もくじ
先日、久しぶりに関東は雪でした。
前日から大雪警報が出て、予想通り夕方からは雪が積もったのですが、こうした時…心配になることがあります。それは工事の進行です。
今回は、工事の日程が予定通りにいかない時の要因についてお話ししたいと思います。
塗装工事の場合、多少の雨や雪でしたら工事を進めることは多々あります。
たとえ雨が降っていたとしても、軒下の作業などであれば、進めることができるからです。
しかし、上記でもお話ししたように大雪や、台風は話が別となります。
例えば大雪の場合は、雪が積もってしまうことで工事ができない(塗料が乾かない)という物理的な理由もありますが、雪のせいで職人が車を出すことが出来なかったり、道路状況が悪くなったりしますと、そもそも職人が現場に到着できないということがあるのです。
職人がいなければ、工事を進めることはできません。
また、積もってしまった場合には、作業の前に雪かきをする必要があり、これもまた工程が遅れる原因となります。
台風も、風や雨が原因で塗装工事自体ができないということもありますが、やはり車移動が難しくなることが一番スケジュールを遅れさせる理由でしょう。
一昔前は秋が塗装に適している…などと言われていましたが、今は一年中台風や雪、ゲリラ豪雨などさまざまな自然現象があり、どの季節が適しているとは言えません。
ですので、もしも工期中にこれら自然現象が当たった際には、スケジュールの遅れをあきらめるしかないのです。
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塗装工事スケジュールが遅れる その他の原因とは
実は塗装工事のスケジュールを遅らせる要因は、自然現象だけではありません。
最も多い要因として、家の状態があります。
現場調査では塗装ができそうに見えていた屋根でも、高圧洗浄をかけてみたところバリバリと割れてしまい塗装が出来ない状態の屋根があるのです。他にも外壁など高圧洗浄をかけたところ、雨漏り箇所があらわになることも…。
これらは追加補修工事になるため、スケジュールは延びます。
しかも、家の補修はスケジュールだけでなく見積もりも大きく変わってくるので、自然現象よりもやっかいです。
屋根が塗装できない原因のほとんどは、ノンアスベストの屋根材であるパミールやコロニアルNEOなどで、この屋根は年数が経ってくると屋根板が層のように別れパリパリと割れてきます。
遠目には分からないのですが、高圧洗浄をしようと足場を建て屋根上に登った途端、職人が歩けないほどにもろくなっていることも。
その場合は、高圧洗浄はもちろんのこと屋根塗装もできなくなるのです。
そして、工事の選択肢としては屋根の葺き替え工事か、カバー工法となり、工事費用は一気に100万以上値上がりしてしまいます。
そのためお客様の中には、屋根の状態を伝えても「お隣と同じ時期に同じハウスメーカーから買った家だけれど、お隣の家は屋根塗装ができたと聞いた、
だからうちも屋根塗装ができるはずだ」とおっしゃる方も。
もちろん、最終的に工事の方法を決めるのはお客様ですので、お客様のお望みの工事をいたします。
しかし、割れたところに塗装しても屋根の補修にはなりません。
ではなぜ同じ状態の屋根なのに、お隣は塗ることができたのでしょうか。
それは、塗装工事を請け負った業者が屋根の割れに気がついていても、それをお客様に伝えず、わざと割れを無視して塗っているからです。(カバー工法を提案すると、費用が上乗せになることでお客様に嫌がられてしまうため)
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塗装業者の中には、荒っぽい仕事をして稼ぎ会社を潰し、また新しい会社を建てながら保証を逃れる業者もあります。
屋根上にお客様が登ることはほとんどありませんので、完工検査の時もバレてしまうことはまずありません。
そのため、お客様からすれば現状を知ることが出来ず、カバー工法などすることなく安く屋根塗装ができた…と勘違いします。
しかもこの勘違いは「お隣は屋根塗装ができたのに、なぜ塗装職人はカバー工法をすすめるのだろう。もしかして高い費用を要求するために嘘を言っているのではないか?」と疑われる原因になってしまうのです。
最近では、パミールやコロニアルNEOについてネットに詳しい記事がたくさんでていますので、是非そうした記事も読んで頂ければと思います。
きっと、正しい判断をして頂けるはずです。
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少し話が逸れてしまいましたが、塗装するはずだった屋根がカバー工法に変更となると新たに屋根職人や大工を手配するためスケジュールはズレます。
では、どのくらいズレるのか…。
イレギュラーなことが起きることを踏まえた上の工程表とはどのようなものなのか。
自然現象である天候や、足場を組んだことで初めて見つかる家の不具合など。
ここからはそれらを踏まえて、お客様にお渡しする工程表と実際のスケジュールに関してご説明致します。
工程表はあくまでも目安ということ
家というのは本当に大きく、またさまざまな技法を掛け合わせて建てられているため、非常に複雑な構造になっています。そのため、足場を建ててすべての箇所を丁寧に点検したり、高圧洗浄をしたりしないと、なかなか不具合を見つけることはできません。
そうした事実がある以上、塗装工事の工程表というのはあくまでも目安でしかないのです。
お客様に工程表をお渡しする際に、「こちらはあくまでも目安としてご覧下さい」と言葉を添えるのですが、それでもお客様によっては工程通りすすまないことで不安に思う方もいらっしゃいます。
またスケジュールが長くなった時だけでなく、予定よりも短い日程で終わった場合も、「こんなに早く終わるなんて手抜きなのではないかな?」と不安になる方がいらっしゃるのです。
工程が短くなるのには、理由があります。
そもそも塗装工事というのは高圧洗浄、補修工事、塗装、シーリング、板金などすべて別々の職人がリレー形式で行うものです。
そのため、職人が現場に入る日も前後がでるため、予備日を取っています。
ですので、スケジュール通り職人が現場に入れた際には予定よりも早くおわることがあるのです。
もちろん、予備日を取っていても、自然災害や家の補修箇所が見つかって、スケジュールが延びることもあります。
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ここで一つ注意しなければならないことが。
それは、スケジュールというのは雨で1日後ろにずれたからといって、すべて綺麗に1日ずれるわけではありません。
上記でお話ししましたとおり、塗装の職人が高圧洗浄をし、その後大工が入って補修工事をし、屋根職人も入って屋根の補修工事、その後防水の職人やシールの職人が入るなど、工事はリレー方式で工事を行います。
そのため、1日ずれたことで本当は翌日入るはずだった職人が、翌々日の作業になってしまい、別の現場仕事と日程がかぶってしまうことで来られなくなってしまうのです。
そうなってしまうと、1日だけ雨でずれたはずの工程が、職人のスケジュールによっては数日ずれてしまうこともあります。
お客様からすれば、「1日遅れただけだから、工事が伸びるのは1日だけだろう」と思いますが、実は1日の延期が数日に及ぶ場合もあるのです。
工事はイレギュラーの詰め合わせ
このように工事というのは、さまざまなイレギュラーなことが起こります。
そのため、お客様には工程表の日程よりも少し余分に日数を見て頂ければ幸いです。
家の塗装は、車の修理とは違います。
工場で同じ環境下の元、同じ設計図で作られた車と違い、それぞれの設計図で家で建てられ、環境も家の使用方法も何もかもが違うため、同じように築10年の家だとしても、工事の内容は家ごとに全く違うのです。
塗装職人では、お客様のことを第一に考えて工事を致します。
だからこそ、提案する工事もお客様と家のためを思ったものばかりです。
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工事の期間というのは、お客様にとっても重要だと思います。
しかし、期間を守るために手抜きをしたのでは弊社で注文した意味がありません。
スケジュールが延びる中でも最短期間で工事するために、しっかりとご説明させて頂きますので、こちらのブログも合わせてご覧頂けますと嬉しいです。
ご依頼を頂ければ、最後まで責任を持って工事いたします。