工事を一段上の仕上げへと変える、職人の腕と気遣いとは

先日のブログでは、トラブル対応についてさまざまな角度からお話いたしました。

今回は職人の気遣い、技について詳しくお話したいと思います。

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施工技術だけではない、工事に必要な近隣への配慮とは

現在日本全国に各業種の技能士がおりますが、一級技能士の免許を持っていれば誰でも一流の職人というわけではないのです。

では、どんな職人が一流と呼ぶにふさわしいのでしょうか。

天窓のシーリング打ち直しで分かる職人の力量

よく職人を評価する際に「腕がいい」という表現をすることがありますが、この『腕=技』がよくても『良い工事』にはならないことがあります。

なぜ、技だけではだめなのか…。それは技にプラスして、将来の家の状態を見る力、そして気配りが無いと良い工事にならないからです。

例えば、この天窓。

天窓は屋根部分にあり、傾斜がついているものの太陽光の影響をダイレクトに受けます。

そのためシーリングの劣化が激しく、雨漏り原因になることが。

そこで、塗装工事の際にシーリングの打ち直しをします。

 

技術的には、まず元からあるシールを剥がし、その部分にプライマーを塗り、新しいシーリング剤を注入する。

ある程度の腕がある職人であれば、表面がなめらかで美しいシーリングを打つことが出来るでしょう。

しかし、ここからが職人として一流かどうか決まるのです。

 

天窓に元からあるシーリングは、神経質なくらい綺麗に取り除かないと、新しいシールを打ち込んだ際に薄くしか入らず、浮きやすくなってしまいます。

表面上は綺麗に見えても、元シールの取り除きが不十分な場合、打ち直したシールが剥がれ空いた隙間から雨水が入り込み、雨漏りの原因となるのです。

併せて観たいYouTube シーリングと塗装

きっちりと元シールを取り除いたあとも、経験値が必要となります。今度はシーリングを密着させるためのプライマーを塗り込むのですが、これは元のシーリング幅よりも太めに塗ります。というのも、万が一打ち直したシールがゴミなどによって浮きが出た際に、少しでも幅を広げて接着面を大きく取ることで剥がれを予防できるからです。

そして、最後にもう一つ。今度は職人がいかに現場の状況や未来を予測できるかに関わってくる仕様があります。

上記のプライマーを塗っている写真を見て頂くと分かるのですが、下部分のマスキングテープの幅が、他のマスキングテープの幅よりも太くなっているのがお分かりになりますでしょうか?

これは、窓の傾斜に合わせて下部分のシーリング幅に一番幅を持たせ、さらにカーブをつけることで水が流れるようにするためです。

窓が傾斜していると、当然のことながら、水は下に向かって流れます。

 

そしてガラスと枠の角度のままにシーリングを流し込むと、水が直角になった部分に溜まることに。

これはシールの劣化に直結します。

そこで、あえて下部分の直角になってしまっているところに、シールを盛り、滑り台のような緩やかな傾斜を付けて、落ちてきた水が天窓からさらに下へ流れるようにするのです。

こうすることによって、シーリングに水が溜まることもふせぎます。

 

たかだか天窓のシーリングの打ち替えですが、これだけの気遣いが必要に。

そしてここまで予測して施工するのが、技術以上に大事なことなのです。

 

外壁のシーリング打ち込みと補修工事

 

次に、外壁です。

所々、外壁のボードが割れていて、お客様がご自身でシール剤を打ち込んだ箇所もありました。

こちらもシーリングの打ち直しをするのですが、実はこの壁…普通のシール職人では壁の状態を悪化させる恐れがあったのです。

弊社のシーリング職人の一人である市川職人は、シーリングの職人でありながら元々はサイディング職人でした。

ですので、シーリングの打ち直しをする際に、サイディング壁の補修も行うことができます。

 

今回の外壁は、すでにもろくなっている状態でした。

外壁の写真を見ると分かりますが、釘が打ってあるところから三角状にサイディングが割れているのがわかると思います。

サイディングの浮きを止めるために釘打ちなのですが、闇雲に壁に釘を突き立ててしまうと、このように外壁が割れてしまうのです。

そこで、特殊なドリルを使いネジ穴をすり鉢状に開け、なべネジと呼ばれるネジで締め穴をふさぎます。

力を入れすぎず、慎重にドリル穴を開けることで、外壁へのダメージを極力抑えることが可能に。

さらに、元からあるシーリングやお客様が塗りこんだシリコンも丁寧に除去し、プライマーを塗り新しくシーリング剤を入れます。

市川職人でなければ、できない技の掛け合わせではあるのですが、こうしたあらゆる状況を考えて対応してくれる職人がいることが、弊社の特徴の一つなのです。

ちなみに今回の工事はお盆前の一期とお盆後の二期で工事を二部制にしていたので、どこまでシーリング剤を打ったかなど見分けるために、仮止めの箇所は色も変えていました。

ひとつひとつは大きな事ではありませんが、この小さな気遣いがその後工事の仕上がりに大きく影響がでるのです。

併せて観たいYouTube 本物のシーリング職人完全版

ここまでは、天窓のシーリングや、壁のシーリング工事をする際に、一流の職人だからできる将来の状態を予測する工事について、どんな気配りがあるのかについてご説明いたしました。

ここからは、外壁塗装担当の職人が現場で見せた気遣いと、こうした一流の技を引き出すためには何が必要なのかについてお話したいと思います。

 

隣家への水しぶき飛散を防ぐ

 

最後にご紹介するのは、外壁塗装を担当した職人の気遣いについてです。

水洗いする際に、少しでもお隣への飛散が少なくなるようにブルーシートを張って作業をしました。

お隣とのトラブルについて詳しく説明させて頂きましたが、その一件から、職人達には細部まで気をつかって作業をしてもらうことに。

その中で代表的なのが、このブルーシートを張っての作業です。竹山職人がしっかりと対応をしてくれました。

通常足場を組んだ際には、足場シートを張ります。

これによって、塗料が飛散するのを防ぎ、道具や職人の落下も防ぎますが、あくまでもメッシュシートなので、水は通してしまうのです。

そこで、水をまったく通さないブルーシートを張ることで、お隣への水の飛散を遮断しました。

屋根を高圧洗浄する際も、ホースを向ける方向に細心の注意を払い、お隣へ飛び散らせること無く洗浄を。

併せて観たいYouTube

高圧洗浄をする塗装職人たち

水を飛び散らせない…という小さなことではありますが、職人達の気遣いと手間によって実現することができました。

職人の力、管理の力、そしてそれに伴う費用

 

今回は職人の技術だけに注目するのではなく、数年後の建物の状態や材料の状態を考えた未来まで配慮する気遣いなどについてご紹介いたしました。

日本全国、腕を持った職人は多くいると思います。

それでも、気遣いが出来る、他の技術も応用して対処ができる…といった一流の職人は、なかなかいません。

 

今回僕が紹介した職人たちは、本当に気遣いのできる素晴らしい職人達です。

彼らなしには、出来ない現場というのも存在します。

最近、『自社施工』を売りにしている業者がありますが、僕はこれに少し疑問が…。

というのも、塗装工事は多数の専門職人がリレーのように現場をつないで行く工事です。シーリング職人、塗装職人、板金職人、大工職人など多数の職人を自社で全員抱えているというのはあまりにも無理があります。

 

そして工事費用の安さを見ると、そんな多くの人数が関わっている工事とは思えないのです。

ということは、何人かの職人が他業種を兼任していたりするのかもしれません。

 

見た目は、なんとなく仕上がる工事でしょう。それでも今回のブログで紹介したような、天窓の下部分のシーリングにゆるいカ-ブをつけたり、メッシュシートではなくブルーシートを張り込んだりはできないと思います。

できないと言うよりは、専門の職人ではないので、「対応が思いつかない」というほうが正しいかもしれません。

 

工事は『職人の力』、そしてそれを上手く振り分け作業をつなぐ『管理の力』、そして要所ごとにきちんとかけられる『費用』があって、初めて一流の工事が成り立ちます。

どれが欠けてもダメなのです。

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どんなに力量や気遣いが一流でも、料金以上の仕事はできません。

みな生活がかかっていますので、費用が少なければ、その中でできる作業をするしかないのです。

そして最高の職人がいても、管理がうまくいかず現場が回らなければ、せっかくの職人の力が活かせないでしょう…。

 

このように一つ一つ考えていけば、費用が安い工事のゆがみが見えてくるかと思います。

安い工事で、良い工事はありません。『それなりの工事』しかないのです。

僕としては、これからも一流の職人がしっかりと力を発揮できるように、しっかりと管理をして余分に費用かけることなく工事に適した見積を算出し、お客様に心から喜んでいただける工事をしたいと思います。

 

それこそが、お客様のご希望に沿った工事につながると思うからです。

 

若い時から大手の大規模改修工事に携わり、官公庁の仕事も多くこなしてきました。知識は当然のこと現場も正しい仕事ができて当たり前です。常にお客様の立場に回り物事を考えて行動しています。 漏水対策も得意分野で2人の子供を抱えて毎日仕事に励んでいます。防水施工技能士。

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