窪みや模様の奥まで塗装が届かないようにします。

短毛ローラーで2色意匠塗装

ポイント2:斜めに塗装する

二つ目のポイントは、塗り方です。ローラーを転がす方向を、水平や垂直ではなく斜め45度にすることです。

斜めにすることで、より窪みへ塗料が入ることを防ぐことができます。

ローラーを斜め45度にして2色意匠塗り

ポイント3:軽く塗る

三つ目のポイントは、力の入れ具合です。強く押し込んでしまわないように、軽く転がして塗装します。

軽く転がしてもしっかりと塗料が乗るように、しかも垂れないように塗装するためのローラー捌き、さらには塗料の粘度の調整なども必要な技術になります。

 

手順4:最終チェックと終了作業

最終チェックを行い、掃除、解体作業を行ってお引渡しです。

2色意匠仕上げ完成
模様を活かした塗装となっていますね。

 

雨樋と2色意匠塗り塗装

壁以外には、塗料が付いていないことも確認します。

無事にお引渡しさせていたきました。

 

今回の記事では、2色化粧塗りについてお伝えしました。

今回の施工はもちろん一級塗装技能士の担当です。その様子をこちらの動画で紹介しています。ご紹介した3つのポイント部分に注目して、プロの技をご堪能ください。

最適な粘度の塗料が塗られている時の、チャリチャリという音がとても小気味よいです。

合わせて観たいYouTube

サイディングの2色意匠塗りについては、下記記事でも取り上げています。

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サイディング2色意匠塗り

2色化粧塗りは、4度の塗装や職人の技術がより必要になるということで少しコストはかかりますが、お家の外観を華やかにしてくれます。

是非とも覚えておいてくださいね。

菊池でした。

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