外壁塗装の費用
外壁塗装の費用・価格の違い
外壁塗装工事の価格表示を見る際には、慎重な検討が必要です。一般的な価格表示は目安に過ぎず、実際の費用は住宅の状況によって大きく変動します。築年数や劣化の程度によっては修復作業が必要となり、最終的な費用が当初の見積もりから1.5倍以上になるケースもあります。さらに、低価格をうたう表示には注意が必要です。後から追加費用が発生するリスクがあるため、表面上の価格だけで判断するのは避けるべきです。
一見魅力的な安価な工事は、品質が費用に見合ったものとなる場合が多い一方で、不当に高額な工事が提案されることもあります。そのため、価格を確認する際には、工事の品質や追加費用の有無についても十分に検討することが重要です。見積書には「価格」、「平米数」な「施工方法」などの様々な項目がありますが、いずれもその見積書が適正に算出されたものなのか、現地調査からどういう根拠のもとで作成されたものなのかということも知る必要性があります。
外周や凹凸による外壁面積の違い
外壁の塗装工事費用は外壁面積に大きく影響されます。外壁面積が広いほど塗料の使用量が多くなり、工事費用も高くなります。また、外壁の形状が複雑な場合や建物の形状で凹凸が多い場合も工事費用が高くなる傾向にあります。
木部や鉄部など痛み方による違い
木部の痛みが激しければ研磨(ケレン)作業の手間もかかり、その上塗料の吸い込み度もアップしますのでより重ね塗りが必要になり、その分手間と時間がかかるために費用の差が生じます。
木鉄では刷毛作業がメインな上、外壁塗料とは色と種類も変わってくるため、その分の塗り分け作業も発生します。また築10年と築20年では木部の傷み方も異なってくる場合も少なくないため処置の程度も変わってくる分、価格も上下します。
大工や板金屋が入る場合の違い
腐食が進行すると塗るだけではまかなえない部分も出てきます。特に築年数が数十年と経過した家では破風板、窓枠、帯板、母屋、軒天井など外観に多くの木部を使用しています。木部の腐食がある場合は大工をいれ、鉄部の腐食には板金屋や鍛冶屋が修理をしてから塗装するので、その分費用が掛かります。
窓アルミサッシと木枠による違い
窓などが木部ではなくアルミサッシの窓の家は塗装の必要がありません。築年数の経過した住宅では外観に木部や鉄部が多く使われているため、その分塗るところも多くなって費用の負担が大きくなります。当然ながらアルミサッシの場合は逆に費用の負担が減ることになります。
外壁の種類による費用の違い
平らなツルツルとした壁と、凸凹の激しいザラザラとした壁では塗料の吸い込み度が変わってきます。凹凸ザラザラの壁は平滑ツルツルの壁より塗料消費量の塗料の差は3倍以上になることも。もちろん塗料を多く使用すれば作業量もそれだけ増えます。逆にツルツル壁の場合は塗料消費量が少なくなります。正しい使用量が求められます。
https://nuru.co.jp/how_to_choose/paint_cost/
サイディングのシール交換
サイディングの場合、外壁の目地と窓まわりのシール(コーキング)の交換工事(打ち直し)も必要になってきます。サイディングの外壁の場合、シール交換なしでの工事はまずありませんので、モルタル外壁よりこの部分ですこし費用負担が大きくなります。
足場の組みやすさ
「くさび足場」と「単管足場」で塗装の質が変わってくる可能性は高くなります。
お隣との境界が極端に狭く作業がしにくい場合、または坂の上など玄関まで足場材の手運び等が発生する場合などは、狭所作業費や運び手間費といったものを追加するところもあります。
塗料のちがい
塗装工事の価格について、塗料のランクによって十万円ほどの差が出ることは少ないです。塗装会社が独自に展開する「OEM塗料」を使用する場合にも注意が必要です。OEM塗料は、塗装会社が塗料メーカーに特注して製造させたもので、「高性能なオリジナル塗料を使用」という誤解を与えるような印象がありますが、実際には一般販売されている塗料とほぼ同じ成分であるケースも少なくありません。このような塗料を用いる工事では、価格を大幅に引き上げる戦略がとられる場合もあるため、慎重な判断が求められます。
また、塗料の価格差については、1缶1万円の違いがあれば性能差も大きいといえますが、通常のランク差、例えばウレタン塗料とシリコン塗料のような場合は、1缶あたり2,000円前後の差に収まります。例外として、フッ素塗料や断熱塗料は高価なため、工事全体の費用にも影響を与えることがあります。そのため、塗料の種類による価格差が大きい工事については、その価格が妥当かどうかを慎重に検討することが重要です。
外壁の塗り分け
家の外観や形状によりますが、色分けをすることでメリハリがある印象の家になったり単色で塗ることで統一感のある重厚な印象を与えることもできます。
色分けをする場合には、それぞれの色によって道具の使い分けが必要になったり塗装のライン出しの手間と技術も必要になります。その分工数が掛かり費用が追加で必要な場合があります。