横浜市緑区のスレート屋根塗装|ひび割れ補修と縁切り【第2編】
横浜市緑区の住まいで行った屋根塗装の続きです。高圧洗浄を終えた屋根では、金属製の棟板金とスレートの屋根面を分けて下準備を進めました。ひび割れ部分を補修し、下塗りの上に中塗り、上塗りを重ね、最後は屋根材の重なり部分の縁切りまで行っています。屋根全体の色が変わる過程と、細部の作業を順にご紹介します。
棟板金は、表面を整えてから下塗り


棟板金の下塗りにはサーモアイプライマーを使用しました。棟板金は、屋根面の上端やつなぎ目に沿って設けられた金属の部材です。屋根を構成するスレートとは素材が異なるため、同じ屋根の中でも作業する部位を分けています。
はじめに研磨材を使って棟板金の表面をこすり、下地を調整しました。このような研磨作業は、塗装前に表面を整えるための工程です。広い屋根面を塗る作業に比べると目立ちませんが、金属部分には金属部分の準備があります。

下地を整えた棟板金に、ローラーで白い下塗りを行いました。板金は平面だけでなく、折り曲げられた縁や立ち上がりを持っています。ローラーを当てる面が切り替わるため、屋根材の広い面とは違う形をたどる作業になります。
棟板金と屋根材では、下地の性質に合わせて下塗りを考えます。「下塗り」のページでは、鉄部と屋根面それぞれの処理を紹介しています。
スレートの屋根面を白く下塗り


スレートの屋根面には、下塗り材としてサーモアイシーラーを使用しました。仕上げの濃い色を塗る前の工程です。棟板金に用いたプライマーと、屋根面に用いたシーラーを分けて紹介することで、部位ごとの施工内容もはっきりします。
屋根面へローラーを動かし、白い下塗りを進めました。スレートは板状の屋根材が段をつくって重なっています。大きく平らに見える面でも、細かく見れば段差が続いており、その形に沿って塗り進めています。


下塗りが進むと、屋根全体が白い面に変わりました。この白さは完成色ではありません。外から見える色が一度変わっても、ここでは仕上げ前の段階であり、続いて補修箇所への対応と色の塗り重ねを行いました。
正面方向からは、下塗りをした屋根材の並びと、棟に向かう面の広がりが見えます。屋根の工事内容を知る際は、完成した色だけでなく、このように途中の段階も分けて見ると、塗装がどの順序で進むのか理解しやすくなります。


軒先付近にも下塗りを行っています。屋根には途中で突き出した金具があり、その周囲では塗る面の形が変わります。軒先の縁や金具の近くまで含めて見ると、中央の広い面だけでは分からない細部が見えてきます。
棟に沿った方向から見た下塗り後の状態です。金属の棟板金とスレートの屋根面が白くつながって見えても、それぞれに下地調整や材料の使い分けがあります。仕上がると目立たなくなる工程を、部位ごとに積み重ねていきます。
下塗りから中塗り、上塗りへと進む全体の流れは、「屋根塗装の工程」にまとめています。
ひび割れを補修し、仕上げ塗装へ


下塗り後の屋根には、ひび割れを補修した黒い箇所が点在しています。施工前に見られた傷みへ手を入れてから仕上げを進めました。塗装による色の変化と、割れた部分への補修は、別々の役割を持つ作業です。
別の面でも、白い下塗りの中に補修箇所が見えます。補修は、屋根全体を同じように覆う作業ではなく、傷みがある部分に対応する工程です。広い面の塗装と局所的な補修を組み合わせて進めました。


近くで見ると、屋根材の端をまたぐように補修した部分が分かります。割れの位置や状態は一枚ごとに異なるため、ひび割れを見つけたら、その大きさだけで工事方法を決めず、周囲の屋根材の状態も含めて検討することが大切です。
棟沿いの屋根面にも、複数の補修箇所があります。今回はこうした部分を処理してから、濃い色の塗装へ進みました。補修跡が見える途中の姿は、仕上がりに向けて段階を踏んでいる状態です。

屋根の仕上げにはサーモアイDFを使用し、色はクールダークグレーとしました。屋根の印象を決める色ですが、同じ色でも日なたと日陰、見る方向によって明るさが違って見えます。色選びでは、こうした見え方も含めて考えると完成後の姿を想像しやすくなります。
中塗りで色を重ねる


白い下塗りをした棟板金に、濃い色の中塗りを進めました。棟は屋根面の境にあるため、仕上がりでは屋根全体の線をつくる部分でもあります。平らな部分から折れた縁へ、板金の形を追いながら塗装しています。
屋根面にも中塗りを行いました。ローラーを動かしたところから、白い下塗りがクールダークグレーへと変わっていきます。この段階では、すでに色が付いた部分と、これから塗る白い部分との境目がはっきりしています。

広い面で見ると、白い部分と濃い色の部分が並び、中塗りが進んでいる途中だと分かります。中塗りで色が付いても、それで全工程の完了ではありません。今回の屋根は、さらに上塗りを重ねて仕上げました。
別現場の関連動画:スレート屋根に中塗りを進める職人の手元をご覧いただけます。映像の塗料はサーモアイSiで、今回使用したサーモアイDFとは異なります。
棟板金と屋根面に上塗りを行う


中塗りのあと、棟板金へ上塗りを行いました。下塗りから続けて見ると、金属表面を整え、白く下塗りし、仕上げの色を重ねる流れが分かります。単に同じ作業を繰り返すというより、各段階の役割を積み重ねる施工です。
屋根面にもローラーで上塗りを行っています。中塗り後はすでに濃い色なので、下塗りから中塗りほど大きく色が変わるわけではありません。それでも工程を分け、屋根材の表面に塗り重ねました。


上塗り後は、屋根全体が落ち着いた濃色に整いました。棟板金と屋根面が一体に見える一方で、屋根材の段差は残っています。元の屋根の形を保ちながら、表面を塗り替えた仕上がりです。
正面側から見ると、屋根材の列に沿って光の当たり方が変わっています。屋根の外観は、塗料の色だけでなく、勾配や面の向きにも左右されます。一方向だけで見るより、複数の角度から見ると全体の仕上がりを捉えやすくなります。

軒先と突き出した金具のまわりも、濃い色で仕上がりました。近くからは屋根材の縁を、少し離れては面全体を見られます。細部と全景は、どちらも施工後の状態を知るうえで役立つ見方です。
塗装後の面と軒先を見渡す


雪止めが並ぶ屋根面から軒先まで、濃色の塗装を進めた状態です。面を塗り終えたあとには、屋根材が重なる縁への対応が続きます。


屋根の折れと棟のまわりも仕上げました。金属の棟板金とスレートでは下塗りを使い分け、仕上げでは屋根全体の色がそろっています。


雪止めのまわりや屋根材の端には、細かな段差があります。広い面の塗装に続いて、こうした重なり部分にも目を向けていきます。

軒先側まで色が整った屋根です。次は屋根材の重なり部分で、塗膜がつながった箇所へ道具を入れる縁切りを行いました。
屋根材の重なり部分を縁切り


屋根材の重なり部分で縁切りを行いました。縁切りは、塗膜でつながった重なり部分を処理し、必要な隙間を確保するための作業です。塗った面の色や艶とは別に、屋根材が重なる箇所へ手を入れています。
別現場の関連動画:手作業の縁切りに使う水切りカッターと、差し込んで隙間をつくるタスペーサーを紹介する道具の解説です。今回の写真で紹介しているのは手作業による縁切りです。
別の箇所でも重なりの縁へ道具を入れ、縁切りを進めました。屋根の塗装では、表面に塗膜を付ける工程と、重なりの隙間を扱う工程を分けて考えます。隙間の状態は屋根によって異なるため、実際の状態に応じた対応が必要です。


縁切りまで進めた屋根の全景です。施工前の状態確認から、洗浄、下地調整、補修、下塗り、中塗り、上塗り、そして重なり部分への対応と、屋根の各所に必要な作業を進めました。
屋根面と棟板金を仕上げ、重なり部分の処理も進めた状態です。屋根塗装の相談では、材料名に加え、ひび割れの補修や縁切りをどのように扱うかまで確認すると、工事内容が具体的になります。

施工終盤の屋根と軒先です。濃い屋根面に対して、白い軒樋やそのまわりが輪郭をつくっています。次の第3編では、外壁のひび割れ補修と、窓・設備・床を保護する養生をご紹介します。
手作業の縁切りと差し込み部材を使う方法の違いは、屋根の縁切りとタスペーサーはどちらがよいのかで詳しく説明しています。
