横浜市緑区のベランダ床|FRP防水のトップコート塗り替え【第6編】
横浜市緑区の施工事例、第6編はベランダ床のトップコート工事です。外壁や屋根とあわせて、普段は外から見えにくい床面も手を入れました。今回は既存のFRP防水の床表面を整え、下塗りのプライマーとトップコートで仕上げました。トップコートは、防水層の表面を覆う保護用の仕上げです。塗る前の準備から、平らな床と壁際の立ち上がりが仕上がるまで、順を追ってご覧ください。
最初に床面と壁際の状態を見る

施工前のベランダは、細長い床の周囲を壁が囲み、窓側と外周側で形が異なっています。表面には色むらや汚れが見られ、壁際には細い取り合いもあります。こうした床では、広い平場だけを見ても作業範囲をつかめません。立ち上がりや出入口付近まで含めて、どこまでが床の仕上げ面なのかを見ておく必要があります。また、汚れがあることと、雨漏りが起きていることは同じではありません。表面の見た目だけで防水全体の状態を決めつけないことも大切です。
ベランダの工事は、既存の床の種類と傷み方によって内容が変わります。トップコートの塗り替えと防水層からの改修の考え方は、「ベランダ防水」で紹介しています。
別現場の関連動画:工事範囲の違いを比べるため、下地板からFRP防水を作り直したベランダをご紹介します。ガラス繊維を施工する工程を含む改修例です。今回行ったのは、既存のFRP防水を残して表面を整えるトップコートの塗り替えです。
研磨と清掃で、塗る前の表面を整える


床面に研磨材を当て、手作業で表面を整えています。ベランダは壁に囲まれているため、道具を大きく動かせる場所ばかりではありません。平らなところから隅へと、手の向きや姿勢を変えながら進めます。塗装前の研磨は、完成後には見えなくなる工程ですが、仕上げる面を準備するうえで欠かせない作業です。いきなり色を重ねるのではなく、今ある表面に手を入れてから次へ進めていきます。
研磨のあとは、ブラシを使って床を清掃しています。表面をこすったあとには細かな粉やごみが残るため、塗り始める前に取り除く作業が必要です。壁際や排水口の近くは、広い面から集まったごみが残りやすい形をしています。床の中央だけをきれいにしても、こうした周囲に汚れが残れば作業はつながりません。研磨と清掃を一組の準備として進め、次の拭き取りに移りました。


続いて、ウエスを使ったアセトン拭きです。膝をついて手の届く範囲を確かめながら、床面を拭いています。ブラシで取り除くごみと、拭き取りで扱う表面の汚れでは、作業の性質が異なります。一つの道具だけで準備を済ませず、工程ごとの役割に合わせて進めることが大切です。完成後は同じグレーの床に見えますが、その下には研磨、清掃、拭き取りという異なる準備が重なっています。
窓に近い部分も、形状に沿って拭き取りを進めました。ベランダの出入口付近には段差や立ち上がりがあり、平らな床と同じ姿勢では手を入れにくいところがあります。端まで手が届くようにウエスを当て、面の切り替わる部分を扱います。床面の中央はよく目に入りますが、こうした細い範囲も仕上げの一部です。塗り上がったときに一続きの面として見えるよう、準備の段階から周囲を含めて進めています。

壁際の立ち上がりにも拭き取りを行いました。床から壁へ立ち上がる部分は、水平な面と垂直な面が交わる場所です。ローラーが動きやすい床の中央とは違い、角の形に合わせた手作業が必要になります。ベランダの工事を比べる際は、平場の面積だけでなく、このような立ち上がりが範囲に含まれているかも見ておきたい点です。今回は床面と周囲の形をたどりながら、下塗りへ進むための準備を行っています。
床の表面を整える作業は、塗装を重ねる前の大事な準備です。「下地調整」では、FRP防水の表面を目粗しする例も掲載しています。
プライマーを塗り、トップコートへつなぐ


下地を整えた床に、ローラーでプライマーを塗布しました。プライマーは、次に重ねる仕上げ材へつなぐ下塗りの工程です。色が大きく変わらない作業は完成時の華やかさがありませんが、床全面を仕上げる流れの中で役割があります。壁際と床面では道具の当たり方が変わるため、塗る範囲の端も意識しながら進めます。目立つ仕上げ色だけでなく、その前に何を行うかが工事内容を知る手がかりになります。
今回の材料は、プルーフロンのプライマーSと、グレーのGRトップです。GRトップはA液とB液の容器が並んでいます。下塗り用の材料と仕上げ用の材料は役割が異なり、同じものを繰り返し塗るだけではありません。ベランダの床材にはさまざまな仕様があるため、似た外観だからといって、どの材料でも同じように使えるとは限りません。この現場で用いた材料と、実際の下地調整から仕上げまでを合わせてご紹介しています。
トップコートを重ね、床と立ち上がりを仕上げる


トップコートの1回目を塗り進めています。グレーの塗料が広がり、下地調整中とは床の印象が変わってきました。細長いベランダでは、壁や出入口との位置関係によって、ローラーを動かせる方向が限られるところもあります。広い部分はローラーで塗りつなぎ、周囲の細かな面と一続きになるよう仕上げていきます。色が付いた時点だけを見るのではなく、続く塗り重ねまでが今回の作業です。
さらにトップコートの2回目を施工しました。1回目と同じグレーなので大きな色の違いはありませんが、別の工程として床面に重ねています。塗装の工程は、色が変わる回数だけで数えられるものではありません。ベランダ床は人が歩く場所でもあり、壁面とは道具の動かし方や作業の進め方が異なります。平場と立ち上がりのつながりを見ながら、周囲を含めた仕上げへ進めました。
別現場の関連動画:マンション屋上の既存防水にトップコートを塗る作業です。平場と立ち上がりで道具を使い分ける様子をご覧ください。屋上の防水仕様・使用材料は、今回のベランダの既存FRPとGRトップとは同一と確認できていません。

塗り重ねを終えた床面です。グレーの平場から壁際の立ち上がりまで、まとまりのある仕上がりになりました。撮影時には足場が残っているため、支柱の下に置かれた台座も見えます。床だけを工事して終える現場と、外壁や屋根の塗装が同時に進む現場では、作業中の周囲の状況が違います。完成した面と、足場など工事のために置かれているものを分けて見ると、床そのものの仕上がりが分かりやすくなります。


最後は、形の異なる床面の仕上がりです。細長い床面も、小さな区画の床面も、壁際までグレーの面が続いています。面積の大小にかかわらず、出入口や立ち上がり、隅の形はそれぞれ違います。トップコート工事では、こうした形状に合わせて表面を整え、仕上げることが大切です。床がきれいになったことだけで、防水全体の状態や今後の持ちを一律に判断できるわけではないため、日頃は表面の傷みや排水まわりの変化にも目を向けておきましょう。
既存FRPのトップコートを塗り替えた別の施工例は、サイディング木目調を美しく塗装再生した川崎市のお宅の記事内、ベランダ床の工程でもご紹介しています。下地調整や材料の条件は今回と同一とは限りません。
今回は、既存のベランダ床に下地調整とトップコートの塗り替えを行った様子をご紹介しました。雨漏りや大きな割れなどがある場合には、表面を塗り替えるだけで対応できるかを別途見極める必要があります。ご相談の際には、床の見た目だけでなく、気になり始めた時期や普段の使い方もお伝えいただくと、状態を確認する手がかりになります。次回は、玄関まわりの基礎塗装です。
