弊社「塗装職人」は外壁や屋根の塗装などを行う会社です。
塗装会社といえば、ルーラーや刷毛を使って美しく塗装する職人の姿を思い浮かべることが多いでしょう。
もちろん弊社も職人たちの一級の技術をお客様に提供しているのですが、実際には職人以外の業務もあります。
その中でお客様との窓口になってお話しさせていただく機会の多いのが、私が担当している「見積もり担当」です。
見積もり担当がどのような仕事をしているかというのは、お客様からはあまり想像がつかないかもしれません。
そこで今回は、塗装職人の見積もり担当とは一体どんなことをしているのか、見積もり担当である私の一日を通してご紹介したいと思います。
大切な見積書、朝一番で作成いたします
朝は8時半に事務所へ入ります。
事務所に入って一番にすることは、見積書作りです。
メールチェックなどは、夜のうちにタブレットなどで確認したり、朝ご飯を食べながらチェックをしたりします。
事務所での仕事を終えた後、11時にはその日最初のお客様宅へ。現場へは10~15分前に到着するようにしています。
車を停める場所を確保しましたら、その後は近所で工事をしている方はいるか、お隣との距離はどのようになっているかなど、お宅の周辺のチェック。
お約束の時間になったら、お客様宅へ伺います。
お客様と行う打ち合わせ内容は以下の通りです。
- 外壁塗装の見積もり・現場調査
- 見積もり後の見積書の説明
- 契約書の確認
- 色のご相談
- 解体後の完工
これらのいずれかの内容で1時間くらいのお打ち合わせをし、その後は昼食、午後からの打ち合わせ予定のお客様宅へと向かいます。
まれに午前は西東京、午後は鎌倉のお客様のような長距離移動の場合もありますが、できるだけ同じ地域のお客様先に伺うようにしています。
打合せに時間をかけるのが外壁の色決め
打ち合わせ内容で、時間をかけるのが外壁の色決めです。
家は車や洋服のように実物での色見本などが作れないため、ヒアリング後に色のご提案をさせて頂き、言葉や資料などで色味をイメージして頂くしかできません。
実際に、ご自宅全体の色を変えたお客様の例をご紹介しています。
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カラーシミュレーションでイメージを確認
そんな中、塗装職人では「カラーシミュレーション」でお客様にご確認いただいています。
カラーシミュレーションとは、お客様宅の写真にパソコンのソフトを使って色換えをしたサンプルを何種類かお作りするもの。
お客様が外壁の色をイメージしやすくなるのです。
本番の色味そのまま…とはならずあくまでも参考程度ではあるのですが、お客様に塗装後のイメージを膨らませていただくためにも、何枚かサンプルを作成してご覧に入れます。
「ハナコレマイスター」の知識を活かしたサポート
菊池も「ハナコレマイスター」の資格を持っていますので、お客様ができるだけご自身の外壁イメージに近いものを表現するためのサポートをさせていただきます。
ハナコレとは、塗料のパーフェクトトップより自然色彩の原理から生まれた塗料で、花をイメージした優しい色合いの塗料です。
塗装職人ではその塗料についてのご紹介もできますので、従来の塗料ではご提案することのできなかった淡い色彩などもお選びいただけます。
塗り板見本で見比べ
カラーシミュレーションでおおよその色味が決まりましたら、場合によってはA4サイズの板に塗料を塗った『塗り板見本』を塗料メーカーから取り寄せます。
この塗り板見本を家の前に置いて、比べるなどしながら最終的な色決めをするのです。
工事後に「この色に決めてよかった」と言っていただけるように、丁寧にご提案させて頂きます。
まれに何日か日を置いて2~3回色を検討することもありますが、時間を置くことで色の印象が変わることも。
できるだけお客様のご希望に沿うように致します。
先日は「つやあり」「七分つや」「五分つや」「三分つや」「つやなし」と5種類の塗り板をご用意。
比べてご覧になったお客様からは、「非常に分かりやすかった」とおっしゃって頂けました。
というのも、つやというのは消せば消すほど塗料としての性能が落ちてしまうのです。
その違いを、この取り寄せた塗り板を比較することでご納得いただけたのでした。
もちろん塗料によってはつやを消せないものもありますので、そういった塗料の特徴は日々見積もり担当として勉強をしています。
お客様に聞かれた時に、説明するのが当たり前のことだからです。
知識も日々アップデートが必要
新しい塗料がどんどん発売されているので、日々勉強してキャッチアップすることがとても大切です。
ある意味、見積もり担当は塗料の特徴などを勉強することができない人には辛い仕事かもしれません。
いくら話術が上手くても、塗料を理解していないと「良い外壁塗装工事」のご提案にはなりませんし、お客様にご満足いただくのも難しいでしょう。
難しい屋根の色決めもサポートいたします
屋根塗装も、色決めが難しい箇所です。
現在では猛暑の影響などもあり、遮熱塗料がポピュラーなのですが、遮熱塗料の場合色選びに難点があります。
その難点とは、色が白いほど遮熱効果を発揮するという点です。
一般的な屋根塗装では暗い色が使われていることが多く、塗り替え前と同じ色で屋根を塗り替えてしまいますと、せっかく遮熱塗料にしても白い色より多くの効果を期待出来ません。
ですので、少しでも白い色味にしようとするのですが、お客様方はこの屋根色を壁色に合わせることで苦労される方が多いように思います。
先日、家全体を白く統一されたお客様が、屋根の遮熱塗料も白色にされました。
トータルコーディネイトが功を奏し、家全体の色がとても良い仕上がりになり、さらに遮熱効果も最大限に発揮された仕様でした。
今後もこのお客様の家のように、遮熱塗料の効果を少しでも引き出せるよう、アドバイスをしていきたいと思います。
ここまで外壁塗装と屋根塗装の色決めについてご紹介しました。
塗装する際の色決めは、塗装工事最大の楽しみです。
もちろん家をコーティングするために再塗装するのが目的ではあります。
それに加えてお客様のオリジナリティあふれる色に変えることで、まるで新しい家を手に入れたような感動も味わえるのです。
建て売りの家を買われたお客様は、最初はハウスメーカーが指定した色です。
ですが、この外壁塗装で自分らしい色に塗り変えることで、より家に愛着がわくのです。
そうしたお客様の感動のためにも、菊池としてはイメージを明確化するお手伝いの打ち合わせがとても大事だと思うのです。
工事の「段取り」も見積もり担当の仕事です
お客様との打ち合わせ後は、工事をするための段取りを組みます。
段取りを組むためには、予測と知識と経験が必要です。
段取りを誤ると施工が滞ってしまうことがあるため、あらかじめ問題を予測して備えたり、塗装の順番を意識したりする必要があります。
足場の段取り
まずは足場業者への段取りです。
もしカーポートなどが足場を建てるさいに邪魔となる場合は、カーポートのアクリル板を外す手配をします。
専門の業者がアクリル屋根を外すことで、カーポート内にも足場を立てることができるようになるのです。
手配の際に気をつけなければならないのは、「足場業者が入る数日前にセッティング」することです。
なぜ数日前かといいますと、雨などが降った際にアクリル板を外すことができない場合、その後の足場業者の作業からすべての工程がずれてしまうからため。
足場業者も、毎日足場を組むスケジュールが入っていますので、単純に今日がダメなら明日…というわけにはいきません。
1日ずれたことで大幅にスケジュールが変わってしまうこともあるため、雨が降っても対応可能な余裕あるスケジュールを組むことが大切です。
職人の手配
それ以外にも、メインの塗装職人の手配やシーリング職人の手配、そして屋根職人の手配などもおこないます。
補修がある場合は、大工の手配をすることも。
シーリング職人の手配は、塗料によっては塗装後に工事をしてもらうこともあるので注意が必要です。
壁に模様が入っている外壁や、レンガなどの外壁の場合は「クリア」と呼ばれる塗料を使うのですが、このクリア塗料とシーリングの相性が悪いのです。
通常の塗料であれば、シーリング工事を行ってから塗膜をかぶせるために塗装工事を行います。
しかし、クリアの場合は塗料を先に塗り「化粧合わせ」と呼ばれる方法でシールを打つ施工をするのです。
この場合打つシール剤も、段取りもまるで違いますので、私が采配を間違えたら現場は大混乱に…。
そのためにも、塗料のこと、防水のこと、シーリングの工事内容を把握することが、見積もり担当には必要なのです。
工事の進行チェック、完工チェックも担当します
業者のスケジュールが組めたら、足場を建てていよいよ弊社の職人たちが腕をふるう番となります。
現場がスタートしたら、菊池は要所でお客様の様子を見に行くようにします。
現場が予定通り進んでいるか、お客様のご要望が反映されているかなどなど…施工中のお客さまの不安な箇所をヒアリングするのも見積もり担当の仕事です。
完工後は、足場のある状態で現場管理担当者が完工検査を行い、直しの必要がある場合は職人が手直しします。
その後、足場を解体したら見積もり担当の完工検査です。
ぐるりと家の外壁をチェックして問題がなければ、請求書を渡し、これで見積もり担当としての仕事は終了となります。
こちらが完工検査の様子を収めた動画です
併せて観たいYouTube
見積もり担当の仕事は「コーディネーター」
菊池の仕事は、名前こそ「見積もり担当」ではありますが、その実は塗装工事を円滑に進めるためのコーディネーターです。
外回りが終わりますと最後は事務所にもどり、メールチェックを行い、しっかりと腰を据えてお返事しなければならないメールなどはこの時に返信をします。
事務のスタッフや、ネット担当のスタッフと打ち合わせや指示をして、家へ帰宅するとだいたい20時過ぎです。
とはいえ、その後も夕食をとりながらメールチェックをしたり、明日の段取りなどを職人や業者などに確認したりします。
最近はLINEがありますので、職人や業者への確認が非常にスムーズになりました。
良い仕事を皆様に提供したいという思い
どうしても「見積もり担当」という仕事は、お客様や職人など相手ありきの仕事なので時間通りに業務を終える…というわけにはいきません。
お客様の希望があれば、朝7時からの打ち合わせや夜19時からの打ち合わせにお伺いすることもあります。
ふと、今回こうして自分の仕事内容を書いていて「なぜ、家で仕事をしていても気にならないのだろう」と考えました。
結局のところ、良い仕事を皆様に提供する使命感なのです。
大好きな人たちやスタッフ、そしてお客様の喜ぶ顔が見たくて、仕事をしているのだと思います。
今回のブログで、少しでも見積もり担当の仕事が伝わりましたら幸いです。
常に段取りに追われ忙しい日々ではありますが、これからも東奔西走しながら仕事に邁進し、よりよい塗装工事を提供できるよう、がんばりたいと思います。