今回は横浜市緑区のお客様の施工のご紹介です。
外壁から屋根まで、全面的な塗装のご依頼でした。
緑区での外壁塗装施工の概要
今回のポイントは、塗料の量と塗装の技術です。
見積もりに伺ったところ、お客様のお宅の外壁は、このようなザラザラのあるモルタルでした。
こういった外壁の場合、つるつるとした外壁やサイディングに比べると、約3倍の塗料が必要になります。
多くの塗料をしっかりと塗装するのには、しっかりとした技術が必要。
最新塗料を使って濃厚タップリな塗装。一級塗装技能士の上位資格の塗装指導員の職人が担当いたしました。
【職人によるポイント紹介】:塗料の量
たっぷりの塗料が必要
今回下塗りに使用した塗料は、日本ペイントさんの最新塗料「パーフェクトフィラー」。
2日目:高圧洗浄
- 方角によってカビのつきやすさも変わってきます。クサビ足場を組みました。
- 割と四角いお家で、一面がまっすぐで敷地もせまくないため職人も作業しやすいです。ただ壁が粗いのでそこがこの現場の勝負です。
- コロニアル(カラーベスト)のスレート屋根です。オレンジ色に見えるのがコケ。雨にぬれるなどして水分を含むと若干緑色に変わります。
- ベランダの水はけがよくありませんでした。お家によってはモルタルで傾斜の調整をしたりしますが、FRP防水塗装では困難です。水はけが悪いとカビと汚れがつきやすいため、洗浄できれいにします。
- スレート屋根の高圧洗浄です。コロニアル屋根のコケを、体が反発して揺れるほどの強い高圧の水流で落としていきます。ただクサビ足場なので足場は安定しており、念入りな洗浄ができます。
どんなに良質な塗料でもはがれてしまえば全て台無しです。高圧洗浄は密着性を高めるうえで一番重要です。
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3日目:下地調整
- 屋根の洗浄が終了しました。コケの部分と古い塗装が剥がれて、所々屋根の色が違うのが分かります。 お隣には洗濯物が干してあります。事前にごあいさつをさせていただいていますが、洗浄の際は特に気を付ける点です。 足場を屋根よりだいぶ高く掛けることで、洗浄水がかかってしまうリスクを減らしています。
- ベランダもきれいになりました。ただ強くこびりついたものに関しては、150キロ圧のガソリンエンジン式の洗浄機でも取りきれるものではありませんでした。
- コケが付着していた壁にも高圧洗浄処理をしました。ただの水ですが、水圧が強いのである程度のカビやコケはとれます。ただし、ざらざらの外壁はツルツルとした壁と比べて取りにくいのは確かです。たまにどうしてもカビが残ってしまう場合もあります。あまり集中して水圧を当て続けると今度は壁を傷つける原因にもなるので、調整が必要です。
- コケが付着していた壁です。この通り、綺麗になりました。外壁の下地調整の終了です。
- 高圧洗浄が終わって翌日、屋根の鉄部部分の下地調整のケレンを行っています。たわしのような「マジックロン」でこすりながら研磨します。塗料のはがれを防止する作業ですね。
- 棟板金は築年数が経てばたつほど釘が飛び出るので、下地調整の時に金づちで打ちこみます。スレートのコロニアル屋根は塗装しなくてもいいという話もたまに耳にしますが、屋根はスレートだけではありません。このように錆びてしまう鉄部もあり、釘の抜けもあるので、やっぱりメンテナンスは必要です。
下地調整の重要な理由はこちらにも載せています。
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4日目:屋根棟板金さび止め
- 玄関前の養生です。玄関前は出入りするためブルーシートを敷きます。普通のビニール、少し厚めのノンスリップマスカー、トントンシートなど養生の中でも数種類あります。ただし一番滑りにくくて破れない、足を引っ掛ける可能性もなく、玄関前に最適なのがやっぱりブルーシートですね。
- 雨押さえは鉄部なので、錆止めを塗りました。様々な色があるのですが、今回はグレーの錆止めをチョイスしました。雪止めにもさび止めを塗っています。
- アンテナの足も鉄部なので、同じ錆止めを塗布しました。もちろん、色によっての性能の違いはありません。スレート部は鉄ではないので、また別の塗料で下塗りです。このように手間はかかりますが塗り分けます。
- くさび足場は本当に安心して作業ができるのです。
- 軒天には排気口があります。夏になるとここから熱い湿気が抜け出てきます。効果あるんだな~と思う一瞬です。
- ベランダの笠木はアルミです。ここは塗らないので養生をします。 この部分は傷ついてしまう場合が多いので、厚手のブルーシートでがっちり保護をします。
- 玄関上はベランダになっています。当然壁よりベランダは張り出しているため、ベランダの下部分は壁塗装用の足場だけでは届きません。そのためもう一段横に少し高くして足場を余計に組んでいます。脚立より作業性がいいですね。
5日目:軒裏塗装
- 軒と壁の下塗りです。真っ白になりました。軒を塗ると塗料がパラパラと下に落ちます。壁を先にきれいに仕上げてしまうと、その下に落ちる塗料でせっかく塗った壁を汚してしまいます。そのため軒から仕上げるのが通常の塗装の行程です。
- 縦樋にミッチャクロンを塗布しています。名前の通り、塗料の密着性を高める下塗り塗料です。面白いですね。レンガは塗装をする必要がなく、そのままだと汚してしまうため、ビニール養生をしています。
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6日目:屋根遮熱下塗り
- 1階から見上げた、ベランダの上げ裏天井です。ここも先に仕上げます。
- 一級塗装技能士の職人ががっつり塗りこみます。
- 屋根の下塗りが完了しました。黒かった屋根が真っ白に染まっています。白い下塗り剤は、サーモアイ専用の下塗り剤です。薄く塗るともっと透けて下地の屋根が見えるので、濃厚にたっぷり塗っている証拠でもありますね。
- 下屋根も下塗りを済ませました。同じく真っ白です。
- 軒の後はローラーでは塗りきれない外壁の刷毛塗りで、パーフェクトフィラーで塗装しています。
- 細かい場所まで刷毛を入れます。
【職人によるポイント紹介】:屋根の下地塗装
ドロドロしている屋根の遮熱塗料は、塗りやすくするためシンナーを加えますが、過剰に薄めることでコストを下げるような業者がいます。
この日本ペイントのサーモアイは下塗りが真っ白な色。この下塗りの白が太陽熱を遮熱させるひとつの目的ですが、薄め過ぎると塗る前の屋根の色が透けて見えます。
塗装業者が適切な塗料量を使っているかどうかは、屋根の元の色が透けていないことで確認できますよ。
ぜひ参考になさってください。
サーモアイ塗装の記事も纏めています。
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7日目:遮熱屋根下塗り
- 真っ白になった屋根の下塗り後は、中塗りです。ローラーで入りきらない場所を刷毛塗りしていきます。
- 屋根の谷になっている鉄板の場所をブラックの遮熱塗料にて中塗り。
- 外壁の下塗りです。 業者さんが見るとわかるのですが、相当濃厚な塗料で下塗りしています。 ここだけ濃く塗って後は薄く伸ばした塗料で塗るという行程作業写真によくありがちな撮影の仕方もしていませんよ。 予算不足の工事費用をすこしでも捻出しようと自らの生活を守るためよくやってしまう手口ですね。 毛の長めのローラーでたっぷりとパーフェクトフィラーを塗布しました。
こちら塗料の消費量についても詳しく説明しています。
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8日目:下塗り
- これは屋根の上塗りで仕上がりの様子です。
- 外壁の下塗り完了です。デコボコの目の粗い外壁は塗料の吸い込みも半端ではありませんでした。 薄く伸ばして塗ってしまうのは仕事も早いですが、塗料性能を犠牲にしてしまい、カビ、苔が再発する可能性が高まります。薄く延ばして塗ったときはもっと下地透けて見えてたり全然するため、職人が見ればわかります。
- 壁の中塗りをはじめました。
- こちらは中塗りをする前のベランダの下塗り状態。真っ白ですね。
- 塗りづらい樋の裏まで、がっつり下塗りしています。吸い込みが激しく、巣穴が目立ちやすい外壁なので、きっちり塗りんでいます。
- 中塗りに使用したのは、水性シリコンセラUV。肉厚ありませんが、ここでもたっぷりと塗っています。 この塗料はカビや汚れに強く、UV機能を付与しているため、紫外線にも強いのが特徴です。 紫外線に強ければそれだけ対抗性もあるということ。 塗料メーカーによる、紫外線ランプを当て続けて耐久性を調べる「暴露試験」を経ています。
9日目:中塗り
- 角の左側は下塗りの白、右側は中塗り。ともに日本ペイントさんの塗装仕様である塗布量を守っています。
- 仕上がった屋根に、夜露が付いていますね 前日に塗った塗装が乾かないうちにこの夜露が付いてしまうと、光沢が無い屋根になってしまいます。 光沢が無くなってしまうと遮熱塗装の遮熱性能が落ちてしまうので、冬場は特に感想時間に注意して、早いうちから作業に取り掛かるのです。 サーモアイは他の屋根塗料よりドロドロして肉厚が付くため、この後念のため縁切りをします。
- 応援に来ている山之内です。 ベランダ内の養生も徹底しています。 養生も細かいところまで念入りに行うと、やはり細かいところまでがっつり塗装ができます。 念入りな養生をすることで、飛散などに注意を取られずに集中して塗装することができるのです。
- ベランダ内の塗装の完了です。
- 軒裏と外壁の完成。
- 後は養生をはがすと、外壁の完了です。
こちら今回の現場同様、モルタル外壁塗装について詳しいページです。
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10日目:雨戸塗装
- 養生がとれてすっきりしました。ようやく窓から風を通すことができます。
- がっちりのくさび足場です。
- 鏡板雨戸のケレンを始めました。平面雨戸と違って段々になっているため一段、一段研磨しています。ペーパーヤスリで傷を付けて、塗料の食いつきを良くさせます。ほかにはスコッチブライトというハンドパットで目粗しする場合は、3段くらいまとめてケレンできます。
- ミッチャクロンという下塗り塗料を塗布しています。通常の塗料は厚みをつける必要がありますが、この塗料はうす塗りでないとだめなのです。透明でサラサラしているため、さび止め塗料より断然に塗りやすく、付着力がすごいので後々安心のプライマー(下塗り塗料)です。
- 雨戸を一旦取り外すことで、早くきれいに塗装できます。 カップガンというコンプレッサーを使ったスプレーによる塗装です。
- 光沢がありますが、これは下塗りのツヤです。
- 外壁の近くのため本来は養生は必要ないのですが、雨戸を吹き付けるため、ノーポリというビニールシートで覆いました。
- 雨戸完成。
こちら同じ緑区内で雨戸塗装もしたお宅です。
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11日目:屋根縁切り
- 後は取り付けるのみ。雨戸がきれいに仕上がるときもちいいですね。
- 屋根の最後は縁切りです。塗装直後に縁切りしても再度塗料でくっついてしまうため、完全に乾き切ってから皮スキで隙間を作ります。 ただこのお家もはじめての塗装であったため、ほとんど縁切りが必要ありませんでした。縁切りにはタスペーサーという道具を使う場合もあります。 しかし、タスペーサーを使用すると、屋根をあることでひび割れてしまうリスクもあります。 タスペーサーばかりの話をする業者さんは実務作業を知らない業者さんだったりするのでその辺消費者側も慎重になりましょう。
スレート屋根の縁切りは必ずしも必要ではないのです。
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12日目:ベランダ防水トップコートとウッドデッキ塗装
- ベランダのトップコートです。
- FRP防水は頑丈ですが、トップコートをして表面の劣化を防いであげます。ちなみにトップコートを塗れば防水性能は上がるわけではありません。
- 破風と雨樋はお客さんの希望で、緑色に仕上げさせていただきました。
- 最後は縁側のデッキの塗装です。よく下地調整のペーパーを当てて、塗料の吸い込みや密着を良くしてあげます。日のあたる場所にあるため、念入りに行います。
- 塗料は着色防腐剤で木材保護塗料のキシラデコール。以前は確か武田薬品が発売していたと思います。 実はとても高価な塗料なのです。 防腐剤が入っていないものは、オスモカラーやオイルステインと言います。 ちなみにステインには防腐剤は入っていません。 このような着色塗料は、塗装膜をつくる一般の塗装というより、木にしみこませる塗装方法です。なので一度塗装して塗膜があるものは木に吸収させることができないため使えません。
戸建てのベランダ床はFRP防水も非常に多くあります。
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13日目:メッシュシート巻き上げ
- 地下車庫のガレージ周りは塗装していません。あまり色を付けたりもしない場所です。撥水材を塗ったりもしますが、以下コンクリートの打ちっぱなしに似た塗装もあります。
- 解体まで2日あるため、メッシュシートは外してまいておきます。 強風が吹くと足場が当たって外壁に傷をつけてしまうことがあるためです。
- 光り輝く一級塗装技能士による雨戸塗装の完成です。
- 外壁はたっぷり塗ると完成というか達成感というか、それがひと押しです。
- 脚と上部を塗っているところです。部屋にある木材などは塗っては余分な塗料をふき取りながら塗装しますが、この場合はドンドン吸い込んでいくため、塗りっぱなしです。
14日目:塗れ縁デッキ塗装
- バールなどを使って外すようなところはできないですが、簡単に外れてしまうところは外して塗装しています。
- 塗ったら足場に立てかけて乾燥させます。
- この日の横浜市緑区は今にも降り出しそうな雰囲気です。空を見上げて気にしながらの塗装です。
- 塗れ縁は木と木の間の隙間があるものが多いですが、その際は刷毛というより、平べったいステンレスの棒に毛がついたようなもので塗ります。こすって塗るという感覚ですね。
- 玄関前の足場は歩いても頭がぶつからない高さにしてあります。
ウッドデッキが腐食した場合はアルミ製の交換取付工事も可能です。
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15日目:完成
- 足場も取り払って外壁塗装の完了です。
- 塗装指導員の川口によるたっぷり濃厚な3度塗りです。パーフェクトフィラー&水性シリコンセラUVのまさしくパーフェクトな塗りです。少々自慢すぎですかね(笑)
- 外壁に塗料をたっぷり吸わしてあるので、次回に塗る業者さんはとても楽になる作業だと思います。というより再度工事をお願いしたいですけどね。そのためにもこれからも見守らせていた頂きたいと思います。
- ベランダのテラス屋根のアクリル板は作業の都合上、一旦取り外しました。これは塗装が終了したので取り付けた後です。
- 雨樋も緑です。
- 1階の下半分がタイルというもいと味違っていいですね。
- 19缶を使用した外壁。天気が良くないので写りが良くないですが、長持ちはするはずです。それだけの事はさせていただきました。
- 途中、基礎の下にある化粧モルタルに亀裂が見つかりました。一瞬見た目は平気そうですが、触るとボロボロでした。見た目がわからなくても中身が違う場合があるのでホントわからないですね。塗装全体に言えることですが。。
今回の施工を動画でも紹介しています。
合わせて観たいYouTube
施工概要
横浜市緑区長津田・築14年
外壁塗装・付帯塗装・屋根塗装(サーモアイ遮熱)・シール交換・大工工事職人:
【外壁塗装】
仮設足場組み立て、解体306㎡/飛散防止用メッシュシート張り306㎡/持ち込み料306㎡/2階テラスアクリル板脱着1式/外壁高圧ジェット洗浄266㎡/養生173㎡/下塗り塗料(パーフェクトフィラー)10缶/中塗り塗料(水性シリコンセラUV)4.5缶/上塗り塗料(水性シリコンセラUV)4.5缶/艶消し料204㎡/外壁塗装施工費(下+中+上塗り)204㎡
【付帯塗装】
破風(高級シリコン塗装)60m/軒裏(高級シリコン塗装)34㎡/軒下換気口(高級シリコン塗装)1式/出窓上スチール(高級シリコン塗装)2箇所/水切り(高級シリコン塗装)53m/雨樋(高級シリコン塗装)96m/雨戸大(高級シリコン塗装)9面/雨戸小(高級シリコン塗装)6面/デッキ(キシラデコール塗装)1式
【屋根塗装】
カラーベスト屋根高圧ジェット洗浄144㎡/下塗り塗料(溶剤サーモアイシーラー)2.5缶/中塗り塗料(溶剤サーモアイSi)2缶/上塗り塗料(溶剤サーモアイSi)1.5缶/雨押さえ鉄部(サーモアイSi)1式/屋根塗装施工費(下+中+上塗り)144㎡
【トップコート工事】
バルコニートップコート(高圧洗浄・下地調整・層間プライマー塗布・トップコート塗布)1式
【その他工事】
基礎 脆弱部剥離、左官工事1式/雨樋の補修3箇所/エアコンホース巻き2本
【その他】
諸経費(デッキの移動含む)1式
その他緑区で施工した外壁や屋根の施工事例もご覧ください。